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117回医師国家試験 必修の振り返り

得点はBとEを合わせて93%くらいあり、まずまずの余裕があった。試験中の見積もりでは、Bブロックでは3点問題の1つ、Eブロックでは3点問題の6つが正答に確信を持てない状態であった。1点問題でも自信のない問題はたくさんあったが、影響が少ないのであまり心配せず、やはり3点問題のプレッシャーが大きかった。特に「問題を素直に読んで素直に解くこと」を意識した。

間違えた問題と気になった問題を振り返ります。

Bブロック

まずはBブロックから、

117B1 インシデントレポートの作成について(正答率93%)

自分は「医療安全管理委員会が作成する」を選んだが間違っていた。薬剤に関する報告件数が多いことは知らなかった。

117B8 英語問題(正答率79%)

最近の過去問の英語問題で、varicellaを知っている必要がある問題が出ていた気がするのだが、完全に英語対策を捨てている人が意外と多い(2割いる?)のだろうか。

117B16 緊張性気胸で認める所見(正答率88%)

血圧低下が正答。今解きなおしたら、なぜこれを不正解したのかわからなかった。ショックになっている場面までをイメージしなかった。

117B18 TDM行う抗菌薬(正答率59%)

アミノグリコシド系で正答。「グリコはTDM」と覚えていた。今年は抗菌薬が非常に多いと感じた。次のCブロック以降も出題が多い。勉強していない受験生が多そう。

117B23 GFRについて(正答率69%)

GFRとCrは逆関係だからとの理由でaを選んだ。イヌリンではなくてシスタチンCを指しているのではと思ってbを除外してしまった。estimatedでないGFRを求めるにはイヌリンクリアランスと決まっているらしい。aはそういうものだと覚えておくしかないらしい(「軽度のGFR低下では血清Crには反映されない」)

117B29 体液過剰の早期判断(正答率39%)

循環器(や腎臓内科)の実習で何度も聞いたが、正答率がかなり低いのが意外。今回、実習中の記憶を呼び起こして解いた問題が多かったような気がして、これも117回の特徴なのかもしれない。

117B49 Xpで気胸所見および体表面の外傷、喀痰の患者で次に行うこと(正答率97%)

出血源(と気胸)を調べるべきと考え、造影CTにしたかったが、選択肢が「胸部CT」だったので、肺動脈造影などの血管系を選ぼうかと迷ってしまった。Bブロックが「必修」であることを考慮して、無難に「次にやること」は簡単にできることに違いないと思って胸部CTを選んだら合っていた。

Eブロック

117E7 失神患者に投与すべき薬剤(正答率87.2%)

自信はなかったが、消去法でもありアトロピンを選んだら当たっていた。循環器の理解が弱いことを再確認してしまった。

117E8 筋肉内出血の原因となるもの(正答率95.3%)

後天性血友病Aが正答であったが、先天性血友病とは出血部位に差異があったような・・・という曖昧な知識が思い出されて、はじめこれを除外してしまった。明らかに他の選択肢が血管または血小板の病気であることと、必修問題であることから「先天性と後天性の血友病の違い」などは問われないであろうことを総合し、自分の曖昧な記憶は封印して後天性血友病Aを選んだら合っていた。後で自分のノートを見直すと、「後天性血友病では遺伝性と異なり、関節内出血はみられず、筋肉と皮下出血が多い」と書いていた(関節内出血と筋肉内出血をごちゃまぜに覚えていた)。

117E11 行動変容のステージと患者へのアプローチ(正答率68%)

いまいち考えてもわからないが、「関心期に情報提供」は誤りで、「準備期に行動計画の作成」が正答らしい。

117E19 食事摂取基準の指標の概念図と推奨量(正答率48%)

知らなかったため、不正解。栄養関係の問題も今回は多いと感じられた。

117E23 第一次世界大戦中のパンデミック(正答率62%)

あらゆる側面でコロナ関連が出題されるなぁと感じた。武漢でコロナが流行りだした頃に、スペイン風邪の歴史を色々調べてみたことを思い出した。

117E24 標準予防策についての問題(正答率94%)

間違えてしまった。「滅菌手袋を装着する」→「ああ手袋つけて処置するよね!」となってしまって不正解。

117E25 膝蓋腱反射(正答率79%)

「ハンマーのバランスのよい部分」が何を指しているのか不明。cの文面も意味不明だったが、「反射が何かの努力で減弱することはないだろう」という推察のもと正解選択肢としてこれを選んだら合っていた。何が何だか不明。

117E29 疼痛の緩和(正答率63.5%)

オピオイドよりも、増量できるならNSAIDs増量が最初なのではと思ったが、そうではないらしい。過去問でオピオイド経口が正答になる際は、「NSAID増量でも効果が不十分だった。次にやることは?」だったので、今回は「増量」が正答かと思ったのだが違った。解説を待っている。

117E30 習慣流産への対応(正答率44.9%)

全く想定外の頸管縫縮術が正答らしい。「胎胞が膨隆し自然流産」の意味がわからず、やむえず、何らかの自己免疫(抗体)による攻撃と解釈してステロイドを選んで不正解となった。調べてみると胎胞=卵膜が子宮口に向かって膨隆したもの、を指すらしい。それなら分かる。頸管無力症に対して予防的にこの時期にやることは覚えていたけれども、まったく想起できなかった(45%も正答があるなんて!)

117E41 嘔吐の原因(正答率90%)

オピオイドによる吐き気は数日で改善されることが多い、という知識があったためはじめに除外したが後で訂正。必修問題ではシンプルに基本知識を問うているだけだろうし、「オピオイドの副作用は便秘と吐き気嘔吐」はさすがに考慮はすべきかと考えた。肺転移で圧迫されそうなものに嘔吐関係はないよな、、ということを色々考えてこれを選んだら合っていた。

117E46 新型コロナウイルスの検査(正答率80%)

「同居の息子が新型コロナ陽性、2日後に肺炎で本人来院したが、新型コロナ抗原検査で陰性であった。次にやるべき検査は?」という、厚労省がこの問題を作成した背景を想像して試験中にやついてしまった。インフルエンザ検査を選びたくなってしまうけれども、季節の記載もないし、とすると、正答はやはり「新型コロナPCR検査」ですね。直前の問題で検査前確率について問うているので、素直に問題を読み進めれば(素直に出題者の意図をくみ取ろうとすれば)答えは明らか(20%の受験生は何を間違えたのだろうか。。)

117E48 胃内減圧を目的とした胃管挿入(正答率39%)

鼻から挿入は誤り、正しいのは「吸引して胃内容物を確認する」。二択で迷ったが結局間違ってしまった。




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