問いの発信はyoutubeよりポッドキャストで
ポッドキャストの人気番組で「コテンラジオ」という歴史キュレーション番組があります。
ここから、音声メディアと動画メディアの特性の違いみたいなものを考えてみようと思います。
というのも、この番組はyoutubeにも同じ内容の動画を配信をしているのですが、音声のみポッドキャストの方が圧倒的に視聴回数が高いのです。
このコテンラジオというのは、歴史の専門的な教養をわかりやすく、たくさんのボリュームで、そこそこ面白く(エンタメ色を強く)話すという個性のあるコンテンツだと僕は思っています。
特に「専門的な教養をわかりやすく」という点がyoutubeにもポッドキャストにも今までなかった要素かなと。
で、なんでyoutubeで伸びずにポッドキャストで伸びたのかという問いを考えてみたときに、
ボリュームが多いコンテンツは動画よりも音声コンテンツのほうが視聴されやすい
というのがひとつ仮説です。
これの裏付けとしてはすきま時間で聴けるというのがあるので、まあまああってるかなとも思います。
で、もう一つ、コンテンツの質の面で見れば、「歴史の専門的な教養」という点も寄与しているのではないかとも思います。
これを分解するなら、
「大事だと思ってるけど勉強するハードルが高いもの」と、
「明日からすぐ使えるインスタントな知識ではなく、むしろ答えのない問い」
という2つの要素があるのではないか。
そしてそのどちらも音声コンテンツに有利なのではないか。
「ハードルの高い勉強」に対しては、耳だけでインプットできるということで、気力コストの低いコンテンツとも言えると思います。
「答えのない問い」については、情報をインプットするのが目的ではなく、それをもとに自分なりの考えを作ることが目的であるという見方もできると思いますが、そうした思考作業をしているときは、目からインプットされる映像がノイズになる可能性があって、むしろ音声だけのほうがベターじゃないか、という仮説です。
ニュースなどの、すでにわかっていることを共有するだけではなく、リスナーと一緒に考える系のコンテンツもポッドキャストにおいては親和性が高そうです。
なんとなく思うのが、ラジオを聴いてるときって、頭の中にパーソナリティがいる仮想の空間を作っていて、その空間が自分の脳と直接リンクしている感じなんですよね。その仮想の空間は、映像を思い浮かべているという感じでもないというのも面白い。
そうしたことが思考しながらインプットすることと相性がいい理由なのかもしれません。
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