自分の考え方の熟知が自分を知る一歩になる vol.154
noteを書くときには、ふと1日を思いだしてみる。
「今日はあれがあった。」、「最近これを感じている。」、「この頃こんな気分だ。」などと、内省をしてからピンと来たところを文字化している。
最初こそ、文字化するのも大変でしたが、最近は慣れてきました。
この”慣れ”は、書くということに対しての慣れというより、文章を書くための思考の慣れ、つまり、頭の中の整理の仕方を覚えたということでしょう。
人それぞれ、頭の中を整理する方法はさまざまかもしれません。
しかし、構造化された方法に触れて見ることで、それが妙に合うという可能性もある。
例えば、どんなに練習したり、勉強したりしても、どうしてもできなかったことが、ちょっとしたアドバイスで大きく変化するときもある。
たとえ大きな変化をしなくとも、自分にはない新しいものの見かたを見つけ、視野を広げるので、より自分の考えに確信を持てたり、再構築できたりするのである。
外山滋比古 著書『思考の整理学』は、とても興味深く非常に楽しく読めました。
まるで、人の頭の中を開いて、その仕組みを覗かせてもらっているような気がしました。
”思考する”と向き合う
まず、思考の整理と言っても、HowToだけを極めているわけではありません。
これをしたら、絶対にうまくいくといった書き方もしていません。
どちらかというと、このような思考の使い方が整理の上では効率的であるといった、攻略法をいくつか挙げてくれています。
そして、何よりも面白いのが、自分の頭の中の整理というミクロな世界の話をしているはずなのに、本書ではところどころで社会の構造や仕組みといった、マクロな話まで裾野を広げます。
つまり、一見自分の頭の中だけで完結しているように感じる、考え方や物事に対する思いも、実は世界の大きな流れの中で生み出された産物としてとらえることができるのです。
ゆえに、第1刷がでてから35年という月日が経っているにもかかわらず、技術的な部分で古さを感じるところもありますが、根本的な問題は変わりなく残っているように感じました。
コンピュータが変える世界
技術的な差を感じたのは、やはりインターネットの到来です。
この本では、最終項目としてコンピューターについて触れる部分がありました。
産業革命や、AIの到来など、現在の私たちの仕事が機械化されてきている部分について触れられていましたが、今はまさにその時代の中を走り去ろうとしています。
スクラップやメタ・ノート、カードノートなども、現在の技術をもってすればICTを利用することで、より簡単に管理しながら、的確に自分の求めるものをすぐに取り出すことが可能です。
確かに、本書に記されているようにノートに記載してためておくというのも、一つの技術のように思いますし、そのノートの中から探し出す、偶然性を楽しむということもできるかもしれません。
それが自分の中で相性がいいのであれば、その方法が良いと思いますが、より簡潔にICTと共存していくのであれば、その利点を存分に生かした方法を選択し続け、コンピューターと共生していくのが、時代の摂理にあった生き方なのかもしれません。
読むべき人は…?
読むべき人は、勉強がしたい人です。
勉強を特にしたくない、興味本位で手に取るという方にとっては、読み終えるのが非常に難しい本です。
勉強といってもアカデミックなものに限りません。
それは、学びであるのであれば趣味でもなんでも良いです。
ただ、そこには主体性が絶対条件になります。
そう!主体性ですね。
学びや成長に対して受け身である場合には、この本はさして効果は期待できないと感じました。
何かの事柄に対して、今よりももっと上達したい。
だけど、
学びにかけられる満足な時間がかけられない。
何から始めたらいいかわからない。
どうやって学べばいいのか分からない。
という方にとっては最高の一冊です。
そして、別の学びに対しても応用が効く。
自分の思考や学び方を整理したいという方は、ぜひお手に取ってみてはいかがでしょうか。
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