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絵を見て死にかけた話

素晴らしい絵画を見たとき、目眩や動悸に襲われる。

そんな経験がありますか?



スタンダール症候群というそうです。



5年ほど前、きゃらあいというずっと好きな画家さんの作品を見たとき、酸欠になりました。

当時の(今も)ぼくは絵画の見方がよく分かりませんでした。綺麗な色だなぁとか、かわいい絵柄だなぁくらい。



でも画家というひとりの人間を意識して初めて「何を意図して書いたんだろう?」という絵画の見方を覚えました。



自分が小説の一言一句に注意を払うように、絵画の表現にもそれがあるはず。

それを意識すると、画面の全てに意味があるように思えて、一枚の絵でも何時間でも見ていられるようになる。



スタンダール症候群に陥ったのはそれに気付いてからです。

「これはどういうことだ?」「こういうことか」「ということはこっちの意味も」「これってぼくも考えていた」「そういう見方?」

描き込まれた情報量とそのそれぞれの親和性を、読み取れば読み取るほど新しい発見が出てくる。

気付けば「おもしれぇ……おもしれぇ」と呟き続け、息を吸うことを本当に忘れて酸欠になりました。

その最初の体感は「気持ち悪くなってきた」でした。





絵を見て死にかける。

そんな体験に再びまみえたいと思っています。







こちらの短編集の表紙を描いてくださっているのが何を隠そうきゃらあいさんです。

よかったらお手にとってください。



以上です。

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