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エンタメの役割について

皆様いかがお過ごしでしょうか。イガなおです。

今日は、エンタメ(エンターテインメント)の役割について、改めて考えてみる。


一部の人間、特に農業や製造業などの第一次、第二次産業に従事している人間からすると、「そんなことやっている暇があったら手伝ってくれ」という声が聞こえてくる気がしたからだ。

僕自身、勿論エンタメは好きだ。
だが、製造業をやっていた頃、上記のような理由で、エンタメのような感情価値を与える業種の必要性に疑問をもっていた時期もあった。

今では、どんな業界であっても、企業が成果を出す上で、働く個人一人ひとりのモチベーションが非常に重要な要素となっているという理解をしているが、そのことについて記す。


働くモチベーション、ひいては人生のモチベーションは、特に今の若い世代(30代以下)にとって重要となる。

根拠として、IT批評家の尾原和啓さんの著書「モチベーション革命」に以下のような内容がある。

【40代以上の世代の働く動機】
 「出来ないこと」が多かった社会なので、社会を成長させ、自らも稼ぐことで出来ることを増やす(「達成」や「快楽」を動機とする)。
【30代以下の世代の働く動機】
 上の世代が既に社会を作り上げているので、「出来ないこと」が少ないため、働く「意味合い」や「没頭」できるか、「交友関係」等を動機とする

尾原和啓「モチベーション革命」(幻冬舎)

上記の理由から、働く動機を自分なりに模索していかなければいけないのが、今の若い世代なのだ。

働く動機は、「人生の指針・価値観」と「仕事」の連関が取れた場合に強化されるものと推察されるが、毎日それを感じ取れる訳ではないのが現実だ。自分のやりたい仕事ばかりできる訳ではないし、場合によっては同僚から良い刺激をもらえない環境であることもあるだろう。

また、自分がどんな価値観をもっているのか、ということも改めて問われると即答できない人も多いのではないだろうか。

そんなときに、リアルの生活以外からでも「自分の価値観」を刺激し、モチベーションを高めてくれるものの一つがエンタメだと僕は理解している。

エンタメ作品は非常に高純度のメッセージ性のある情報体だ。リアルのように、偶然の経験から感じ取るのではなく、エンタメはそもそも何らかのメッセージを伝えるためにクリエイターが最適な表現でもって作り上げたものなので、受け手は必然的に感動を受け取ることができる。

「ワンピース」からは、自分が理想とするチームの信頼関係に気付かされるし、「NARUTO」では、信念を貫き通すことに価値を感じる自分がいるからこそ、「まっすぐ自分の言葉は曲げねえ。それがオレの忍道だ」という言葉に感動するのだ。

このように、エンタメ作品は、自分の大事とする、自分でも気づいていないような価値観を浮き彫りにしてくれる。

さらに、キャラクターに共感することで、価値観の体現を疑似体験できる。
エンタメで満足してしまい、リアルの生活が疎かになってしまうリスクはあるが、毎日が思い通りの仕事をできる訳ではない人にとっては、必要な疑似体験であると僕は思う。
勿論、ベストはその必要のない適職につくことだが。


そんなこんなで、エンタメ作品は、リアルの体験が偶発的であるのに対し、必然的に価値観の刺激を行える効果がある。これがエンタメの役割なのではないだろうか。


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