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SELを改めて見直す vol.360

近年注目を浴びているSocial Emotional Learning。

略してSEL。

日本語で表記すると「社会性と情動の学習」となります。

一見、なかなかとっつきにくい内容のようにも感じますし、とても簡単な内容のようにも感じます。

いまはまだ一般の教員の中でSELについて深い知識を持っている人も少ないのではないでしょうか。

私自身ここの一期生として参加させていただき、始めてこの言葉と自分の大切にしていることが結びついたという感じでした。

ちょうど今、この内容に近い本も読んでいます。

この書評はまた改めて書きます。

SELとは?

SELとは何か特定のプログラムを指し示しているものではなく、社会性や感情の操作といった部分に焦点を当て、学んでいくプログラムの総称です。

社会性、感情と言っても非常に抽象的なので、より細分化するとこうなります。

自分を理解する力(self-awareness)
自分で自分を統制する力(self-management)
他者を理解する力(social awareness)
他者とうまくやっていく力(relationship skills)
適切な意思決定をする力(responsible decision-making)

つまりは社会の中を生きている自分の存在を容認し、他者と関わる中でどのような関わり方を選択して、自分の在りたい姿を追求していくのか、また在りたい姿とは一体なんなのかを求めていく学びです。

なぜ、いまSEL?

なぜ、いまここまでSELが注目されているのでしょうか。

さまざまな意見があるかと思いますが、私は世の中が恵まれているからこそのSELなんだと感じています。

例えば、発展途上国や学ぶのが精一杯の場所でこのような学習を表立ってやっていくでしょうか?

そのような場所では、そもそもSELを注視しなくとも、生活の中で自然と身に着ける風習が生まれているはずです。

互いに助け合わなければ生きていけないからです。

私たちは恵まれすぎているのかもしれません。

科学技術が発展して、欲しい情報はすぐ手に入る。

食事などに困ることも少なくなってきた。

そんな中で学校は自ら望んで向かうものではなく、いくのが当たり前になってきてしまっているのではないでしょうか。

日々の生活の必要なものを置き去りにして。

だからこそ、今改めてSELのような人にフォーカスして学びが注目を浴びているのでしょう。

学校でどのようにSELを入れるか

ある海外の幼稚園〜小学校低学年の実践です。

その学校には「呼吸の時間」と言われるものがあり、朝みんなで呼吸をする時間があるのです。

みんなで教室の上に寝そべり、お腹の上にぬいぐるみを乗せる。

先生が「1、2、3、4、、、」というように数を数えてそれに合わせてみんなで呼吸をする。

そうすると、一斉にぬいぐるみが上下していく。

ここにどんな心理アプローチがあるかわかりませんが、自分と同じ時間を過ごす友人がいる、呼吸を通して心が落ち着く、同じことをしている友人がいる、同じタイミングでぬいぐるみが上下している空間の共有を感じる、、、。

面白いのが、行事などのプログラムで忙しくてこの時間を朝に取れなかった日は、いつもの日に比べ格段に騒がしくなったそうです。

教室の中にぬいぐるみを持ち込んだり、寝そべったりは難しいかもしれません。

でも、みんなで呼吸を意識することはできます。

朝のHRの時間に少し呼吸を意識してする時間を取り入れてみてはいかがでしょうか。

自分の心を表しているのが息です

まずは呼吸から、自分を見つめていく時間を作ってみてはいかがでしょうか。

先生にとっても有意義な時間になります。

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