金融アドバイザーの価値


今年に入り、政府の方針としての「貯蓄から資産形成」が広く人々に浸透きたように思えます。この流れに伴い、多くの保険セールスパーソンが関心を持っているのが、変額保険の販売です。変額保険は、投資信託を生命保険で包み込んだ金融商品であり、保険と投資の要素を組み合わせた商品です。投資信託とは、複数の株式をパッケージ化して管理する金融商品であり、変額保険を販売するには生命保険の知識と投資、運用に関する深い理解が必要です。

株式投資は資産形成において非常に効果的な金融商品であり、成長する企業の株式に投資することが資産を築く最高の手法であることは、理論的にも歴史的にも、またトマ・ピケティの研究からも明らかです。このことを踏まえると、変額保険の販売方法によってお客様の資産形成に大きな違いが生まれるのです。セールスパーソンの株式投資に対する知識とその提供の仕方が、お客様の未来を大きく変えると言っても過言ではありません。

また、最近では「親ガチャ」という言葉が話題になっていますが、これはどの親のもとに生まれるかで未来が決まるという意味です。確かに家庭環境は要因の一つでありますが、どんな環境であっても、その人の考え方や行動が人生を決めると思います。お客様がどのセールスパーソンと出会うかによって、その人の人生やその子供たちの未来も変わる可能性があります。「お金」に関する仕事に携わる金融アドバイザーとしての仕事は、非常に大きな影響力を持っています。保険セールスパーソンの方々が行う仕事は、その価値が計り知れないのです。

たとえば、赤ちゃんが生まれたときに医療保険を選ぶ際、60歳払いと終身払いで月々の支払いが100円異なるとします。この差額を10%のリターンで運用した場合、60歳時点で145万円が貯まる計算になります。この貯蓄で生涯の医療保険料を払い続けることで得られる利益を考えると、非常に有利であることがわかります。このように、保険の選択一つで将来の資産形成に大きな違いが生まれるのです。

さてここで株式投資における最大の敵について考えてみたいと思います。それは「感情」、つまり「恐怖」と「欲望」です。人類の歴史上最高の天才と称されるニュートンがこの感情に振り回されて株式投資で大損をしたというのは有名なお話です。ニュートンはイギリスのサウスシーという会社の株式投資において、大きな利益を得た後、感情に左右されて大損をしたそうです。感情は株式投資における最大の敵であり、冷静な判断力を損なわせる要因となります。

最近、日本の株価が大きく値下がりしました。私自身もこれまでに経験したことがないほどの下落でしたが、この急激な下げに対して多くの保険セールスパーソンから不安の声が上がりました。この反応が非常に不思議に思えました。企業の価値が下がっているわけではないのに株価が下がっている状況は、言わば「バーゲンセール」のようなものです。そう考えると、このタイミングで株を購入することはむしろ「ときめく」チャンスと捉えるべきです。

振り返ってみると、「あの日に買っておけばよかった」と言っている方が多いのはその証拠です。株価が下がったときにどのような行動を取るかが、将来の成果に大きな違いをもたらします。正しい知識と冷静な判断があれば、株価の下落を恐れることなく、むしろチャンスと捉えることができます。株価は短期的には理論的に動かない市場が効率的ではないため、過去の経験からも株価の下落を機に購入した投資家が後に大きなリターンを得るケースが多くあります。



正しい知識と情報を備えることが資産形成に大きな影響を与えます。変額保険を取り扱うセールスパーソンとしても、このような冷静な判断力と知識をお客様に提供することが、成功への道とつながることになります。

生命保険商品を今以上に販売したいということになれば新たな被保険者を探さなければなりません。しかし資産形成商品であれば同じお客様が追加で買い続けます。新たな顧客開拓にエネルギーを投入するのではなく、セールスパーソンの能力開拓にエネルギーを投入するほうがずっと生産性があがると思うわけです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?