情報リテラシー論第13回「画像認識の技術と流出問題」復習参考サイトまとめ

あけましておめでとうございます。

束の間の冬休みも終わり、明日からまた情報リテラシーの授業が始まります。

皆様はこの休暇をどのように過ごされましたか?

期末試験対策の復習には是非当ブログの過去の授業まとめをお役立てください。


さて、今回の授業はAIやNFTについての話題でした。

私の前回のレポートがかなり近い内容でしたので是非今回と併せてご覧ください。


それでは、授業を振り返ります。

冒頭にあった眼の誕生について、とても興味深いお話しでしたね。

↓参考書籍の出版社ホームページはこちらから↓


カンブリア紀大進化の謎を解く
アンドリュー・パーカー 著 /渡辺政隆 訳 /今西康子 訳
5億4300万年前、なぜ生物は、突如、爆発的に進化したのか? 画期的な新説で、生命史上最大の出来事の謎に迫る。地球最初の眼から始まる壮大な進化の真実。


画像認識の歴史や、ディープランニングの活用にまつわる時事ネタまでを網羅的にまとめているサイトがこちら。是非ご覧ください。

特に美工、視覚の学生でコンテンポラリーに興味のある方は制作のテーマとなり得るヒントがあるかもしれません。

・画像認識技術とは?
・画像認識の歴史
・画像認識技術の仕組み
・画像認識技術の種類
・画像認識技術の活用事例


続いては私の研究対象である写真表現の分野から今回の授業にまつわる話題です。

まずはこちらに記事をご紹介します。

今回の授業で学んだ解決しないグレーな権利関係の問題について踏まえながらご覧ください。

『Google Street View』は、究極の「ストリート写真家」だ。その画像を使って生み出されている数々の「アート作品」を紹介。

写真表現にはファウンド・フォトという手法があります。

古くは蚤の市で購入した写真や遺品の写真などを対象に作者が意図を持って新たな物語を編み込むことで成立していた手法で、数々の名作が生まれた歴史があります。

現代の画像を取り巻くデジタル技術の飛躍的な発展により、AIや画像認識技術を使った新たなファウンドの可能性がひらけてきたように思えます。

イメージの改変、生成などさまざまな実験的要素を含む作品は、現代アートの文脈に則りつつNFTとの親和性も高く、これからの時代の表現になり得る可能性を秘めています。

ファウンド・フォト / Found Photo                                                                            ファウンド・フォトと呼ばれる写真の多くは、そもそも撮影者が誰であるのか知られていないものが多い。それにもかかわらず、そうした写真に「作者」の存在が見出されようとするとき、その役割を叙述する過程において「ファウンド」という言葉が呼び起こされる。こうした写真の多くは、フリーマーケットや蚤の市などで見つけられたものが大勢を占めるが、それゆえに写真の発見者と撮影者とのあいだで写真の「読み方」をめぐった相違が生まれることがある。その読解の差に「発見」という言葉が挟み込まれ、「ファウンド・フォト」が誕生することになるのだ。このとき、写真の発見者と撮影者の関係は非対称的であり、具体的には、しばしばプロとアマの関係にそれが置き換えられることがある。「ファウンド・フォト」として流通している写真の多くはいわゆる(「芸術家」に対する)「素人」が撮った写真であるからだ。したがって、そこには収奪の論理が働くことになる。しかし、そのことが批判的に言及されることは少ない。なぜなら、芸術家によって積極的にこの手法が選び取られる際、しばしばそこには救済的な態度が付随することになるからだ。このとき「救済」されるのは、歴史的・情報的に「弱い存在」が対象となることが多く、たとえば「ファウンド・フォト」よって忘却された歴史やそれまで可視化されなかった営みが改めて浮かび上がるという試みがこれまで多く行われてきた。しかし、先述したようにそこでは領土拡張的な収奪の論理が働きがちであるということにも注意する必要がある。
文=原田裕規


最後に写真集を2冊紹介して今回は終わりたいと思います。


一冊目は1916年から1939年の間に国家政策に沿ってフランスで製作された発明や研究の記録をファウンドフォト的手法でまとめた一冊。

私自身とても好きな本です。

Inventions 1915-1938 by Luce Lebart                                                                 ロンドンとトロントを拠点とするアーカイブ機構「Archive of Modern Conflict」のキュレーターでもあるフランス人写真史家/キュレーター、ルース・レバート(Luce Lebart)による作品集。1916年から1939年の間に、科学的および産業的研究を奨励する国家政策に沿って、何千もの映画や写真がフランスで制作された。本書の出版により初めて知られることもあるであろうこれらのイメージは、20年にわたる発明と研究の視覚的証言である。彼らのアナログ・アーカイブは、最初は戦争と国防に支えられた革新の歴史をたどり、その後、民間人と家庭の生活に移行した。この歴史はデザインと絡み合い、科学技術と産業が交差する領域に存在する。またこれらの画像は、現在も展開されている研究の制度化の物語を伝えている。当初から体系的なアーカイブ方針が設定されていたのである。これらの行政的でありながら美的に息をのむような画像は機構によって大量に作られた。しかしその舞台裏では、先見の明のある人々や先駆者た ちが静止画や動画の力を利用し、その実証的、記録的、教育的、美的、コミュニケーション的な応用実験を行っていたのである。                                                                                                  
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RVB BOOKS/CNRS, 2019
Softcover, 170 x 240 mm
304 pages
First edition
ISBN: 979-10-90306-88-2
¥5,400 + tax


2冊目はAIのアルゴリズムを用いた画像生成から生まれたポートレート作品。

出版社YouTubeからプレビューも出ていますので是非。

『This person does not exist』というウェブサイトを利用し、GAN(AIのアルゴリズム)による画像生成から生まれたポートレートをフィルムに印刷しています。束になり重なりあうことで実体なき実体のイメージを一冊となった本の塊が迫ってくる。

それでは、次回もよろしくお願いいたします。

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