『さようならアルルカン/白い少女たち』を読みました。

氷室冴子さんの初期作品集です。昨年末集英社から出版されました。中学生のころ『なんて素敵にジャパネスク』や『クララ白書』など氷室冴子さんの作品が大好きだった私は、書店でこの本を見つけ、泣きそうになりました。中学生のころ、氷室さんの本を読んであれこれ思っていた、その感情が一気に思い出されて、悲しくないけど切ない気持ちになり、日常のお仕事の戦闘モードが一気にほどけてしまいました。

本を読んでますます泣きそうな気分に。決して悲しいわけではないのです。10代半ばの、未分化な女の子の、揺れ動く感じに、共感して。。。そのままでいてほしいけど、そのままじゃいられない、、、刹那の美といいますか、真っすぐさというか切れ味のよさというか、全部ひっくるめて、ぐっときました。そうだった!氷室さんは、10代半ばの、未分化な女の子の、純粋な感じとか、揺れる感じとか、そういう世界を、見事に描いてくださる方だった。

今回、初期作品集を出して下さった集英社に感謝です。コバルト文庫は偉大だったな。本が大好きで、いろいろ読んできたけれど、コバルトの衝撃、氷室さんの衝撃は、他と一線を画します。

改めて氷室冴子さんのご冥福をお祈りするとともに、これからも読み継がれていってほしいと思います。ライトノベルとか少女小説とか言われる本は絶版になるものも多いけど、いいものはいい。今回、この作品を読んで、改めてそう思いました。ありがとうございます。

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