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大人になってはじめた趣味が続かない―妄想お悩み相談室

妄想でお悩みを受け付けています。相談内容はフィクションです。回答はわたしが真剣に考えて書いています。

音楽ができるようになりたいなと、ピアノ、リコーダーと習ったのですが、どちらもなかなかうまくならず結局辞めてしまいました。一念発起し、五十の手習いで、ずっと憧れていたギターを習いはじめたものの、二年続けましたがなかなかうまくなりません。効率よくうまくなる方法はありませんか?
(ローラー/50代/会社役員) 

楽器演奏ができるようになりたい!
わかります。憧れますよね。
わたしもギターを弾けるようになりたいなと思って、子どもの小さいギターを時々いじらせてもらっています。
でも残念ながら、効率よくうまくなるってありえません。

練習するしかない

大人になってから楽器を学ぶ人たちの、
一番のネックは練習時間を確保するのが難しい、
というところです。
でも、練習しなければ楽器は上達しません。
ならばどうすればいいのか……。

練習時間を予定の一つとして考えてみましょう!

練習=暇なときにすること、ではない

楽器の練習はいつ行っていますか?
お仕事から帰ってから?
お休みの日?
でも、残業したら練習ができない。
仕事で疲れて寝過ごしたら練習ができない。
そして、上達しなくて、習うのをやめてしまう……。

そんなのは、悲しいです。

そこで、練習時間を予定の一つにする作戦です。
会議の予定は、仕事が長引いたから行かない、とかできません。
お友達と遊ぶ約束は、疲れたからいかないとか、しないですよね。
さらに、楽器の趣味の場合レッスンを受けているでしょうから、
そのレッスン予定があれば、加えて、
別の予定をそこに入れることはしませんよね。
楽器の”練習”も、そうした予定と同じだと考えてみましょう。

本当は毎日練習できた方がよいですが、
お仕事していると難しいこともあるでしょう。
趣味ですから、最初は週1日から。
毎週○曜日は○時から1時間練習と決めて、
先にスケジュール帳を埋めてしまいましょう。
もちろん、仕事などどうしても都合でその予定を変更しなければ
ならないこともあるかもしれません。
その場合は、振り替える必要がありますが、
振り替えはその週内と決めてください。

定期的に練習していく習慣さえつけば、
上達は目の前です。
さらに練習する曜日を増やしていければ完璧!
必ず演奏はうまくなります。

優先順位を見直してみよう

たかが趣味を、一つの予定としてとらえられないでしょうか?
であれば、「どんどんうまくなる」のはあきらめてください。
暇なときに、気が向いたときに楽器に触れる
程度の練習度合であれば、
7年くらい続ければ、
なんとなく楽譜が読めて、
なんとなく演奏の仕方を憶えられ、
楽譜があればつたなくともゆっくり演奏できる、
くらいにはなれると思います。

でも、それでよいのでしょうか?
せっかくはじめた楽器。
うまくなりたいからこそ、2年も続けていたのですよね。

あなたにとって今、大切なことはなんですか?
仕事、趣味、家族との会話、ゆっくり眠る時間……。
その中であなたがあなたらしくいられる優先順位というのを
よくよく考えてみてください。
しなければならない優先順位ではなく、
あなたが求める優先順位です。

ご家族との相談も必要になるでしょう。
でも、週に1回1時間であれば、
許してもらえるのでは?
あるいは、朝1時間早く起きるなどの工夫で
乗り切れるかもしれません。

最終的に趣味の時間、
つまりギターの練習時間の優先度が
それほど高くできないのであれば、
しかたがありません。
でも、毎週1日必ず練習というのを、
2週間に1回くらいにしてもいいので
ぜひ練習日を決めて続けていってください。

うまくなるための練習

さて。
レッスンで習っているのであれば、
先生のいうことに従って順序だてて学んでいくのが
近道だと思います。

では、独学の場合は?
わたしは独学で楽器を勉強したことはないのですが、
ピアノを大系的に学んだことでひとつわかることがあります。
うまくなるためには、基礎練習がとても大切です。

ピアノの場合ですが、
誰もがかならず練習するであろう「ハノン」
という練習曲集があります。
運指練習や音階、アルペジオなど機械的に弾く練習ですが
これをしっかり弾けるようになることは
難しい作品を弾けるようになる近道でした。

大げさなことをいうようですが、
ハノンの中にある単純な指の動きを
切り取って組み合わされたものが、
それぞれの作品になっていくのです。

パターンを指におぼえこませることで、
作品に取り組む際に指が自然に動くようになります。

こうした反復練習などは、めちゃくちゃつまらないです。
小さい頃、これなんでやらなきゃならないの?
とずっと思っていました。
でも、そこをしっかりすることで
曲を弾くハードルも下がるのだと知れば、
ちょっと頑張ろうかなと思えますよね。

ということで、独学の方なら
こんな感じで練習を進めるのをお勧めします。

①自分の演奏したい曲(憧れの曲)の楽譜を用意する
 どんなに難しいものでもかまいません。
 初心者向けに簡単にした楽譜が販売されているなら、
 もちろんそれでもOK

②楽譜をよく見て、どんな音型が使われているか調べる
 例えば、音階(ドレミファソラシド等、音が順番に並んでいる状態)
 アルペジオ(和音を分散させている状態)
 ハーモニーの動き(コード進行)などに注目してください。

③よく使われている音型を練習できる練習曲を探す
 演奏したい曲を演奏するための練習、になります。
 楽譜がよくわからない場合は、
 楽器店の店員さんに相談するのもあり。

④練習曲を練習する→演奏したい曲の一部分を練習する
 まずは練習曲で指を慣らすことからスタートします。
 ある程度指が慣れたところで、
 演奏したい曲の練習をします。
 最初から最後まで突然進めるのは大変なので、
 今日は○小節~○小節を練習する、と決めて
 取り組みましょう。
 練習番号が書かれている楽譜もあるので、
 その場合はそれを目安にするのも一つです。

①~③は新しい曲の練習をはじめるとき毎回する必要があります。
楽譜や練習曲が定まったら④を繰り返すだけです。

ギターの曲集については、わたし全く詳しくないので、
楽器店の店員さんに聞いてみてください。

辞めずに続けてほしい

上達するためには、当然練習が必要ですが、
それ以上に必要なのは”続けること”です。
辞めたら、それ以上にうまくなることは
絶対にありません。

今まで習いつつも辞めてしまった楽器だって、
再開すればまたそこから上達していくことができます。

でも何にせよ、辞めないことです。

うまくならないから辞めるというのは、
とてももったいないです。
だって辞めなければ、多少時間がかかるかもしれませんが、
絶対にうまくなりますよ。

作曲とかは、センスが問われる部分もありますよね。
演奏家になるなら、もちろん才能が必要です。
でも、趣味であるならば、辞めなければうまくなります。
指がいかに動くかはセンスではなく、訓練なので。

なので演奏し続けてください。
けっこううまくなったかも、と思ったら、
ぜひ教えてください。
youtubeとかで「演奏してみた」をアップしてくれれば
見に行きますので。

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