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小説「魔王と社長の憂鬱」第二話

https://note.com/iggygarixon/n/n7434b915eb67


田中社長は、新規事業戦略の経営会議で熱心に提案を行う部下の様子を見つめていた。提案は革新的であり、部下はその成功を確信していたようだ。しかし、田中は何か引っかかるものを感じ、一度提案を見直すよう指示した。


その後、2度目の会議は開かれることはなかった。部下は失望し、会社を辞めてしまった。数ヶ月後、田中は驚くべきニュースを耳にする。その部下はライバル会社で新規事業戦略を策定し、大きな成功を収め、急速に出世していたのだ。

田中の心は重く、自分の判断の誤りを痛感した。その日の夜、彼は自宅のバルコニーで深いため息をつきながら星空を眺めていた。すると、以前、あるバーで知り合った老婆に渡されたチケットを思い出し、ポケットから取り出した。そのチケットには特別な力が宿っていると言われていた。

田中はチケットを手に取り、触った瞬間、彼の周りが白い光で満たされた。目を開けると、彼は暖かな照明の下、落ち着いた雰囲気のバーに立っていた。

バーテンダー:「お久しぶりです、田中様。」

田中:「ああ、ここは…」

バーテンダー:「時空を超えたバー。何かお悩みですか?」

田中は、部下のこと、そして自分の判断の誤りについて語り始める。バーテンダーは、彼の話を静かに聞きながら、心温まるお酒を注ぎながら励ました。

田中:「私は、あの提案を受け入れるべきだった。」

バーテンダー:「田中様、2杯目のお酒ですが、あちらのお客様です。」

バーテンダーは2杯目を田中に差し出した。バーテンダーの視線の先にいたのは、異様な容姿をしたものだった。

つづく

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