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VR社長消失事件 第七話 「サーバールーム」

青山は、USBメモリから得た画像を注意深く調べていた。画像の中には、何かのヒントが隠されているはずだ。彼は画像の細部を一つひとつ分析し、背景のサーバーラックや配線の配置、それにサーバールームの特徴的なデザインに目を凝らした。そして、彼はある発見をした。このサーバールームは、プロジェクト・エクリプスで彼がシステム構築に関わった時のものと同じだった。


時間が迫っていることを自覚した青山は、急いでオフィスを出て、最寄りのタクシーを拾った。タクシーの中で彼は、サーバールームへの最速のルートをドライバーに指示し、心の中で緊張を抑えようとした。彼の心は、社長を救出する使命感と、不安でいっぱいだった。


やがて、タクシーは目的地に到着した。青山は車から飛び出し、サーバールームの入り口に向かった。ドアを開けると、目の前には無数のサーバーラックが並ぶ広大な空間が広がっていた。しかし、彼が期待していた社長の姿はどこにもない。部屋は静まり返っており、ただ機械の微かな音だけが響いていた。


青山は慎重にサーバールームの中を探し始めた。彼は社長が拘束されていた場所を見つけようと、一つひとつのサーバーラックを調べた。しかし、彼が集中しているその時、背後から突然の衝撃が彼を襲った。何者かに強く殴られた青山は、床に崩れ落ち、意識を失ってしまった。

つづく

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