石川県内の地域日本語教室へのウイルス影響について ~「ウイルスの影響についてのオンライン情報交換会(6月18日19日) 」での意見交換から~

2020年6月18日、19日に県内の地域日本語教室関係者、自治体の多文化共生担当者の方をオンラインでつなぎ、新型コロナウイルス感染症の教室や活動への影響について、現状報告と意見交換を行いました。

参加者10教室25名 急なお願いにも関わらずご参加いただいた皆様ありがとうございました。ご都合つかなかった方は次回ぜひご参加お願いいたします。 以下はそこでの話し合いを元にしたIFIEからの提言と報告です。

IFIEからの提案 ~第二波が来る前に~

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「ウイルスの影響についての情報交換会」の報告

Ⅰ 教室活動状況

緊急事態宣言が解除されましたが、各教室で日本語教室再開への対応は分かれています。

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Ⅱ オンライン授業の取り組み

1 準備段階
■オンライン授業の体制が出来上がるまで、サポーター、学習者間で何度か試行期間をとって始まっています。
 ・まず連絡体制を作った。最初は40分授業で始めた。(対面と異なるため)最初は戸惑ったが、事前にメール添付で教材を送っておく、サポーターが事前に勉強しておくなど工夫して、現在は慣れた。
・IFIEの勉強会や自主勉強会を経て準備をした
・簡単な使い方を教えて、グループディスカッションに分かれた。会話を楽しんだ。Googleドライブであらかじめ画像などを共有した。

2 ツール
■Zoomが多いですが、LINEやSkype、Messengerなど、学習者が接続可能なツールが積極的に使われています。

3 オンライン授業導入のプラス面
■ 時間と場所の制約から解放され、参加できる人が増えそうです。
■コロナ下でも、学習者個々の事情が把握できました。

・ ボランティア学生の参加が増えた。対面授業だと行き帰りの時間が必要。Zoomだと40分授業で1時間あればボランティアができる。
 ・交通が不便な人や通学が大変な子どものために、取り入れられたらと思っている。
・自転車で通う人、足がない人には好評。
 ・背景によって、抱える不安が違うので、個別に事情を聴くことができるようになり、一部とはいえ、情報を得ることができた。
・学習者に様子を聞くことができて安心した

4 オンライン授業の課題
■ ICT機器を全員が使えるように、環境の整備をする必要があります。
■ICT機器に慣れ、有効に使うための研修機会を設けることが必要です。

・ オンラインでの授業については、画面共有など少し難しい機能は、慣れている人でないと難しい。
・ オンライン授業への対応について、サポーター間で差がある。熱意がある教師でも、機材やICTに不慣れ等の理由で参加できない。
・ 講師、受講者へのタブレット貸し出しや研修ができないか。

Ⅲ 対面授業再開にあたって

1 各教室等で教室環境の安全対策がとられています。
・ 子ども同伴可が特徴でベビーシッターも用意しているが、おもちゃの消毒や検温等が課題。
・ 学校やボランティアの要望から、体温測定、消毒、窓開ける、ビニール仕切り置くなど、対応。
・ 教室の換気やマスク、フェイスシールド等の準備など対策はしている。各部屋の人数に制限設けている。
・ 会場によっては人数制限、いつもの半分。名簿に名前を書いて追跡できるようにしている。
・ 体温計測を行い、授業時間を90分から60分に短縮。全授業予約制。1クラス3人までに制限。
・ マスク、消毒液も整えた。検温、マスクぐらいの対策。

2 教室再開後、学習者が戻らないケースが出ています。
・ 例年の約半分の受講者数で行っている。
・ 参加者ゼロ。サポーターだけで話した。
・ 教室離れ進んでいて、予約入らない。

3 サポーターや学習者から、再開へ心配の声があることも事実です。
「積極的に休む」ことを選択肢に掲げることも大切です。
・ 外国人参加者からは授業再開を望む声だけでなく、不安の声が聞こえる
・ 不安に感じるボランティアは積極的に休むことを徹底した。

Ⅳ コロナ休講から見えたこと

1 授業が継続できる体制の確保(対面やオンラインなど)が大切なことがわかりました。
・ 2月に指導した子も、3,4月休んだら日本語を忘れていた。
・ オンライン授業で4,5月10回ほどスカイプで行った。子どもにも大変好評。6月初めから対面授業開始。オンラインから対面にスムーズに移行できた。

2 事務局や講師、日本人サポーターと学習者がつながるための連絡網、ネットワークが役立ちました。
・ 講師が学習者と個人的な連絡をどれだけ持っていたかで、教室再開後の参加不参加に開きが出ているのではないか。
・ プライベートクラスはオンライン参加多い。グループレッスン参加者は低調。
・ 受講者と個人的なつながりはとっていなかったため、どうしているか心配したという声がサポーターからあり、サポーター、外国人参加者が加わるLINEグループを作る予定。第二波の際も対応可能ではないか。



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