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楽食探訪&エッセイ

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#庶民

楽食探訪:庶民の夢のその上、「うな牛」。

夏のお話。 日本の夏と言えば、うなぎ。 甘辛いタレとうなぎの脂、炭の香りが、 腹と脳を刺激する。 食べたいという思いが、心の底から沸き上がってくる。 けれど、容易く口に入れることはできない。 庶民にとっては高級品。高嶺の花。憧れ。夢。 特に稚魚が少なくなっていると言い出してからは、 セレブな食べ物になってしまった。 テレビでうな重が紹介されると、 5000円という値段だったりする。 貧乏人には意味がわからない。 丼一杯程度の飯が、 一流ホテルのブッフェより高い

楽食探訪:「ねこまんま」のある大衆食堂。

そのお店の存在は、20年以上前から知っていた。 失礼な言い方だけど、どこにでもある古い大衆食堂だ。 どちらかと言えば、好きなタイプのお店だけど、 場所が家から遠いこともあり、 興味を持つこともなかった。 だけど、何度かお店の前を車で通っていると、 お客さんの出入りを目にすることもあった。 昼前頃だと、多くの人が押し寄せるかのように、 集まって来るのがわかった。 昔からやっていて、お客さんも多いので、 20年経って初めて興味が湧いてきたのだ。 いまは便利な時代で、