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東海道NOW&THEN 3 「川崎」

品川から川崎まで2里半。約9.8km。

 品川から川崎へ、鈴ヶ森を出ると第一京浜・国道15号に合流。そのまま多摩川・六郷の渡しまで、途中数百㍍を除けば、ずっと京浜急行沿いに国道15号を歩く。多くのトラックや乗用車が追い越していく中、寄り道するところもなく黙々と歩く。正直にいえば、つまらない。

 六郷橋にさしかかる。河川敷を橋の上から見下ろす、そこにあるグラウンドを見て思い出した。腰を悪くするまでの40年近く草野球チームに参加し、ときどきここで試合をしたことを。多摩川を見る、広重の絵には遥か遠くに富士の山。写真はその方向にレンズを向けているのだけれど、ビルが建ち並び当時の面影はもちろんなし。まさにNOW&THENの面白さ(手前味噌です、ハイ)。

 橋を渡ると、すぐ国道からそれて右へ。京急やJRの川崎駅へと向かう道。東海道は駅前の繁華街の真っただ中を通り抜けていく。ふと足元を見ると広重の「六郷渡舟」をデザインした、きれいなマンホールの蓋。五十三次の各宿場は、自治体それぞれに力の入れ具合の差はあるけれど、東海道の宿場だったことをアピールする姿勢はどこも同じ。この先もあちこちで同様のものを見ることになります。
 川崎駅前の繁華街を抜け、京急鶴見駅を過ぎて閑静な住宅地の中を進むと住宅街にもかかわらず「魚河岸通り」とあり魚屋が数軒、並んでいます。鶴見川がすぐそば。そして品川と同様に海までは数km。今は住宅街といえ、やはり海が近くなのだと感じます。

 実は、品川から川崎へ向かう直前に古い友人から、地元の里山歩きの途次で青面金剛を見たとのメールをいただいてました。青面金剛は、病魔・災厄から民を守るのだといいます。足元に邪鬼を踏みつけ、その下に三猿(見ざる、言わざる、聞かざる)を従者としている(正確な解説ではないかもしれませんので、気になる方はご自分で調べてください)。その青面金剛を川崎から神奈川へ向かう途中、生麦あたりで発見。写真を撮りました。これ以降、東海道のあちらこちらで青面金剛のみならず、馬頭観音や道祖神、六地蔵など古い石仏や祠を見ることが道中の楽しみになりました。

生麦から神奈川宿は目と鼻の先。次の神奈川へ向かいます。


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