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serial experiments lain PS版 RTAを走ってみよう計画[雑記]

どうも、はじめまして。この記事の筆者ことくりふと申します。

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今回は「serial experiments lain Advent Calendar 2019」の12/13日担当分で企画した
「serial experiments lain PS版」RTAの経緯や感想を綴って行きますね。
あと、もしかしたらいるかもしれない後世の変態走者様の為に今回使用したチャート(操作コマンド)一覧も最後に掲載しておきます。攻略や何かの参考程度にして頂ければ幸いです。

本走動画リンクはこちら(YouTube)

前記録(ニコニコ動画)

キミは「RTA」を知っているか?

突然ですが、あなたは「RTA」という言葉をご存知でしょうか?
RTAとは、「Real Time Attack」の略称で、ゲームスタートからクリアまでのタイムを競うゲームのプレイスタイルの一種です。ゲームによってはコンマ0.1秒を争う白熱した戦いが毎日繰り広げられているような世界です。(例:マ◯オ系統はとあるバグの再現に約12万の懸賞金がかかることもあったほどに超超激戦区)

よく暇潰しとして見るRTAの動画の中には本当に多種多様なゲームがありました。王道タイトル、マイナーゲー、クソゲー...動画がキッカケで知ったゲームも数多くありますし、良いゲームに出会えることもしばしば。

でも、あのゲームはどれだけ検索してもRTAが無いように思えました。そうですね。私の人生観を変えてしまったあのゲームがどうしても見当たらなかったのです。

「lainPS版のRTAってもしかして無いのでは?」という疑問

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ふとこの事実に気が付いてしまってからは「マジで無いのでは?」と日々の生活の傍ら少々不安になっておりました。仮に現在PSプレミアゲーの代表タイトルの一種だとしてもです。そこそこ信者もいるコンテンツです。誰か1人くらいは同じことを考える猛者がいてもおかしくはない話だと思っていたからです。

とりあえず、思い立ったら行動。
RTAの大規模な記録サイト「speed run.com」にアクセスし、ゲームのタイトルを打ち込んで検索をかけましたが全くのノーヒット。この時点で海外の走者が居ない可能性が高い事実に気が付き、結構落ち込んだのを記憶しています。
頼みの綱は国内走者の多いニコ動でした。とりあえずゲームタイトル+「speed run」「RTA」と付け足して検索をしてみました。

そうすると...一件だけヒットしてくれました。

この収穫はかなり、いやめちゃくちゃ大きかった。世界各地のサイト(YouTubeやTwich)を探せどこれしかこのゲームのRTAの記録が存在しなかったのですから。
いやね、本音を言いますともうちょっと居ると思ってたんですよ。特にlainは海外人気が強いので誰かかしらが既に走っていてもおかしくないかなとも予想していましたから。

でも実際、2010年に走られた一本しか現存する記録がなかったのです。しかし見つけられただけもこれ幸い、と思い早速動画を開いて作業の横で流し見することにしました。

「自分にも出来そう」という悪魔の囁き

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やっと見つけたRTA動画を開き、作業の傍でチラ見しながら楽しんでいた私ですが何度も見返す内にふとある事を考えてしまいました。

「これ、もしかして自分にも出来るのでは?」

適度な緩さのRTA動画でしたから、ついそう思ってしまったのです。そこそこ改善点もあるし、ちょうど良いことに実機PSONEも、大捜索の末ようやく去年ゲット出来たROM(ゲーム本体)もあるし、まだHDMIの録画環境は無いけどGV -USB2のコンポジット録画環境ならある...

「いっそこの際やるしかない」と思いました。

逆にここまで環境が揃っているのです。いつでもやれる環境がいつの間にか揃ってしまっているのです。今やらずとしていつやるか。

ということでおまたせしました。
遂に本題です。
以上の理由から今回、lainPS版のRTAをやってみることになったというわけなのです。

走るための前準備

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幾ら暇潰しで数多のRTA解説動画を見たとはいえ、実際に自分でゲームを走るのは初めて。
最初にやることと言えばなんとなく動画の流れから理解していました。そう、チャート作りと下調べです。

RTAでタイムよりも重要とされるのはまず「完走」することである...という言葉は馴染みの解説動画の棒読みちゃんもよく口にしますし、追加で調べた走者様のブログにも大体の確率で書かれていたことでした。

本来は最短の手順を下調べする所から始めるものです。しかし幸いなことに先駆者様が1名も居ましたのでまずは動画を参照に手元に残る紙にペンでルートを見よう見まねで書き留め、最初なのでタイムは計らず試行錯誤しながらも通す練習をすることから始めることにしました。

やるべきことをしよう(チャート確認)

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2日も練習するとメキメキと地力が付く感覚があり、前走者様のルートをそれなりの時間で辿れるようになりました。
そもそもこのゲームのRTAでやることと言えば「SSKN」と「GATE」の全開放、「LDA230」、「LDA237(エンディング)」の視聴くらいしかありません。
ちなみにこれが大雑把なチャートになります。

RTAの計測終了地点であるクリア画面(END表示)を拝むだけなら短時間で出来るゲームのため、ある意味初RTAがこれで良かったのかもしれないとも感じました。

さて、そろそろ頃合いでしょう。
現在使用している先駆者様のルートにも改善点がそれなりに存在します。と、言ってもやる事は結局一緒なので、いったいドコを改造するか?と言いますと...

操作手順のビフォーアフター

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先駆者様の動画を視聴していて一番改善出来そうだった点と言えば、「操作手順」でした。走る前の下調べ不足なのか多少迷うような操作があったりしたのです。実際私もチャートは頭では理解しているのですが操作手順が全く安定せず困っていました。

なので打開策として、「コマンド表」を作成。チャートの細かいものだと思って下さい。知り得る限りの最短の操作でENDフラグである「LDA237」に到達出来るまでの操作手順です。例えば名前入力後に最初に入力するのは右、決定後右、決定、明るくなり出したらL2連打、上入力2回...(4level終了)といった具合です。
あ、1番最後にこのコマンド表もチャートとくっ付けて掲載しますので。ディスクと実機環境持ってる方は是非実際にやってみて下されば幸いです。間違っても今から私のようにプレミア価格でディスクを買おうとしないように。(去年から諭吉さんがお留守です...)

まあこれが本番で一度も失敗せず出来るかどうかは別ですが、とりあえずこれで理論上はこの通りにすると速くなるようになりました。
あとはこれを走る練習をしましょう!

システム悪顕現

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さあ、ようやくタイマーを付けてのRTA練習実戦のお時間になりました。しかし、ここに来てとある問題が私の前に立ちはだかることになるのです。その名は...

操作遅延くん!
お前の事が(RTA的に)一番嫌いだよ!(呪詛)

特にこのゲーム、操作遅延がかなり酷いモノでして、今のご世代に発売されていたならどこかで「クソゲー」扱いされてもおかしくないと感じます。(昔のゲームで良かったよ本当に...ある意味、「PS」って特殊なハードと「lain」コンテンツのゲームだからこそ許されている部分も大きいとは思いますが...。にしたってかーなーり人を選ぶので大衆に胸を張ってオススメできるゲームではないことは確か...)

だからこそ、俗に言う「ガバ」(ミス)は特に許されないわけなのです。特にカーソルの選択ミス、左右の移動ミスですね。特にこの2つはゲームを大きく占める部分であるにも関わらず操作遅延のお陰で一回のミスでもタイムが致命傷になり得る可能性が十分にある部分です。(特に左右移動の誤爆=即リセット案件です)

まとめると、こうなります。

なるべく左右移動はしない。(=約2秒以上ロス)
なるべくカーソル操作ミスはしない。(=約2秒ロス)

つまり誤爆しなければいい。(=ロスなし)
=ミスが出来ない。

えっ...このゲーム...もしかして...

祈祷と地力のコンビネーション

はい。
結局詰めるならそこそこのガチさ加減が必要なのです。言い換えればそれなりの試行回数と操作遅延に勝つ多少の運と緊張に動じない精神力が必要。ゆるく行きたかったのですけれど前記録を超えるためにはどうやらこの位はしないといけないようです。

特にこのゲーム、何かをスキップする都合が良いバグなぞ発見されていませんから操作の応用なんてものはありません。

求められるのはただ、純粋な基礎動作力のみ。

たったこれだけ。
たかが、これだけ。

でもこれが完璧に毎回出来たら苦労しないのがRTAです。いつもの操作遅延や機材ガバ(部屋が寒過ぎてコントローラーのボタン硬くなり反応が悪くなる等)に悩まされながらも日々チャート通りに通す事を目標に練習を3日ほど行ない...

そして...運命の時はやって来ました。

撮影だヨ!全力集中!

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実はこのチャートを組むと同時に動画の編集のスケジュールを事前に組んでいたのですが、リアル方面の諸々を考えると現実的に試行錯誤しながらゲームを走ることが出来るのは実質5日が期限でした。と、いうわけで実はもうこれ以上時間がないのです。
この撮影機会を逃すと恐らくこの企画に投稿が間に合わなくなってしまう...訳には行きませんので雨天決行、完走率が低いのなんのその!とりあえず録画機を起動させ本走をしてみることにしました。

心臓をバクバクさせながらもやってきたことをやってきた通りにこなす。これが意外と難しいものです。しかもPC上の画面には今までにないタイマーが設置されています。尚更チキンハートが悲鳴を上げて酷かったのでタイマーは最初隠して計測していました。

事前練習に通しの練習では操作ノーミスクリアは一度も成功しておらず、成功したのは区間練習での数回のみでした。
1ディスクは練習の成果もあり操作ノーミス成功率が高かったのですが2ディスクが鬼門。そもそも1ディスク時点で手順/凡ミスが多発して通しだと2ディスクに行けない。これが結構大きかったのです。本番になってやっと気が付いたのですが練習回数的に偏りが出てしまっていたようでした。今になってちょっと反省しています。

必死に食らいつくこと数時間、TAKE数35回目にしてようやく1ミスで通すことが出来たのです。収録時の計測の開始区間が前記録の現存している動画とは別の方法で行っていたため、憶測でしかないのですが操作のミス数的に理解できていました。「これでも十分だろう」と。

しかし、こうも考えてしまいました。
「折角作ったからチャート通りに1度はノーミスで通して走り切りたい。」と...

5日ぽっちの集大成

馬鹿です。本当に馬鹿です。
謎のMOTTAINAI精神が発動し結局操作ノーミスまで走ってみることにしました。
この際です。このゲームのRTAなんてもう一生やらないと思いますから記念に...というノリですね、はい...(ため息)

で、結果だけ申しておきますと
総合TAKE数48回、
無事ノーミスでの通しが録画できました。

意外と35回以降の凡ミスが減り、かなり惜しい記録も出ていました。ミス無かったらほんのちょっとノーミスの記録より早いのとかあると思います。(たぶん)

編集までがRTAです

はい!これでおしまい!解散!
と言いたいところですがそうもいきません。
まだ最後の仕上げが残っていますよね?
そうですね。編集ですね。

正直クッタクタでしてもう無編集でそのままYouTubeの野に放り出してやろうかと思いましたが微妙に手を付けてしまったので最後までやります。(自分の首を締めていくスタイル)

私がRTAを知ったのも大体blimシステムという方法を採用した解説方式の動画でしたからリスペクトということで前々から素材も作ってました。が、折角の好きなコンテンツの自作動画になるので応援の意を込めて再度素材を自作しました。(さらに首を締めていくスタイル)
立ち絵も簡素なものですが自作し、準備万端。

さあゆっくりムービーメーカーでデータつくりーのaviutilで出力微調整しーの...で...


!!!!!完成!!!!!


で、上の動画になる訳ですね。
本当に疲れました。もうしません。
いや自分でも馬鹿だと思いますよ、ただでさえ大変なRTAを5日でチャート組んで撮影してそのあと棒読みちゃんで編集って...思い付きでRTAやるものではありませんね。(まあ、RTAするゲームが優しめだったのでそれが可能だったのでしょう)

ここまで読んでくれた皆様へ

この記録は5日しかかかっていない記録ですのでそこそこガチれば世界一も夢ではありません。

実質的に操作の最終入力も下のチャートを参考にすれば長くとも10分前後で済むお手軽さもありとても初心者には向いています。

...というわけです。

きみもできる!serial experiments lain RTA!

やろうね(ニッコリ)

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...本文は以上です。
ありがとうございました。
以下は使用したチャート表とコマンド表になります。興味のある方はスクロールして覗いてみてね。


チャート表

[1ディスク編]

level4(初期位置)で回収するもの
SSKN1、GATE1

level6で回収するもの
SSKN2、GATE2

level8で回収するもの
GATE3

level11で回収するもの
SSKN3

level17で回収するもの
SSKN4、GATE4

ディスクチェンジ
※フライング厳禁!

[2ディスク編]

level4で回収するもの
SSKN5

level7で回収するもの
SSKN6

level13移動
LDA230視聴後
LDA237を開く(エンディング突入)

以上です。お疲れ様でした。
最初でこそ通しでLDA237のエンド突入まで10分程度のタイムでしたが本走ノーミス記録ではED突入までほぼ8分台で突入。一応目標でしたので達成できて満足しています。ちなみに誰かが7分台でED突入まで詰めることがもしも出来たのであればこの記録を超え世界記録確定です。おめでとうございます。
折角なので私がやろうかと思いもしましたが流石にもうしません。私は疲れました。誰かが詰めてください。(投げやり)

コマンド表

※間違っている箇所が無いとも限りません。あくまで指標程度に。参考になれば幸いです。
これと同じ入力が出来れば君も動画の動きが出来るぞ!暇な時にトライするのがオススメ。

名前入力はカットします。

[1ディスク編]
①右、決定、右、決定、L2、上2回(level4)
②決定、左、決定、R1、L2、上2回(level6)
③下、決定、L2、上3回(level8)
④右、下、決定、L2、上を適当に押し画面の数字が16になったら決定(level11)
⑤上1回(level16)
⑥下、決定、左、決定、SELECT、決定、左、決定(level17)
ディスクチェンジ🥏

[2ディスク編]
①L2、上3回(level1)
②R1、下、決定、L2、上3回(level4)
③右、決定、L2、上を適当に押し画面の数字が12になったら決定(level12)
④上1回(level12)
⑤右、決定(LDA230再生中にカーソルをExitに合わせて待機しておくと良し)、左、左、決定

全工程終了です!!お疲れ様でした!!

全てはチャートを覚えられないことから始まった苦肉の策のようなものです。これなら文章で覚えるより単語で覚えることが出来るので個人的にはこちらがやりやすいので実質コレがチャートみたいなものです。まあ走るには大雑把過ぎるよね前述したチャートだと...

おまけ:事故件数ランキング(体感)

1位:L2入力後の階層選択での誤爆
↑操作遅延を恨むキッカケになりました。だいたいの事故の原因はコレ。L2入力後微妙な間を開けないと上の入力を受け付けてくれないのでそこの操作感を掴むのが1番大変だった記憶が...つい上入力をし過ぎたり操作遅延中につい入力して上入力が足りなかったりということがしばしば。動画でもタイムを削る覚悟でかなり慎重にプレイしております。次回の改善点を挙げるなら多分ここと名前入力、ディスクチェンジ時間くらいでしょうか。
まだ救いとも言えるのは階層選択の数字は左右移動やカーソル選択誤爆(即リセット案件)に比べればそこまで遅延が酷くないと言えば酷くありませんし、正直妥協するなら続行しても構わないポイントです。本当の意味で牙を剥いて来たのはノーミス決意後。操作遅延はRTAにおいては悪い文明。根絶やしにして死すべし。(遺言)

2位:level11(手順ディスク1-④)を忘れる
↑多かった。同立くらいでlevel8の回収もよく忘れたためなかなかディスク2に行けなかった。ディスク2の練習が出来なかった諸悪の根源。つまりはですが、RTAをするのであればチャートはちゃーんと覚えて紙媒体(チラ見シート)も手元に揃えておきましょうね。
くりふとの約束です。

3位:フライング
↑1番多かったのは1ディスク-2ディスク交換時のフライング。このゲーム、ディスク交換して下さいの表示が出た後にトレイを開けないと仮にディスクを戻しても進行不可能になるのです。特に1ディスクがノーミスで通せた後のフライングトレイオープンは精神的にキます。(3敗)ココロがツライさん。
他にもLDA230でのExit決定フライングもありましたね。あれ、完全に聴き終わってからExit入力すると結果的に遅延するのでちょっと早めに入力する必要があるのです。音声波形表示の動きを見ながら終了寸前にExitを押すと気持ちちょっとだけタイムが速くなります。あくまで気持ち程度ですけれどね。ちなみに入力が早過ぎるとデータ未開封扱いになりLDA237が解放されません。もう一度開かなくてはならないので即リセットです。最終盤だけにダメージも2倍です。(4敗)ありがとうございます。ご褒美です。

あとがき

ここまで読んで頂き、誠にありがとうございました。動画でも尺稼ぎのため散々言いたいことを片っ端から言ったので2番煎じ感が強めですが、ちょっぴりはみ出た話も出し切れたのでもうこれ以上今回の件に関してのネタはありません。出し尽くしました。ティーンラストの思い出としてはもう満足です。これで安心して成人できますね。

正直このゲームのRTAは2度とやりたくありませんが実はまだRTAする予定でいます。今回のとは違いますがまたlain関連で。
先生の次回作にご期待ください。(棒読みちゃんで編集するとは言っていませんが)一体どのゲームなのか予想してみてはいかがでしょうか。

そして最後にこの企画を立案して下さったくろぐろさんに最大の感謝を。良い企画を本当にありがとうございました。

明日の方、どうやら現在進行中でゲーム製作をされている方のようでそちらの記事になるとか。楽しみですね。(ゲームジャンルにもよりますがRTAも出来るのかなあという謎の期待)

それではまた機会があればお会いしましょう。
くりふでした。

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