廃棄物の野焼きを低減するためのグローバルなイニシアチブと優良事例
こんにちは。持続可能なアジア太平洋に関する国際フォーラム(ISAP)で事務局を担当している津高です。今日は12月5日に行われるISAPのテーマ別会合14について見どころを紹介したいと思います。
日本ではもうあまり見かけなくなった、廃棄物の野焼き。特に都会では近隣の住民に迷惑であるなどといったことから、条例で取り締まられていたりします。また地方であっても、ごみ収集や分別についてシステムができあがっており、野焼きが問題になることはあまりありません。
しかし、主に発展途上国では依然として廃棄物の野焼きは大きな問題です。処理されていない廃棄物から出る有害なガスが健康被害を及ぼしたり、メタンなどの温室効果ガスの発生源となったりします。つまり、各村々や町の中で小規模に野焼きが行われていたとしても、何億人という人々がそれを日常的にしていたとしたら、それは地球規模での大気汚染・環境破壊につながってしまうのです。
野焼きのような個人個人の一般的な日常慣習を変えることはとても難しいのが実情です。単に環境や健康に悪いという啓発活動だけではそれを止めることはできず、公共セクターがごみを収集し、安全に焼却し、そして熱利用するなど、廃棄物を処理しながら人間活動に還元するシステムを構築することも重要です。
世界人口の半分と言われるほど多くの人口を抱えるアジア太平洋地域において、この野焼きを抑制していくことは、地球全体における喫緊の課題です。今年4月、IGES-UNEP 環境技術連携センター(CCET)ではアジア数都市で実施した野焼きに関する調査結果を報告するウェビナーを開催しましたが、今回のセッションでは、野焼きの抑制に関する国際的なイニシアチブや優良事例について紹介していきます。
アジアのごみ問題は、地球のごみ問題なのです。
「ISAP Now!」では、地球環境戦略研究機関(IGES)内のISAP事務局担当者が、ISAPのセッションに関する情報を紹介します。(このマガジンの詳細はこちら)。
文責:津高 政志 IGES戦略マネージメントオフィス シニアプログラムコーディネーター(プロフィール)
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