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2-2 圧倒的に地域と向き合うローカルプロだからできる関係人口デザイン 【地域×スポーツ大全】

ピラミッド構造の下を支えなければ上は無い
理想の形、アンバサダーになって新陳代謝を上げ全国に出身者を増やし旅行で来てもらう
関係人口デザインこそが地方創生の形


グローバルハイクオリティよりローカルロークオリティ

地方創生の鍵はローカルロークオリティ、つまりローカルプロだと前回申し上げた。
なぜ鍵なのか、僕の体験をもって述べよう。
なぜグローバルハイクオリティよりローカルロークオリティなのかを説明し、今までにない日本バスケ界のボトムアップについて言及する。

ローカルプロとはとにかく地域に貢献する運動体だ。
それを僕らは 町の筋肉になる と表現をしている。

最低限の衣食住は保障するのでその代わり、バスケットと地域貢献に圧倒的にコミットする といったコンセプトだ

バスケットに集中というのは、社会人になったら難しい週5でのチーム練習ができるということ。
寮はクラブが持つということ。

ただクラブから先出しで年棒契約は出来ないので午前中は地域で就労をし、昼から練習、夜に子どものバスケスクールやイベントのやミーティングやトレーニングというスケジュールのセミプロに近い形になる。

設立の背景としてはそもそもの発起が行政と一緒に立ち上げたという文脈があり、行政から仕事を貰うこともあれば町のイベントに積極的に参加して汗と力こぶを見せていく活動が僕らの強みである。

トッププロの場合、年間に50~60数試合にが行われ、シーズン中の土日はほぼ試合であり、日本全国を回るアウェー戦などを考えるとコストが甚大だ。

オフシーズンの2、3か月ほどしか土日を使ってイベントなどすることは難しいだろう。

ただローカルプロの場合は年間の試合数が20~30試合であり、地域も中国九州四国リーグなのである程度の負担は軽くなる。
(ただ島の場合は終電ならぬ、船の最終便が18時や20時であってチーム団体10数人くらいの宿泊費が余計にかかりやすいという問題があってクラウドファンディングを行ったこともあるのだ)

地域密着のクラブ、町の課題解決のクラブとして、一年中町のために動き回るのが理想だ。

選手に何千万というギャランティーを支払い、興行ビジネスとしてアメリカのように成功させていくことは理想かもしれない。

ただ町の経済規模を鑑みると全国に小規模のクラブがコンパクトシティのようにたくさん作られていくことが現実的で且つユニークなソリューションであると断言する。


地方創生には関係人口デザイン

観光地として圧倒的なリソースを持つ小豆島。

海と山の自然に囲まれ、オリーブやそうめん、醤油蔵にごま油など、昔ながらの伝統を活かしたこだわりの手作り製法のファンはものすごく多い。

ものすごく多い。

(大事なことだから二回いった)クラウドファンディングを通じて全国に特産品をお届けさせてもらって、沢山の人から喜ばれたのはとても誇らしかったことを覚えている。
(ワインのように食事によって醤油の種類を変えるんだぜ。ほんとに食卓が豊かになるんだってば!)

そして小豆島ローカルプロのDNAを持ち、ステップアップや移籍、引退をしていった人はみんな島が大好きだ。
かくいう僕も心からこの島が大好きで、引退をしてからもう四回ほども訪れている。

少子高齢化が叫ばれている地方において、こうして愛着を持って文脈を絡め合い、新陳代謝を高めながら沢山の人の第二第三の故郷となることが地方創生の鍵である”関係人口”を増やす。
長いスパンを持った本質的な解決策となるだろう。

小学生のバスケスクールを初めてはや4年、中学生に上がる子たちも増えてきた。

彼らが5年後にチームトライアウトを受けに来ることを心待ちにして、地域の生え抜きの選手が出てくるストーリーを描きながら、今日も子どもたちの夢中のきっかけをつくっていく。


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