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プレリュードは若者のために【car】

ホンダがジャパンモビリティーショー2023で「プレリュード」の復活を宣言した。
プレリュードといえば、我らアラカン世代には言わずと知れたデートカー。初代の登場は1978年だが、人気に火をつけたのは1982年モデルチェンジの二代めだろう。しかし、懇意にしていたCMディレクター自慢の愛車だったが、正直オンナノコ受けはイマイチだったように記憶している。まあ、プレリュードではなく本人のモンダイだったかもしれないが。

モテグルマとしての決定打は三代め(ヘッダー画像)だろう。当時トレンドとなっていた先進装備4WS(四輪操舵)も先頭を切って投入し、より洗練されたルックスはトヨタ・ソアラと共に間違いなく人気車だった。女子席、もとい助手席側からも。

だが、バブルの到来以降クルマのトレンドは目まぐるしく変化していった。
プレリュードやソアラのスペシャリティクーペを含むハイソカーはパジェロやハイラックスサーフなどRVに取って代わられ、スバル・レガシィが火付け役となったステーションワゴンを経てミニバンブームに至る。

その間にもモデルチェンジをしてきたプレリュードも、五代めをもって歴史に幕を下ろした。
運転免許を取得したばかりの若者さえも、最初の一台にミニバンを求めた時代だった。


更に時を経て、2000年代初頭に登場したSUV(スポーツユーティリティヴィークル)はブームを超えて定着したと言える。国内メーカーからセダンすら駆逐してしまうほどに。

よほど恵まれた経済的環境でない限り、移動をクルマに依存する地方でも1人複数保有は多くはないだろう。となればオンの移動に不都合なく、なおかつオフのレジャーに活用しやすいクロスオーバーSUVが売れ筋となるのは明らかだ。

だが、ちょっと待って欲しい。

自動車メーカーはレジャーユースの利便性をアピールするが、ユーザーは本当にそこまで使い倒しているだろうか。実態は日常の足としての用途が大多数ではないのか。
だとすれば(だと思う)、メーカーが本気でマーケット変革に取り組めばSUV一辺倒のユーザーの指向も変えることができるはずだ。

その役割を、ホンダとプレリュードに期待したい。

そのために、プレリュードは高級車にしてほしくはない。ホンダが目指す「クルマを操る楽しさ」には他社を圧倒するパワーも必要ないだろう。200馬力もあれば十分だ。
時代的に電動ユニットの搭載は不可欠だろうが、それでいて若者が頑張れば手の届く価格帯であってほしい。都会的なスポーティーさが優先だ。アウトドアなぞ眼中になくてもいい

何より、男女が一緒に乗ってドライブに出かけたくなるコンセプトメイキングは不可欠だ。そうでなければプレリュードを名乗る資格はなかろう。それはホンダ自身が一番分かっているはずだ。


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