医師が教える国立医学部の出願校の選び方|医学部受験ウェブセミナー

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▽そもそも共通テストのボーダー・足切りって何?

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共通テストボーダーとは?

共通テストボーダーとは簡単に言うと、「共通テストで○点を取ったら、受験者の半分がその医学部に合格できる」という目安です。

例えば、共通テストボーダーは85%の大学で考えると、85%以上共通テストで得点した受験生の半数以上大学に合格する、という指標となります。

ただし、ボーダーは絶対的な合格可能性を表す数値ではありません。
ボーダーを上回っていても不合格になってしまうこともあれば、ボーダーを下回っている大学で合格することもあります。

共通テストボーダーは出願校選びの指標の1つとして捉えましょう。

共通テストの足切りとは?

足切りは具体的な点数ではなく、人数の倍率で共通テストの足切り点数を設定しています。
共通テストで足切りになってしまうと、二次試験の受験資格をその時点で失うことになります。

また、足切り点数はあくまでリサーチと昨年までのデータによる予想です。
共通テストの自己採点と実際の点数が異なる場合もよくあるため、足切りにあわないために、自己採点とくらべて足切り予想点数に少し余裕をもった医学部に出願することが大切です。

▽2021年共通テストの総評

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2021年共通テストボーダーは以下のようになっています。

92%:東京大学
90%:東京医科歯科大学、京都大学
89%:大阪大学
88%:千葉大学、横浜市立大学
87%:名古屋大学、神戸大学、大阪市立大学
86%:東北大学、筑波大学、岡山大学、九州大学
85%:北海道大学、新潟大学
84%:名古屋市立大学、京都府立医大、奈良県立医大、広島大学83%:山形大学、福島県立医大、群馬大学、信州大学、岐阜大学、浜松医大、長崎大学、熊本大学、 鹿児島大学
82%:弘前大学、秋田大学、富山大学、金沢大学、福井大学、三重大学、滋賀医大、和歌山県立医大、鳥取大学、徳島大学、香川大学、高知大学、宮崎大学81%:旭川医大、札幌医大、島根大学、山口大学、愛媛大学、佐賀大学、大分大学
80%:琉球大学

医学部のボーダーとしては、ここ10年間の中で最低水準となっています。

▽国公立医学部の出願のポイント

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Point1. 傾斜配点で考慮する
大学によって共通テストの配点は異なります。
傾斜配点とは、科目ごとの配点比を計算した点数のことです。

素点と傾斜配点では、総合得点率が1−2%変化することもありますので、素点ではなく傾斜配点を考えましょう。

Point2. 共通テストと二次配点の得点比率を考慮する
共通テストと二次試験(大学個別学科試験)の得点比率も大学によって異なります。

共通テストと二次試験の配点比によっても合格可能性は変化するため、受験校選びの指標の一つとなります。

ただし、共通テスト失敗したからといって、安易に二次比率の高い大学を選ぶことは推奨しておりません。
この点に関しては、後ほど解説したいと思います。

Point3. 二次試験の成績を考慮する
国立医学部の出願校選びには、二次試験の成績が重要です。

▽受験校選びのよくある間違い

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①倍率は合格難易度を表す数値ではない
倍率の速報を見て出願するか否かを決める方が多いと思いますが、あまりおすすめしていません。

基本的に、倍率≠合格難易度であることを理解しておくことが重要です。

例えば、倍率が低くても成績がよい受験生ばかりが受験していれば偏差値は高くなる一方で、逆に、倍率が高くても成績がよくない受験生が殺到している場合に合格難易度が上がる訳ではありません。

そのため、倍率によって出願校を決めるべきではないと言えます。
当塾で出願校を推奨する際の指標として倍率は使用していません。

②問題の相性と合否は関係ない
これは、当塾でも例年相談されることが多い内容の一つではありますが、問題の相性と合否は関係ありません。
例えば、「この大学の数学の相性がよいから出願する」などという方がいますが、自分が解きやすいものは他の受験生にとっても同様であることが多いです。

問題の難易度や相性を出願校を決める際の指標とするのではなく、受験生のレベル、つまり偏差値を指標にすることをおすすめしています。

③二次試験の学力が十分にないと逆転合格はかなり厳しい
よくある例として、共通テストで失敗した方が二次配点の高い大学で逆転を狙うということがありますが、かなり厳しい戦いになると考えます。

そのため、配点だけでなく二次試験のレベル(偏差値)を考慮することが重要になってきます。

以下、少々表現が厳しくなりますが、
共通テストでも下回り、二次試験の学力でも下回り、さらに合格が遠ざかってしまう出願をする人が多いので、これだけは絶対に行わないよう注意した方がよさそうです。

具体的な内容が下記の記事に記載されているので、よかったらご参照ください。

▽当塾の推奨校の出し方

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A判定:○○大学
B判定:○○大学、○○大学
C判定:○○大学、○○大学…
のようにE判定までの一覧をお送りし、生徒自身の意向をヒアリングを行います。

塾長が経験・過去のデータなどから総合的に判断し、個別で受験校を最終決定します。

昨年の受験校選びであった例
1浪 センター84% 偏差値66

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受験校を選ぶ上で、パターンをざっくり4つに分類してみます。

①共通テストがボーダーを超え、二次試験の学力が十分にある場合
②共通テストのボーダーは超えていて、二次試験の学力が下まわっている場合
③共通テストのボーダーを下回っているが、二次試験の学力がある
④共通テストボーダーと偏差値どちらも下回っている

①共通テストがボーダーを超え、二次試験の学力が十分にある場合
合格可能性は十分にあり。
・受験まで:基礎に抜けがないように復習を。
・本番:試験の解き方を徹底することに集中する。

②共通テストのボーダーは超えていて、二次試験の学力が下まわっている場合
(基本的に)危ない戦いではある。
・できたら二次試験の偏差値が高くない、
共通テストで逃げ切れる大学がおすすめ。

③共通テストのボーダーを下回っているが、二次試験の学力がある
二次逆転の可能性あり。
・自分の成績より二次試験の偏差値が低い大学を選ぶのがポイント

④共通テストボーダーと偏差値どちらも下回っている
出願はできるだけ二次試験の偏差値が低いところに
・とにかく基礎を徹底する。
過去問に振り回されて上滑りするのが1番NG。

▽国公立医学部に合格するために最も重要なこと

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実際に、共通テストに残念ながら失敗してしまった方、うまくいかなかった方にとって今回の結果は、英数理の基礎の徹底ができていないことの証拠の一つになると考えられます。

当塾の卒業生は、全教科基礎問題集のみで国公立医学部に合格している人が多くいるほか、当塾の生徒さんの共通テストの自己採点の結果からも、基礎問題集しか習得していない方でも国立医学部のボーダーに乗り、合格可能性を十分にもった状態で出願できている方がたくさんいらっしゃいます。

共通テストだから基礎は関係ないと思う方も中にはいるかもしれませんが、当塾の生徒さんからもわかる通り、必ず基礎が大切になってきます。

もちろん最難関の大学など一部例外はありますが、8割くらいの国立医学部の二次試験では必ず基礎の徹底が必要になるので、基礎の復習を十分にして国立医学部の試験に臨むことをおすすめします。

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