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“適当人間”増殖中!
病気やトラブルで、イベントや旅行に行けなくなったりした場合に、チケット代金や宿泊料金を補償・返却する少額短期保険(ミニ保険)が登場したことをご存知だろうか。
想定外のことはよくあるので、「よくぞ思いついた」と言える、優れたビジネスモデルだと思う。私も利用したい。……と、一瞬は思った。
この新サービスには何の問題もないように見える。だが、こうした“痒いところに手が届く”的なサービスが増えると、人間が“いい加減”なことをするようになるのではないかと危惧する。
「行けないかもしれないけど、取り敢えず予約しちゃえ!」という、適当さが出てくるのではないか。
旅行にはキャンセル料が掛かるので、キチンと準備をして、仕事の段取りを整え、計画的にものごとを進めるものである。
だが、簡単にキャンセルができてしまうと、「ダメでも損しないし」となり、計画さえ適当になってしまう。
気楽かもしれないが、こんなことが許されると、計画性のない人間ばかりになってしまう。その場その場の“行き当たりばったり”。これでは、社会の秩序さえ失われてしまうのではないか。
いま、携帯やスマホの普及で、待ち合わせに遅刻する人が多くなっているという。簡単に連絡が取れるので、「ちょっと遅れる」と平気で言うようになってきている。待つ方も、連絡が入ることであまりイライラもしないので、怒る人も少ない。
両者が揉めなければそれで良い、と思う人もいるだろうが、これは明らかな間違いである。待ち合わせの時間を守る、ということが、社会人として必要なのである。
決まった時間までに到着するために、時間配分を考えるのである。これが計画性なのだが、できない人が増えている。
自分の適当さをフォローするために携帯・スマホで連絡することは、金を損しないために少額短期保険に入ることと同じではないのか。
こう考えると、適当な人間を助けるためのサービスを作ることは、世の中のためにはならないのではないかと思えてくる。「誰も損しないんだから、いいじゃん!」では、済まないのである。
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