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耕作放棄地におけるソーラーシェアリングによる地域循環共生圏の創出

こんにちは。持続可能なアジア太平洋に関する国際フォーラム(ISAP)で事務局を担当している津高です。今日は11月29日に行われるISAPのテーマ別会合1について見どころを紹介したいと思います。
 
テーマ別会合1はソーラーパネル設置に関するディスカッションですが、まず、背景情報があります。
 
日本は、古来より農業が盛んで、食料の確保や海外からの農作物に負けない価格で農作物を流通させるためなどの理由で、耕作地を他の目的に転用する開発行為に厳しい規制がかけられてきました。しかし、少子高齢化、都心への人口集中と地方の過疎化、さらには農業従事者の減少などが理由で、主に地方で空き家や耕作放棄地が増加の傾向にあります。
 
一方、菅元首相の2050年カーボンニュートラル宣言に沿った経済活動も重要になってきている昨今、脱炭素化に向けて太陽光発電の導入を拡大するため、ソーラーパネルの設置場所が必要になってきています。
 
この二つの現象に対し、耕作放棄地におけるソーラーパネル設置がどのように可能か、という課題が出てきたのです。
 
このセッションでは最初に、市民の手でパネル設置を行ってきた宝塚すみれ発電の事例が紹介されます。開放された市民農園の上部空間で行われるソーラーシェアリングとはどのような事業なのでしょう?そして、そこから見えてくるさらなる課題とはどのようなものなのでしょう?
 
次に、市内の農地の20%異常が耕作放棄地となっている淡路市の事例をIGES研究員が紹介。日射量などの条件が整った適地を見つける困難さや、ビジネスとして成り立つための条件について話します。
 
耕作放棄地で太陽光発電を行うためにいちばん必要なのは、それを行う「人」なのか、発電した電力を適正な価格で買い取ってもらえるファイナンスの制度なのか。この「卵が先か鶏が先か」のように見える話を、事例をもとに考えていきたいと思います。


「ISAP Now!」では、地球環境戦略研究機関(IGES)内のISAP事務局担当者が、ISAPのセッションに関する情報を紹介します。(このマガジンの詳細はこちら)。


文責:津高 政志 IGES戦略マネージメントオフィス シニアプログラムコーディネーター(プロフィール

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