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【一人論文抄読会】vol.1〜IPF(突発性肺線維症)におけるピルフェニドンとニンテダニブの併用の安全性や忍容性って?

突発性肺線維症におけるピルフェニドンとニンテダニブの併用療法の安全性と忍容性についての、日本で行われた多施設共同後ろ向き観察研究についての論文です。

Hisata S, Bando M, Homma S, Kataoka K, Ogura T, Izumi S, Sakamoto S, Watanabe K, Saito Y, Shimizu Y, Kato M, Nishioka Y, Hara H, Waseda Y, Tanino Y, Yatera K, Hashimoto S, Mukae H, Inase N; Diffuse Lung Diseases Research Group of the Ministry of Health, Labour and Welfare, Japan. Safety and tolerability of combination therapy with pirfenidone and nintedanib for idiopathic pulmonary fibrosis: A multicenter retrospective observational study in Japan. Respir Investig. 2021 Nov;59(6):819-826. doi: 10.1016/j.resinv.2021.04.005. Epub 2021 May 14. PMID: 33994347.

背景
ヨーロッパでは、IPFに、ピルフェニドンとニンテダニブの併用は、第4試験相(承認・市販後に行われる臨床試験)で、安全って言われてきたけど、日本では、長期的にみたら、その安全性や耐用性って実際のとこ、怪しいよね、という話があった。

この研究の目的
IPFに対するピルフェニドンとニンテダニブ併用療法の安全性と忍容性の確認

方法
日本の16施設から得られた、ピルフェニドンとニンデダニブ併用療法を受けた患者46人について、カルテを用いて副作用や有害事象を調べた。

結果
抗線維化薬の前治療として、32人にニンテダニブ、13人にピルフェニドン、1人に両方の薬を同時に使った。
併用療法に至るまでの平均単剤治療期間は、26.3ヶ月。
38人中26人のgender-age-physiology index stageはIIかIIIだった。
33人で何らかしかの副作用が見られ、14人の患者では強い副作用により観察期間中(平均59週)にどちらか一方、もしくは両方の薬の使用を中止した。
薬の使用を中止した人における、日本の呼吸器学会のIPF重症度分類3もしくは4の人の割合(90.9%)は、薬を続けられた人における割合(61.6%)より多かった。
食欲不振(39.1%)と下痢(34.8%)が頻度の多い副作用であった。
2人の患者では、深刻な副作用が見られた。(肝障害、気胸)

結論
IPFに対するピルフェニドンとニンテダニブの併用療法は、管理可能な安全性、忍容性を有していることが実データから示唆されている。

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論文って、実際買うとなると、すごい高い。。のに、大学生の特権で、大学が契約している論文であれば無料で読めるって、実はすごいことではないか、、という超今更な気づきを得たのと、HEATAPP!!という本に触発されて、一人論文抄読会をやってみることにしました。
その一部を公開していくことで、継続のモチベーションにつながればいいなぁ。。

【感想】
今回の論文ですが、個人的には、薬には必ず副作用があるので、それが安全かどうか、っていうのは、他と比べて、な話で、他の療法と比べて、安全だ、とか言っている訳ではないので、最後の結論はどうなのかなぁ。。という感想を持ちました。。あと、IPFの重症度が高い人ほど、副作用が強くて、薬を飲み続けられていないのも、気になりました。安全、というからには、もう少し追加の研究をしてほしい気もしました。どうなんだろう。。安全って難しいですね。。


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