にくしょゆ〜なんか肉を醤油で味付けたやつ〜

 先日、勇気を振り絞って家族にあるカミングアウトをした。友人には昔から伝えていたが、家族には言い出せなかった。墓まで持っていくことも考えたが、家族に隠し通すのも現実的じゃないので、悩んだ末に決断した。

 そして、お歳暮でいただいた高級な肉を家族皆がどう食べようか話している時に、僕は意を決してこう言った。

「すき焼きってあんまり好きじゃないんだよね」



 海原雄山気取りでこんなことを言ったわけではない。むしろ僕だって家族と同じ喜びを分かち合いたい。山岡士郎が居るなら本物のすき焼きを食べさせて欲しいくらいだ。

 それに苦手なのはすき焼きだけじゃない。肉じゃが、生姜焼き、スタミナ炒め、照り焼きなど醤油ベースの味付けの肉料理が苦手だ。絶対に食べられないわけではないが、塩コショウで食べた方が美味しく感じる。理由は自分でも分からない。

 僕とて社会人として普通に料理はするし、なんならパートさんから「料理系男子なんだねー」なんて言われることもある。しかし、男の料理っぽい扱いを受ける生姜焼きやスタミナ炒めを作ったことがない。それどころか照り焼きなど自分から食べようと思ったこともない。

 角煮やラーメン屋の煮豚は好きだ。こう書くと野菜アンチ不健康デブみたいだがそんなことはない。ただ、野菜好きエピソードを書こうとしたらどう表現しても“仕方なく野菜食べてる感”が消えなかったので、いつかYouTubeでお野菜大好きダンスとして発表したいと思う。

 野菜のことはさておき、ここで煮豚と照り焼きを比べて分かったことがある。というか僕が苦手なものに共通する特徴であり、ある意味核心ーコアーとも言えることだ。

 とはいえ、もったいぶることでもないのでスッキリサッパリ書くと醤油の割合が違うのである。それも、煮豚のタレの方が醤油の割合が多い。

 つまり、どういうことかというと醤油ベースの肉料理が苦手だと思っていたら、醤油味の濃い料理が好きだったというわけである。

 これで自分の味の好みについてより正確な表現で伝えられるようになった。


「僕は市販のめんつゆ的な調合で味付けた肉料理が苦手だ」


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