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就活生が意外と知らない、ベンチャーキャピタル業界の実態と、VCとしての個性の出し方とは

若手VC(ベンチャーキャピタリスト。ベンチャーキャピタルの投資担当者)3人が、VCの働き方や、入社の決め手、今感じるやりがいや今後の目標を赤裸々に語ります。
コンサルから異動した上岡、澤柳と、新卒VCとして入社した茂木が感じる、VCとコンサルの違いやVCならではの面白さを聞きました。(前後編の後編。前編はこちら


1年目の新入社員も、平等にチャンスがある

茂木:VCとコンサルには、思った以上に違いがありましたが、コンサルティングでの経験はVCの業務に活きていますか?

上岡:コンサル時代に学んだ、大量の情報の中で本質を見つけるためのロジカルシンキングはVCの業務でも活かせてます。求められるゴールは違うけど、思考のプロセスには応用が効く点がたくさんありましたね。
例えば、ファンドの投資戦略を策定する際もそうです。モノゴトを群で捉えることや、分散した大量の情報に優先順位を付け、取捨選択することは、コンサルの経験があったおかげでスムーズにできていると思います。

茂木:僕はお二人みたいにコンサル経験はないですし、学生時代に起業に興味をもったこともありませんでした。スタートアップ業界のことも、ベンチャーキャピタルの業務のことももっと学ばないとなと感じてます。

澤柳:さっき上岡さんが言ったように、VCの成果は企業の成長です。そこで大事になるのは、投資方針を理解することと、企業の価値と成長性を見極めること。もちろん簡単なことじゃないし、学び続ける必要があるけど、業界経験の差や、社会人経験の差ってそこまで関係ないように思います。
特に当社の場合、たとえ1年目の新入社員でも、平等に価値を出せるチャンスがある体制ですよね。

茂木:確かに、1年めから起業家との面談をガンガンさせてもらえて驚いています。
だからといってずっと個人戦ではなく、実際に投資を決めるまでのプロセスは、チーム全体で入念にディスカッションし、調査することが多い。個人戦のよさも、チーム戦の心強さも味わえてすごくいい環境です。経験を増やしていきたいですね。

重要なのは経験年数ではなく学び続ける姿勢

上岡:常に学ぶ姿勢は大事にしていきたいですよね。僕は、VCの命は情報と起業家に寄り添うマインドだと思ってるんです。いかに有益な情報を起業家に提供できるか。そこでVCとしての価値も決まると思っています。だから自分の引き出しを増やしていきたいんです。
せっかくこの業界にいるのに、日本の情報しか知れないなんてもったいないなと思って、海外の情報も積極的に取得しています。海外のVCの動向や資金調達情報、技術トレンドも知っておくと、もっと支援の幅が広がると思っています。

起業家が課題を打ち明けてくれたときに、プロダクトなり、マーケティング施策なり、その時々で最適な打ち手を提案できるかどうかで、企業の運命が変わることだってある。常にアンテナを張って、引き出しを増やしていきたいですね。澤柳さんは、今まだ足りないと感じるスキルってありますか?

​​澤柳:起業家から信頼してもらえるVCになるためにも、コミュニケーション力をもっと高めたいですね。
先輩の面談に同席すると、起業家のテンションがどんどんと上っていくのを目の当たりにすることがあります。先輩が、事業の課題や悩みを引き出し、その上で的確な情報を提供すると、相手の表情が変わるんです。先輩VCと起業家の間に信頼が産まれた瞬間がわかる。私も、質問力を高めて信頼してもらえるVCになりたいです。

上岡:表情が変わる瞬間、嬉しいですよね。すごくわかります。

VCとしての自分の色を出していく

―これまでの仕事の中で、自分だからこそできたと実感した出来事はありますか?

茂木:バイオベンチャー企業と面談したときに、「専門的なことも理解してもらえてありがたい。技術を理解してくれる投資家から投資を受けたい」と言ってもらったときは嬉しかったですね。学生時代に研究をしてた自分だからこそ見つけられるスタートアップがあるんだと自信になりました。せっかく貴重なお時間を割いていただくので、お互いにとって有意義な場にしたいと思ってます。

上岡:茂木さんはすでに社内のムードメイカーだし、経験や知識が付けばキャラ立ちしたキャピタリストになりそうだよね。
僕はファンドの投資戦略をドラフトし、ファンド活動の中で常に投資戦略をチームの共通MAPとして使えるように取りまとめたことが印象に残ってます。60人以上の事業部へヒアリングし、かなり時間がかかりましたが、LPからは好評を頂きましたまた、キャピタリストとして自分の色を出して行きたいので、関心領域のシェアなどを続けており、自分が投資担当をしたスタートアップの傾向も含めて、徐々に社内で「これは上岡っぽい案件だ」と言われることも増えてきたのも嬉しいです。

澤柳:私は、とあるトラブルが起こった案件を担当したことが印象に残ってます。
起業家、他社のVC、法務など、様々な人を相手に、解決方法のリサーチや提案。そしてスケジューリングとディレクションを行いました。最中は大変で、途中で心が折れそうだったんですが、他社のVCの方から「澤柳さんが丁寧にケアしてくれたから安心して投資できました」と声をかけていただき、すべてが報われました。これを乗り越えられたんだからと、今後の自信になりました。経験させてもらえてよかったです。

就活生が意外と知らないVC業界

ーベンチャーキャピタルへの就職を検討する学生に伝えたいことはありますか

澤柳:会社の規模に囚われず、広くVC業界を見ることでしょうか。大々的に新卒採用をしているベンチャーキャピタルは少ないので、就活生からはベンチャーキャピタルってまるで数社しかないように見えるかもしれません。でも実はものすごい数の会社があって私も驚きました。そして実際にVCとして働いてみると、業界で活躍できるかは会社の規模とあまり関係がないと気づきました。

なので規模だけでなく、どんな投資家がいるのか、どんな投資ポリシーを持っているのかに目を向けてみるといいと思います。当社のように、コンパクトな規模感だからこそ、若手でも裁量を持って働ける会社もたくさんあるはずです。

茂木:そうですね。就活を終えてみると、出回っている情報ってほんの一部なんだなと感じました。新卒の説明会をしていないから、全く新卒採用をしていないってこともないんです。問い合わせフォームから「インターンさせてください」と連絡してみると、意外と面接のチャンスがもらえることもありました。そこでポテンシャルを見せられたら、採用に至ることだってあるはず。実際に自分で動いて情報を取りに行くのが大事だと思います。

上岡:それってVCの業務にも似ているし、そこまでやれる人はきっとVCに向いてるだろうと思います。VCという職種の人気は高まっていますし、目指すにはとてもいいタイミングだと思います。
イグニション・ポイントに興味を持ってくれたら嬉しいですが、そうでなくても新卒でベンチャーキャピタルに入る人が増えたら、業界がさらに面白くなりそうです。

茂木:スタートアップ業界のエコシステムに入る人が増えて欲しいですね。みんなで業界を盛り上げていきたいです。

(文:丸岡愛美 取材・編集:井澤梓/カタル


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