見出し画像

『約束のネバーランド』世界は広い vol.280

何度か耳にしたことがあった、『約束のネバーランド』。

テレビアニメ化もされた週刊少年ジャンプの連載漫画が原作のようです。

私がジャンプを買っていたのは高校生の時なので、大体10年くらい前。

その時には連載していなかったはずなので、比較的新しい部類の漫画なのでしょう。

漫画の実写化は正直、面白いと思った作品はこれまでデスノート以外ないのですが、漫画も知らず映画を見るのは初めてです。

その映画化をしたこの作品について感想を書いていきます。

自然の中に建てられた楽園のような孤児院「グレイス=フィールドハウス」。そこで暮らす子どもたちは、母親代わりの優しいイザベラを「ママ」と呼んで慕い、いつか里親に引き取られる日を待ちわびている。年長者のエマ、レイ、ノーマンも、外の世界で待つ幸せな暮らしを信じていた。ある日、里親が見つかり孤児院を去ることになったコニーを見送ったエマとノーマンは、彼女が大切にしていた人形を忘れて行ったことに気づく。コニーに人形を届けるため、近づくことを固く禁じられていた「門」へ向かった2人は、そこで無残にも命を奪われ、食料として出荷されるコニーの姿を目撃する。彼らが楽園だと信じていた孤児院は、実は「鬼に献上する食用児を育てる農園」で、ママは「最上級の食用児を育てる飼育監」だったのだ。全てが偽りだったと気づいたエマたちは、孤児全員を引き連れた無謀ともいえる脱獄計画に乗り出す。

https://eiga.com/movie/91873/

未知の世界を知った2人

この物語は、知らなければ全員が幸せのまま死んでいったお話だったのかも知れません。

外の世界には自分達を迎え入れてくれる大人がいて、幸せになること間違いなし。

だから、外に出て行ったみんなも手紙を書いてくれたのは1度たりともない。

そんな思い込みの中で子供たちは過ごしているのです。

しかし、ある時にその真実を知ってしまいます。

十数年間信じ込んでいた思い込みが一気に崩れ去る時です。

知らなければ幸せで終わった、でもそれは世界に対して盲目なだけ。

知ってしまったおかことで、いや知れたおかげで、真の幸せを探す旅に出る決意ができたのでしょう。

真実の母の愛

さて、ここの孤児院の母親代わりのイザベラは、ずっとこの事実を隠して子供たちを育ててきました。

そして、子供の出荷の時にはそこに立ち会い、自分が愛して育てた子供が殺されるのを目の前で見ていたのです。

この愛は果たして本物なのか、歪んでいるのか。

作中においても、「生まれてから死ぬまでの間だけは、ここに生まれてしまったからには幸せで過ごしてほしい」という台詞が出ます。

一方で、最上級の食用児を育てる飼育監としての職務も果たしています。

ここからは絶対に逃げ出せないという覚悟ゆえからの優しさなのか、飼育監としてバレないように作った愛なのか。

その真実は最後までわかりませんでした。

最後のエマを逃すシーン。

正直ここはそこまで大切ではないように感じました。

それよりも普段の母親の子供に対しての接し方。

その細部一つ一つにメッセージがあるのでしょう。

役者で見える映画のクオリティ

映画の配役や演技について、詳しく分かるわけではないのですが、この『約束のネバーランド』については、正直演技が作品の邪魔をしているように感じてしまいました。

そもそもこのアニメを実写化するのが難しかったのか、配役が間違えているのか、役者が下手なのか。

思わず「う〜ん」と思ってしまうような演技が目立ちました。

その中で一際目立つのは、渡辺直美。

彼女の演技だけは迫真迫るというか、表情の細かな表現であったり、役者として引き込まれるものがありました。

映画の中で、ここまで役を演じる能力に差があるときっと配役によっても映画のでは違ってくるのだろうなと新たな視点で楽しめました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?