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アジアにおけるネット・ゼロに向けた社会的に公正な移行

こんにちは。持続可能なアジア太平洋に関する国際フォーラム(ISAP)で事務局を担当している津高です。今日は11月30日に行われるISAPのテーマ別会合5について見どころを紹介したいと思います。

皆さんは温室効果ガスの排出を実質なくした社会、いわゆる「ネット・ゼロ社会」に必要なものは何だと考えますか?それを「アジアで」実現するには何がいちばん重要だと考えますか?

脱炭素化を進める技術やそれを支える資金、人材やノウハウ、確かにそれらも必要でしょう。しかし、それらがうまく機能するためには、多様な社会が平等な形で脱炭素化に向かう素地がそもそも必要です。

実際、気候変動は進んでいて、不平等な形で、つまり社会的弱者ほど深刻な被害を受ける形で影響を引き起こしています。この不平等をいかになくしていくか。それが「気候正義」と呼ばれる概念です。そして、不平等にならないような脱炭素社会に移る過程(プロセス)においても公正さが求められます。それが「公正な移行」という概念です。この二つの概念について、アジアという地域的な特徴・特性を踏まえて議論するこのセッションは、中国、日本、韓国における最新の動向に光を当てます。

事例として挙げられているのは、

  1. 世界的石炭使用廃止事例に基づく中国の公正な転換政策(既存の正義的転換概念)

  2. 市民参加を考慮した日本の食糧構造転換(市民社会への拡張)

  3. 韓国の若者の気候関連活動(世代間気候正義への拡張)

これらの事例から導かれるトレンドや新たな考え方とは何なのか。Sustainability Scienceという学術雑誌の協力も受けながら、アカデミックかつ実践的な知見を発表し、議論を深めていきます。


「ISAP Now!」では、地球環境戦略研究機関(IGES)内のISAP事務局担当者が、ISAPのセッションに関する情報を紹介します。(このマガジンの詳細はこちら)。


文責:津高 政志 IGES戦略マネージメントオフィス シニアプログラムコーディネーター(プロフィール


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