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ポケットに入っていたはずのiphoneが道端の排水管から出て来た話

スウェーデンのストックホルムに移住して1ヶ月が経とうとしている。初めての海外生活、何もかもが日本と違っていて戸惑うことばかりだけど、なんとか日々を過ごせている。運よく元気。たまたま健康。

今日は少しずつ生活に慣れて、気が緩んでいた矢先にスリにあった話を自戒を込めて書く。

●事件の経緯

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3月後半、小雪がちらつく週末の昼、家族3人でガムラスタンをお散歩。徐々に暖かくなってきて観光客で賑わっていた。雪が降ってるのに暖かいってどういうこと?という感じかもしれないが、2度前後を超えて天気がいいとそれはもう小春日和だね〜みたいなムードになる。

 私たちはアイスを食べて公園に行くといういたって普通の休日を過ごそうとしていた。店内で娘はイチゴアイス、夫はワッフルにアイスが包まれたスイーツを、私はその二人が食べきれなかった時の残飯処理班として待機。運ばれてきたワッフルは既にチョコレートとアイスが滴り落ちていて、日本にはないボリューム感とアバウトさにキャッキャとはしゃいだ。

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今思うと、もうこの写真を撮っている時に犯人は「あ、あいつiphone持ってる。コートのポケットに入れた」と目をつけられていたのかもしれない。

その後、だいぶ苦しくなりながら力を合わせて完食し店を出た。ベビーカーをひきながらすぐ近くに公園に移動して、スマホに手を伸ばすと、無い。鞄の中にも無い。もしかして店のテーブルに置いて来たかなとすぐに戻ってお店の人に聞くも無い。道を探しても無い。

スマホとケースに入っていたクレジットカード2枚、やっとの思いで届いた移住許可証もろとも無い、、、終わった、と思った。

私だけ先に帰宅してクレジットカード会社の問い合わせを検索、しかし海外の紛失はチャット対応をしておらず電話をしなきゃいけない。その電話が無いんじゃ!

とりあえずパソコンで『アイフォンを探す』アプリを軌道。

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アイス屋から遠くない場所に電源も落とされず一定の場所に留まっている。ロックが解除されないように紛失モード設定。紛失モードにすると画面上に「ここに連絡してください」など自分が指定されたメッセージが表示できる。無駄にアラームを鳴らしてみる。

そうこうしている間に夫が子供を連れて帰宅。
私は家で子供みながらアイフォンの位置が動いたら夫にPCのラインアプリから連絡するオペレーション業務を。夫は街を捜索する役割に。

20分後、「クレジットカードと移住許可証見つかった」

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「ゴミ箱の中から」
この時、落としたとかじゃなく本当に盗まれたんだなと痛感し悪意に震えた(遅)
そこから1時間以上観光客の冷たい視線を浴びながら夫は近隣のゴミ箱を底まで全て調べ、あらゆる窪みや物陰を捜索。
でも相変わらず地図上の位置は変わらないし電源も落ちない。とはいえ犯人が持っていて建物の中に入ってしまったら戻ってくるのは不可能。
もう捜索は打ち切りにして、諦めようと言おう思った。
でも「アプリでアラームを鳴らし続けてほしい」とLINE越しに話す夫は時間が進むうちに冷静に、何故か集中力が上がっていく。
この疑問がある事に対して徹底的に追求する姿勢に家庭内では度々圧倒され疲弊したりもするのだけど、この時ばかりはとても頼もしく感じた。
そして

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あった。

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「排水パイプの中を覗いた時にアラームの音が聞こえた。パイプの奥の天井部分に物を置けるくぼみがあって、そこに隠してあった」
よかった〜〜〜〜〜〜〜というのと同時に何故こんな場所に?何故夫は解ったのか?謎解きや名探偵コナンが好きとはいえこんなところ思いつくか?色々怖かった。でも何はともあれよかった。
これほどまでに私たちが類似型じゃなく相互補完型夫婦であることに感謝したことはない。

●スウェーデンの盗難について

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※日本大使館が出している資料引用
スウェーデンは諸外国に比べて治安が良いと言われてはいるものの、人口比で比べると犯罪は日本よりは多い。
特に私の被害にあったガムラスタンは観光地として人気ゆえに夏のオンシーズンには窃盗集団が出稼ぎにくるほどだという。物騒な出稼ぎすんな。

窃盗のよくある例として
・ホテルの朝食のビュッフェの置き引き
・服にわざと汚れをつけて注意を引き財布を盗る
・エレベーターに集団で乗り込んできて貴重品をとられる
・子供に関心が入っている際に鞄やポケットから盗られる
・警察官を装って身分証を求め、財布をひったくられる
最近では中国人がお金持ちのイメージが強く狙われやすい。同じアジア人として見分けもつかないだろうから用心することに越したことはないなと。

今回は犯人に接触した実感なく事が終わったけど、大使館の強盗などの事件に巻き込まれた時の対処法を要約すると
「何よりも生命の安全を優先せよ。抵抗するな。金を要求されたら差し出せ。警察に被害届だせ。」とのこと。

また、覚えておきたいのが警察の被害届があるとクレジットカードの旅行保険が適応される場合があること。←日本に籍が残ってる場合のみ
紛失や盗難に備え大使館に提出する用のパスポートのコピー&6ヶ月以内に発行された戸籍謄本を備えておくと良いそうな。

●対策
ポケットには無くなっていいものしか入れない!!!!
携帯とクレカは首下げ型にして服の中に入れる。
鍵はカラビナやリールをつける
アジア人で子持ちというだけで狙われやすいので緊張感をもって生活をしようと思いました。

カード会社に電話して不正利用がなかった確認が取れて本当によかった。
クレジットのうち2枚のうちの片方はナンバーレスカードだったけど2枚ともナンバーレスにしておけばよかったなと。
海外旅行や留学の際はスキミング予防になっておすすめです。

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Googleマップに「アイス食べてる時にスリにあった。みんな気をつけて。アイスはめっちゃ美味しかった」って書いたら、お店のオーナーから「戻ってきてめっちゃラッキーだったね!気に入ってくれてよかった。また来てね!」って返信があった。このフランクさ、すごく良い。
落ち込む事もあるけれど、私この街が好きです。


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