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[開示請求から明らかに] 都は、2017年に、関東大震災朝鮮犠牲者追悼式に追悼文を不送付にすればそよ風が「喜ぶ」ことを知りながら不送付を決定していた!?

もうすぐ関東大震災から101年目の9月1日です。毎年この時期になると、各団体が小池知事に対して、朝鮮人犠牲者追悼式に追悼文を出すように要請がなされます。

でも小池知事は無視。私たちは悲惨な歴史もきちんと見つめて、反省して生きることが大事です。知事は追悼文を送付すべきです。

小池知事は就任二年目の2017年以降、1973年から続いてきた朝鮮人犠牲者追悼式への追悼文送付の取りやめました。これにより「そよ風」という団体が、都立横網町公園で聞くに耐えないヘイトスピーチを繰り返すようになりました。
この団体は2017年以降、同場所で「真実の慰霊祭」と称した集会を開催し、2019年と2023年の言動が、東京都から東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例に基づいて、ヘイトスピーチとして認定されています。

このnoteでは、小池都政は2017年に取りやめた段階でそよ風の存在を知りつつ、追悼文送付を中止すれば彼らが喜ぶことを知りながら不送付と決定していたという驚きの事実を公開したいと思います。ある都民の方から提供を受けた開示請求資料から明らかになりました。

まず、平成29年に小池都政が不送付とするに至る1点目の都の文書がこちら、「平成29年7月26日建設局 都立横網町公園の関東大震災朝鮮人犠牲者追悼行事等への対応について」及び「関東大震災犠牲者追悼碑等について(添付資料)」との文書です。

これは1973年から続けられてきた、あの石原都政でも続けられてきた追悼文を不送付にすることを決定したことを示す都の文書です。

ポイントは、「本件追悼碑、追悼文については29年第一回定例都議会でも取り上げられた」の一行です。2枚目には自民党都議の一般質問が添付されています。
自民党都議の一般質問とは、これまでにTBS報道特集等でも度々報道されてきた、自民党の古賀俊昭都議の、 平成29年第1回定例会の3月の一般質問です。

○九十八番(古賀俊昭君) まず、都内墨田区に所在する東京都立横網町公園に建つ朝鮮人犠牲者追悼碑などの問題について質問を行います。・・・
また、小池知事は、昨年九月一日、同公園で行われた日朝協会が事務局を務める関東大震災犠牲者追悼式典に追悼の辞を寄せています。当組織の案内状には、六千余名、虐殺の文言があります
 なお、この団体は、昨年は申請したようでありますけれども、過去、公園占用許可申請書を一度も提出することもなく公園を使用していたほか、都立公園条例で行為の制限条項により、改めて知事の許可を必要とする広告宣伝、物品販売を堂々と行っていました。
東京都を代表する知事が歴史をゆがめる行為に加担することになりかねず、今後は追悼の辞の発信を再考すべきと考えますが、所見を伺います。

古賀都議質疑

○知事(小池百合子君) 古賀俊昭議員の一般質問にお答えを申し上げます。まず、都立横網町公園におけます関東大震災朝鮮人犠牲者追悼碑についてのご質問でございます。
 この追悼碑は、ご指摘のように、昭和四十八年、民間の団体が資金を募集し、作成したものを受け入れる形で、犠牲者の追悼を目的に設置したものと聞いております。
 大震災の際に、大きな混乱の中で犠牲者が出たことは、大変不幸な出来事でございます。そして、追悼碑にある犠牲者数などについては、さまざまなご意見があることも承知はいたしております。都政におけますこれまでの経緯なども踏まえて、適切に対応したいと考えます。
 そして、この追悼文についてでありますけれども、これまで毎年、慣例的に送付してきたものであり、昨年も事務方において、例に従って送付したとの報告を受けております。
 今後につきましては、私自身がよく目を通した上で、適切に判断をいたします。

小池知事答弁

古賀都議は冒頭から、案内文にもある慰霊碑記載の「六千余名」との犠牲者数を問題視し、都知事に追悼文の不送付を求めています。
小池知事も「私自身がよく目を通して、適切に判断する」と言っています。都議会ルールから言えば、これは超前向き答弁です。質疑の内容を実現します、というもので滅多に出ません。都が不送付にする原因を押し付けるために小池知事が古賀都議に言わせたのでは無いか、とも疑える程の出来レース感です。

おまけに、最初の7月26日の資料には以下の添付資料がついてました。


ここには、東京都が真面目に朝鮮人犠牲者数の数を調べていることが分かります。都は各教科書の記載を集めた上、〇犠牲者数については、数百人から数千人など諸説あり、定まっていない 、と結論づけています。

小池知事が良く繰り返す、諸説あり、は犠牲者数のことを言っていたのですね。としても、諸説あるから犠牲者に追悼しないというのは道理に合わないと思います。犠牲者がいることには間違いがなく、慰霊の気持ちがあれば追悼文を送ればいいからです。

これらの都の資料からは、追悼文不送付の理由はまさに古賀都議の質疑であり、その他に理由はない、ことも分かります。まさに古賀都議の質疑を受けて日朝協会も反対する中、合理的な特段の根拠も無いまま、知事の政治的判断で不送付とすることが決められたというものです。

その後も、都内部ではこの方針が関係局に伝えられます。
続いて、2点目の平成29年8月8日建設局作成の資料です。

こちらには、「今後送付を行わないこととして知事の了解を得ている(7月26日 局務報告)」と明確にありますね。当然ですが知事はこの時点で知っているということであり、最初の7月26日付の資料は知事も見て承知しているということを示しています。

続いて、3点目の平成29年8月10日の資料をご覧ください。
ここに、そよ風の記載が出てきます。

2 さまざまな団体の動きをご覧下さい。「そよ風」が出てきます。そしてこうあります。

平成29年8月10日資料より

※ 追悼碑の撤去を求める団体である『そよ風』のブログには、「私達の悲願であった都立横網町公園・真実の関東大震災石原犠牲者慰霊祭が、都立公園での開催申請が受け付けられましたので、ご報告します。」と記載(29年8月6日)

平成29年8月10日資料より

これは、都が、⑴既にこの時点で慰霊碑の撤去を求めるそよ風に注目していたということのみならず、⑵そよ風が都から横網町公園での利用が認められて「悲願」と喜んでいること、⑶東京都はそこで「真実の慰霊祭」が開催されることを把握していたことを意味します。
ここから、東京都は、2017年の時点で、このような団体が公園を利用すれば、都による追悼文不送付という態度も後押しして、そよ風がヘイトスピーチを行うことは容易に想像出来たことが明らかです。

その上は、都は、2017年に追悼文を不送付とし、以降、そよ風に公園の利用を許可し続けていたのです。
これはあまりにも人権意識に欠け、不当な差別的言動を防ごうという意識も無さすぎるのでは無いでしょうか。

その結果、冒頭でも述べたように、そよ風は毎年集会を行っています。悲願の集会が開催され、小池知事も招待しています。

平成29年第1回目慰霊祭(そよ風→小池知事)

2017年に始まった真実の慰霊祭は、その後、現在に至るまでに都から二度も条例に基づくヘイトスピーチとして認定されています。

なお、当然ですが、ヘイトスピーチの発言の内容は具体的に特定の方々の暮らしを脅かす酷いもので表現の自由(憲法21条)で保護されるものではありません。最高裁判所もヘイトスピーチはあってはならないと認めています。

これらの2017年の文書からも、都立横網町公園でのヘイトスピーチは、まさに小池知事が生み出した官製ヘイトそのものということがわかりました。

こうして小池知事は毎年、横網町公園でのヘイトスピーチを誘引し、都民を差別し、分断し続けています。
これは小池知事が良く言う、多様性を認める、共生するというダイバーシティとしての東京都のあり方にも明確に反しています。

小池知事は、今年こそは、そよ風の都立横網町公園への占有を不許可とした上で、朝鮮人犠牲者追悼式への追悼文の送付をすべきです。

以上


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