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開業予想シリーズ#2 リニア中央新幹線 新大阪開業時のダイヤを予想してみた その2

目次


リニア中央新幹線概要
 
ルート・線形

駅予定地
 
表定速度と所要時間の謎
 
予想本数
 
予想運賃
 
最終評価値
 
予想ダイヤ


表定速度と所要時間の謎 ~品川-新大阪67分が遅すぎるわけ~
 
投稿主がどう考えてもわからないのが、
所要時間です。

JR東海はリニア中央新幹線開業時の、
品川-名古屋間そして
品川-新大阪間の所要時間について
下記のように発表しています。

>>https://linear-chuo-shinkansen.jr-central.co.jp/future/

JR東海リニア中央新幹線サイトより

品川-名古屋間 が最速40分で
品川-新大阪間 が最速67分ということです。

ですが、これにはどうも違和感があります。


その違和感はなぜなのか。
2つの点で矛盾するからです。

1.名古屋-新大阪間のルートが決定していないのに、
  なぜ品川-新大阪間の
  最速の所要時間が断言できるのか。

2.品川-名古屋間が40分ならば、
  途中、名古屋で1分停車時間を見ても、
  名古屋-新大阪間26分が遅すぎる。


詳しく見ていきましょう。

まず、1.についてですが、
これは2つの考え方が想像できます。

・ルートは決定していないが、
 余裕を見てまず間違いない時間を公表している。

・具体的に一番遠回りのルートを想定している。


調べたところ、京都府の建設交通部というところが、
名古屋-新大阪間 各ルートの
想定所要時間を公表しています。

これを見るに、京都周りでも所要時間は25分。
それより遠回りなルートを想定しない限り、
26分にはならないはずです。

しかも、おそらくですが、
京都は従来ののぞみのように
速達タイプを全て京都駅に止める想定で
これを作成していると思われます。

つまり、最速でも途中京都に止まる想定であると。
それでも25分と出ているのです。
26分は遅すぎはしないでしょうか。
最高時速500kmで走るリニアは、
1分違えば8km以上の違いが出ます。


2.についてですが、
論より証拠。
これについては実際の表定速度から
想定される所要時間を計算してみましょう。

以下はJR東海のリニア中央新幹線サイトから
抜粋したものです。

卓越した加速性能
加減性能について

画像1

超電導リニアは車両に搭載した超電導磁石と
地上コイルとの間の磁力によって非接触で走行するため、
車輪とレールで走行する従来方式の鉄道とは異なり、
車輪が加速中に空転したり、
減速中に滑走したりといった現象が発生しません。
上図の青い線は超電導リニアL0系の加減速を表わしています。

僅かな距離で時速500kmまで加速し、
時速500kmから停止までの距離も短く、
他の従来方式の鉄道と比較して加減速性能が
非常に優れていることが分かります。

この卓越した加減速性能により、
最高速度で走行する距離を最大限長く保つことができるため、
時速500kmでの大量高速輸送を実現できるのです。

           ~~以上抜粋~~


リニア新幹線の車両は、
従来の鉄輪で走る新幹線より、
加・減速の性能が高いようです。

上の資料から、

加速に必要な距離
13.4 km 

加速に必要な時間
3分 00秒

減速に必要な距離
7 km
減速に必要な時間
1分 30秒

とします。
加速と減速の間の時間を一定の速度で走るとき、
その速度を巡航速度とします。

リニアの最高速度500 km/hを巡航速度とすると

品川-名古屋
最高速度想定
(285.6[km]-(13.4+7)[km])÷500[km/h]×60 [min]

巡航時間
31.824 分

これに、加減速の時間3分と1分半を足すと、
リニアが最高速度500km/hで本気を出せば、
品川-名古屋間を36分半で到達できることが
わかります。

品川-名古屋間の最速40分は
決して絵空事ではないのです。

リニアは自動運転で運転士がいないため、
個人間によるムラもなければ、
人間特有の恐怖心もないので、
減速時にムダな時間がかかることも
少ないと思われます。

しかし現在の新幹線同様、
遅れを回復するために
ダイヤには余裕をもたせてあるはずなので、
ダイヤの想定している巡航速度は
もちろん最高速度よりは遅いはずです。

品川-名古屋間の所要時間が40分であるとき、
巡航速度は何km/hの想定なのでしょうか。

品川-名古屋 40分のとき
巡航速度
(285.6[km]-(13.4+7)[km])÷(40-(3+1.5))×60 [km/h]

平均巡行速度
448.2253521 km/h

約 450 km/h

上記のように、品川-名古屋間が40分であるとき、
ダイヤが想定する巡航速度は
最高速度から50 km/hの余裕を見て、
およそ450 km/hであることがわかりました。


さて、問題の名阪間ですが、
2020年現在の東海道新幹線のダイヤでは、
名古屋駅に1分間停車するダイヤになっています。

リニアが新大阪まで開業になった際も、
同じように名古屋駅には1分間停車するという想定で
計算してみましょう。


品川-新大阪67分として名古屋での停車を1分とすると

名古屋-新大阪間 巡航速度
(438[km]-285.6-(13.4+7)[km])÷(67-40-1-(3+1.5))×60 [km/h]

平均巡行速度
368.372093 km/h

約 370  km/h


品川から名古屋まで、
450km/hでぶっ飛ばしてきた車両が、
名阪間になると急に370km/hになるわけです。
なんでやねん。となるわけです。

加・減速を別に考えた巡航速度ですから、
ある程度の距離があれば、
同じ速度でも問題はないはずです。

名阪間をノンストップとして、
巡航速度を品名間と同じ450 km/hだとすると、


所要時間
(438[km]-285.6[km]-(13.4+7)[km])/450×60+(3+1.5) [min]
 
22.16968326 分
 
約 22   分


前回、その1で書いたように、
今回仮に想定する名阪間の途中駅は、
三重の亀山駅とJR奈良駅です。

このルートは、
京都のHPに載っていた地図では、
最も遠回りのはずですが、
それでもやはりそこには、
所要時間が22分と書かれています。

その1で載せたルート効率の計算でも、
名古屋-新大阪間が全区間中最低で、
一番の大回りをしているにも関わらず、
上の計算では22分で到達すると出ます。

つまり、品川-新大阪間は普通に考えれば、
最速63分で到達可能のはずです。
ひかえめに言っても、
64分あれば十分ダイヤは組めるでしょう。

公式には、奈良ルートを想定しているはずの
JR東海は京都ルートの可能性も見ている
のでしょうか。
そうだとしても、66分で大丈夫のはずです。

それなのにどうして、
最速67分と断言してしまっているのか。
これらが、私が違和感を抱く大きな理由です。


たった3分程度の違いですが、
先にも書いたようにリニアは1分違えば、
8km以上違ってきます。
25kmも違えば相当な距離になります。
67分!!と断言されているのでなおさらです。

今の私には確認のすべがないので、
想像でしかないのですが、
各方面から、東京-大阪の所要時間は
いったい何分になるんだ?とあまりにも聞かれた。

または、聞かれることが想定されたため、
最速67分と決めておいた。

あとから、想定より所要時間が増えると
苦情のタネなので、
まず間違いない時間を言っておいた。

・・・そんなところではないでしょうか。

ルートが定まっていないのだから、
断言せずに〇〇分程度を想定。
でよかったと思いますが。

もし、67分と断言されることになった
いきさつをご存知の方がいらっしゃれば、
教えていただけると大変ありがたいです。



つづく

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