海の記憶容量

内陸の街に住む私は猫を飼っている。元野良の黒猫で、推定15〜16歳になる。高齢猫だ。
姉が中学の時に車に轢かれた?轢かれそうになった子猫を拾ってきた。轢かれたかどうかは本人…本ニャンしか知らない。

そんな猫はいつのまにか歳を取り、よぼよぼ歩きながら"ちゃおちゅ〜る"を何回も催促してくる。私が借金でもしてるかのように。病気持ちで代謝が良いため、エナジーちゅ〜るというカロリーもお値段も高いものをカリカリと一緒に食べている。それ以外は基本寝ている。そんなに寝るか?ってくらい寝ている。歳を感じる。寒くなると私のところへ来て暖をとる。その時の温もりと若い時より軽くなった体重をかけて眠る姿が国宝級に尊い。

猫の1日はこの繰り返しをして終わる。
明日も明後日も。
高齢猫となれば明日は来ないかもしれない。
そんな猫と一緒に海を眺めながら昼寝をしてみたい。

私の知っている海は全てを吸収し、消化する。良くも悪くも。
幼い頃の思い出も、家族の笑顔も、さっきまで流していた涙も悩みごと全て。
海での物事は忘れられない、そういう仕組みなのだ。
だから私は海が好きだ。忘れられない。


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