◇4275:カーリットHD ~その2~

◇水素関連銘柄としての新たな思惑

2023年7月10日:「水電解用酸化マンガン系酸素生成(OER)触媒の運転方法・製造方法の確率と大型化へ向けた研究開発」がNEDO委託事業に採択

・NEDOの「燃料電池等利用の飛躍的拡大に向けた共通課題解決型差額関連系研究開発事業/水素利用等高度化先端技術開発」に東ソー、理化学研究所と共同で提案、採択

・「グリーン水素」の製造に用いる新規触媒(イリジウム含有マンガン酸化物)の研究開発における、イリジウム含有マンガン酸化物の工業化可能な製造方法、水電解の最適な運転方法、電解装置の大型化に向けた技術開発を行い、事業化に必要な技術基盤を構築することが目的

・日本カーリットは電気分解技術と触媒となる電極の研究開発、生産の成果を活かし、電解装置(セル)の設計、試作、評価の役割を担う

※水電解:安価な水を電気分解して水素と酸素を得ること

◇その他開示資料と報道
・2023年8月3日開示:「過塩素酸アンモニウム増産計画の着手」

・2023年8月24日、日刊工業新聞にて記事掲載:
「日本カーリット、電池試験設備を拡充 25―27年度目標」


◇同業他社との比較

◆4725:カーリットHD
時価総額:222億円
9月8日時点株価:925円

売上高:360億円
営業利益:26億円
経常利益:29億円
当期純利益:22億円
EPS:95円
PER:9.5
PBR:0.65
ROE:7.01%
ROA:4.43%
自己資本比率:64%
予想EPS:97円
実績BPS:1,402円


◆4272:日本化薬
時価総額:2,229億円
9月8日時点株価:1307.5円

売上高:1,983億円
営業利益:215億円
経常利益:230億円
当期純利益:149億円
EPS:90円
PER:20.6
PBR:0.83
ROE:6.00%
ROA:4.69%
自己資本比率:78%
予想EPS:65円
実績BPS:1,532円

☆企業規模に差はあれど、同業他社で比較した際の各種ファンダメンタルズ指標は、未だ割安感はあると見受けられる

<個人的な今後の予想>

◇防衛関連ニュース:
・2024年度防衛予算が過去最大の7兆7385億円
・今年度から5年間の防衛費の総額を43兆円程度の見通し
・長射程巡航ミサイルを1000発以上の保有検討
・米軍、砲弾の増産に必要な火薬を日本企業から調達検討
・自衛隊の弾薬不足解消に向け、国主導で量産体制を整備、2023年より向上稼働を目指す

◇上記複数の報道事実、ならびに2023年8月3日開示資料から、過塩素酸アンモニウムの増産体制強化は国からの指示があった?可能性も
また、H2-Aロケット打ち上げ成功を含め、国内民間企業における宇宙事業は今後より活発化、ロケットの打ち上げ回数も飛躍的に増加していくと予想

☆過塩素酸アンモニウムは確実に高い需要が見込まれていくと予想

☆参考例:ミサイル燃料70トン相当の過塩素酸アンモニウムは、10数発の中距離弾道ミサイルを満たすに充分な量


◇近赤外線吸収高耐熱性色素は、EVのエアコン効率向上や軽量化に寄与する素材として、ポリカーボネート樹脂製窓への用途で提案

◇国内でも自社の試験設備を持ち、リチウムイオン電池の放電サイクル試験、性能試験、安全性試験などを実施する企業は非常に稀である
また、2023年8月24日報道資料からも、自社の電池試験設備拡充は確実な需要を受けての体制強化と見受けられる

☆EV関連銘柄や水素思惑銘柄としても、何かの拍子で大化けする要素あり
☆とりわけ宇宙・防衛の恩恵は大きく貢献していくものと予想

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