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パートナーのウェディングドレスに幸福を感じる

# 34 書き手:アケル

 「いつか結婚式を挙げたい。綺麗な衣装が着たい」なんて思ったことはない。
 でも、パートナーが綺麗な衣装に身を包むのを描いてみると、信じられないくらい暖かくて誇らしい気持ちになるんだ。

 ラストジェンダーという漫画を読んでいた時のこと。
 ゲイ二人の結婚を、ハプニングバーで執り行おうとあう話で、クレオが漫画の一コマを指差した。
『アケル、これ可愛い』
「うん?」
『この衣装』
 バーの衣装を扱っているデザイナーの子が、ジェンダーフリーのタキシードについて話しているコマだった。


『おれもこんな風に誰かに祝福されたいなぁ』

 誰かに祝福されたい。
 自分事ではとっくに諦めていた言葉。
 でも、パートナーのクレオからその言葉を聞いて、
「この人を幸せにしたいなぁ」
なんて思った。


 そこでお休みの間、まずはクレオのウェディングドレスを描いた。




 記事のタイトルはウェディングドレスにしたけど、今回はジェンダーフリーのタキシード中心だ。(一枚目も、女性用のタキシードだった)
 でもドレスも着て欲しい。ぼくはタキシード一着でいいけど、クレオはお色直しして数枚撮りたい。(クレオから、『お前もたくさん服着ようよ』と言われた)

 元々クリエイター気質だからか、描くのもクレオに意見をもらうのも楽しかった。

「いや、もっとトレインのフリル(二枚目の腰から下のふわふわしたとこ)はふわっとさせたいなぁ」
『漫画ではちょっと分からないけど、フリルの上の段と下の段、長さが違うんじゃないのかな?』
「あっ、ほんとだ!気づかなかった」
『リボンのついてるスーツの方は、青っぽい緑もいいけとわ、もう少し黄色がかった緑の方が好きだなぁ。最初に作ってくれたカバーみたいな』
「あぁ、メロンみたい色な」


 描いてからも「髪の色とドレスが合ってないなぁ」とか「フリルの描き方下手だなぁ」とか、反省がどんどん出て載せるか迷ったけど、せっかくなので顔だけ伏せて公開してみた。(ちなみにポーズ集のポーズを模写したので、クレオが格好つけてるわけではないです)

 クレオの容姿は今まで出してこなかったけど、カミングアウトのおかげでこうした衣装も見せやすいなぁと思った。
 もう少し腕とセンスを上げて、自由なクレオのウェディングドレスを描きたい。

「いつか結婚式を挙げたい。綺麗な衣装が着たい」なんて思ったことはない。
 でも、パートナーが綺麗な衣装に身を包むのを描いてみると、信じられないくらい暖かくて誇らしい気持ちになるんだ。

 彼の自由さに一番救われてるのは、ぼくだと思う。

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