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AIにはできないことを、教育的観点から整理する(97日目)

デジタル化社会の現代、電子機器にはAIが搭載されさまざまな作業がシステム化され、人間は利便性を追い求めて生活してきました。

そしてそれと同時に、単純作業や流れ作業は人の力を必要とせずに、機械化してきており、それによって職業選択の難しさも出てきています。

人類史の中でもここ100年の科学技術の進歩は、異様なスピードで進んでいますが、AIの到来はそれを助長すると同時に、新しい生き方やあり方を考えなければならないのかもしれません。

今日はそんなAIに、”できないこと”を教育的観点から考えていきたいと思います。

※この記事は、
【どこがく通信講座 #4】オンラインで探究ってどうやるの?
の、矢作邦彦さんのお話を参考に作成しています。

人間生活上での基礎能力

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VUCA時代の中で、その変化に臨機応変に対応し、必要な能力を獲得していく自己生成能力です。

AIは何度も事象を経験し、反復して統計を取っていくことで選択をしていきます。

つまり、そもそもの大きなルールやシステムが変化した時には対応が遅れてしまうか、Errorしてしまうことがほとんどなのです。

次に、数ある事象や事柄に物語をかみ合わせ、人に伝えることに重きを置いたような意味づけ能力もAIにはありません。

また、定められた定義の中で分類分けをすることは可能ですが、チャンキングのように、分類分けをしながら抽象度、具体度を行き来するのはAIにはできません。

そしてその抽象度を決めるのに左右している五感。

ここで判断する大きな能力として、芸術表現能力があります。

AIの作成する陶芸品なども最近では、よく耳にすることも増えてきていますが、その作品から感じ取れる趣などの感覚的な部分は機会にはどう頑張っても理解できない部分でしょう。

自分から生み出し作り出す、創造的な力

色鉛筆 ひらめき

マスメディア以上にマイクロメディア優位の現代、情報はありとあらゆるところに散在しています。

これらの中から、自分に必要な情報を入手し決定していく自己決定能力が必要になってきます。

自分にとって何が必要かは自分にしかわからず、千差万別です。

そして、以前この記事でも話をしたクリティカルシンキング

そもそもある設定や、前提を疑ってかかることで思い込みからの脱却を図れます。これを自己言及能力と呼びます。

さらにそこに加えて、ロジカルシンキング

事象に対して、自分なりの正解を探し求めていく仮説思考能力があります。

そして、クリティカルシンキングロジカルシンキングをくり返していく中で、新たに生まれる課題や目的をどのように設定していくかを定める目的設定能力も重要になります。

人と人をつなぐ、社会的能力

ひとのつながりをサポートする手

ここまでにあげてきた内容は、あくまでも個の能力にすぎません。

人は誰しも必ず、何かしらのコミュニティに属して生きていきます。

生まれてから死ぬまでずっとです。

それは組織かもしれませんし、家族かもしれません、もしくは友人かもしれません。

それらの関係を良好にしていく行くために必要な能力も、AIには兼ね備えられていません。

そして、先ほども話した通りマイクロメディア優位の現代は、自分の好きな情報をとことん集めることができます。

つまり、好きなことに関しては誰でもが専門家になることができ、さまざまな専門家が存在するようになるのです。

だからこそ、それらの専門家を繋げたり、コミュニケーションをとる組織運営能力がAIにはなく、人には必要な力になります。

そして総発した新たな仕組みや組織に、外枠を与えていく規則運用能力。

そして、正しいことが存在しない、変わり続ける世の中に対応していく環境適応能力

これらの10個の力が、AIにはできない人にある能力です。

これからの教育現場では、これらのことを意識しながら指導していくことが必要になっていくことでしょう。



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