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保険セールスパースンの責任

今般はセールスパーソンの「価値」と「お客様に対する責務」について考えてみます。

保険セールスパーソンとお客様の会話を聞いておりますと、セールスパーソン側は「なにかありましたら何でもお申し付けください。入院をして保険金請求される場合や住所変更などなんでもご連絡ください。いつまでも責任を持ってフォローしていきます。」お客様側は「辞めないでこれからもずっといろいろお願いします」
というようなやりとりがあります。
「いつまでもずっと責任を持ってあなたのお世話をします」と言うセールスパーソンがいますが、それはあまりにも無責任と言わざるを得ません。
そもそも、生命保険のセールスパーソンは「もし明日いや今、死亡ということがあれば•••」というお話をしているわけです。生命保険セールスパーソンは人間の命というものは、未来に存続することが保証されているものではないのだということを深く理解しているはずです。お客様と生命保険のプランについて、話し合っているときには、もし死亡ということがあった場合には•••という話をしておきながら、その話が終わった途端に、私がいつまでも傍にいますというのは話が矛盾しています。お客様に「いつまでもよろしく」と言われたらならば、「私は明日いないかもしれません。もし私がいなくなっても、あなた自身が何でも自分でできるようにしていくことが私の責任です」そのように答えるべきではないかと思うわけです。
住所の変更や給付金の請求は、契約者自身が自分自身で簡単にできるものです。わざわざ担当者がお客様のいるところに出向いて書類に記入する手伝いをするなどということは必要ありません。自分自身でできることを本人にやらせることなく、必要以上に手を貸すことは依頼心を育てていくことになります。
申込手続きの際に保険金請求など手続きのやり方をセールスパーソンを通さず契約者が自分自身でできることを教えておくことがお客様に対するサービスであり、お客様に変わって手続きをすることがサービスではありません。

セールスパーソンとしてのあなたの価値を発揮するのは、お客様自身ではできない、あなたにしかできないことをすることです。
請求書類を書く手伝いをすることはあなたでなくてもできます、というよりお客様自身でできるものです。いまや書類でのやりとりでなく、スマートフォンで手のひらのうえで簡単にできてしまいます。あなたにしかできないことそれはお客様が持っていない法律、金融の知識を駆使してお客様の問題解決をすることです。あなた自身の時間にも限りがあります。誰にでもできることに大切な時間を費やすのではなく、あなた自身の価値を高めるために時間を投資することが大切です。

お客様の高齢化とともにセールスパーソンの高齢の方も多くなりましたね。セールスパーソンよりずっと歳の離れた若いお客様に対する場合、自分がお客様より先に死亡または仕事を辞めてしまった場合に、そのお客様のお世話をすることができないのではないかという不安を抱く方も少なくないようですが、心配ご無用です。物理的にいつまでもお客様の傍にいる必要はありません。お客様に正しい知識を与え、お客様自身が正しい判断をし、行動でするように今できることを今やればよいわけです。歳を重ねた、経験を重ねたあなたにしかできないことはたくさんあります。その経験を活かしてお客様を自立させていくことが与えられた責務と思うわけです。

セールスパーソンとしてお客様の依頼心を助長してはなりません。「私が傍にいなくても大丈夫!なんでも自分でできるように助言していきますね」そのようにお話し、お客様が自分で行動を起こすことのできるよう導いてください。
お客様の請求手続きなどを手伝うことや何の用もないのにお客様のところへ訪問することが責務を果たすことであると考えているならば、それがセールスパーソンの価値と考えているならばもう一度あなたの価値とお客様に対する責務について考えてみてください。
セールスパーソンとしての価値と責務は、お客様の問題点を発見し、それを解決するための方法を提示し、その手段として金融商品を組み立てることです。そして何よりも大切なことはお客様の自立心を育て依頼心を断ち切るということであると思うわけです。

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