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シン化の意義


 最近、ウルトラマンのことばかり書いている気がする。しかも凄く好意的に書いている。そこに打算などは一切ないが、光の国(こと円谷プロ)も僕にウルトラマンになるチャンスをくれても良いんじゃないかと思う。
 なんてバカなことを言っている場合ではない。僕が数年間抱えていたモヤモヤが晴れてスッキリしたのだから。仗助なら「新しいパンツをはいたばかりの正月元旦の朝のよーによォ」と言っていたはずである。誰だってそーするおれもそーする。

 このままだとウルトラマンの話がしたいのかジョジョの話しがしたいのか分からなくなりそうなので早速本題に入ろう。

 9月9日、僕は相変わらずYou Tubeに張り付きウルトラマンブレーザーの公式配信を待っていた。ブレーザーも今回で9話目、タイトルは「オトノホシ」で内容は「突如飛来したガラモンが大暴れ!どうやら何者かが音波で操っているらしい。隊員の一人が知人の居る楽団から受け取った招待状を見て彼らが操っていることを確信。現場に行ってみたらセミ人間でした」という話だ。僕が書くと馬鹿っぽいが実際に見るとそんなことはないので、是非何らかの配信サイトで見て欲しい、絶対後悔しないので。
 多分僕より年上のウルトラシリーズファンならこれまでの情報だけで察せると思うが、この話はウルトラQへのリスペクトが込められている。9月9日で第9話だからウルトラQにしとく、というダジャレではない(と思う、多分、きっとそうだ)
 セミ人間がガラモンを操る音楽の中にウルトラQメインテーマがあったり、ウルトラマンがそんなに活躍しなかったり、ガラモンが機能停止した時に口から変な液体を出したりと大ネタから小ネタ、ありとあらゆるオマージュが入っているらしい。
 僕はこの話を見て2つのことが頭に浮かんだ。一つは「何故令和にウルトラQをやったのか?」これはYou Tubeに動画として投稿したのでそちらを見て欲しい。

 そしてもう一つは今回のテーマ「僕がシン・ウルトラマンにモヤモヤしていた理由」だ。
 結論から言うと僕がモヤモヤしていたのは、TVシリーズでやっていることを有名な監督がやったら皆褒めていたから、だ。

 今回の「オトノホシ」のように現行のウルトラシリーズでは過去の怪獣を再登場(着ぐるみの再利用)させる時にその怪獣や宇宙人の初登場エピソードを現代的に再構成して話作りをすることがある。たとえば環境問題をテーマにする場合、当時は公害にフォーカスしていたが、現代では温暖化を取り上げる、というような感じだ。登場人物の動きにしても先制攻撃上等な時代から、まずは説得して次に威嚇射撃と比較的穏やかになっている。
 それらのエピソードはほとんどが1話完結で、時にはテーマに対して答えを出し切れていない場合や、ファンサービスのつもりでオマージュした結果逆なでしてしまうこともある。
 僕にとってのシン・ウルトラマンがこれだ。日本政府が外星人と接触する様を“リアル”に描きつつ、巨大フジ隊員や児童誌ネタのゾーフィを放り込むような構成に、その裏でしたり顔をしている制作陣が透けて見えてしまって萎える。まあ、一番気に入らないのはウルトラマンの映画なのにお粗末なCGの迫力のない戦闘シーンを見せられたことだが。
 とにかく、怪獣を禍威獣、科特隊を禍特対にしてウルトラマンにカラータイマーを付けず、オールドファン向けのネタを拾うよりも、特撮として子供を楽しませてあげて欲しいというのが僕の考えだ。そして、これを別の監督と脚本家が撮っていたらどうかということを想像して欲しい。
 それに過去のエピソードを現代的に再構成するということなら、有名な監督を呼ばなくてもウルトラシリーズは十分シン化していると思う。人類の味方にシフトしていったゴジラや、改造人間でなくなった仮面ライダーとは違い、ウルトラマンは基本的に宇宙からやってきた超人なので設定的な面でも原点に立ち返るという意味合いも薄い。しかも禍威獣や外星人のデザインは新規だし。
 そして一番言いたいのは、シン・ウルトラマンだけで満足しないで、今やってるウルトラマンも見てくれよな!!スカーフェイスでワイルドウルトラマンが銛を投げて怪獣を倒すし、特殊部隊の名前はSKaRD(スカード)って言ってスカーフェイスにかかってるし、何より新規造形の怪獣めっちゃ出てくるから!!!
 ウルトラマンブレーザーは毎週土曜午前9時からテレビ東京系列で放送中!!!

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