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これからマイホームを買おうと考えている人へ贈る「7つのメッセージ」 3/7

シリーズ第3回目。きのうは「Win-Winが成立しにくい」でした。きょうは「売主や施工会社に違いはあるか?」です。きのうの話の続きのようなテーマになります。Win-Winが成立しにくいからこそ、売主や施工会社選びはより重要になります。実体験を盛り込みながら解説します。

売主や施工会社で違いはあるか?

 家を買うときは、「立地・プラン・価格」の3大要素に意識が集中します。いろんな書籍を読んでも、ネット上の記事を見ても大方そうなっているはずです。ただ、とくに現状のような相場上昇局面において、より注意深く検討しながら物件を選びたいという人は「売主」や「施工会社」も条件に加えることをお勧めします。

 そもそも住宅の「売主」や「施工会社」に何か違いはあるのか、と思っている方が多いのではないでしょうか。

 結論から言えば、売主や施工会社はどこも同じ、ではありません。企業によって「モノづくりの姿勢」「顧客に対する意識」「品質管理」「アフターサービス」などが異なるからです。とくに、長い期間使用し、目に見えない部分が大切な住宅という商材の場合、「品管(品質管理の略)」と「アフター(アフターサービスの略)」はとても重要です。

 マンション分譲のフローは、用地仕入れにはじまり、顧客を想定して、商品企画を考え、設計図面を作成して許認可を取得、施工、販売、工事が完了したら購入者に引き渡して完結します。この流れのどこかで、事業部は品管部から承認を受けなければなりません。デベロッパーは各社ごとに独自の「標準仕様書」なるものがあり、それに則って企画されるのですが「世に出して問題はないか」チェック機構である品管からお墨付きをもらうわけです。

「品管」は重要セクション

 以前、その最終確認の場面に同席したことがあります。正面にはスーパーゼネコンの社員が10名前後。意匠、構造、設備など各専門ごとに担当者が説明します。図面を見ながらそれを聞き、気になるところがあれば質問をする。一つ一つのやり取りは本当に細かなことばかりでした。

 例えば「この(大型空調の)室外機は隣地から離れた場所に移せないか」根拠は過去のトラブル事例からきています。「実績」をうたった企業広告を目にする機会があると思いますが、それにはちゃんと意味があるのです。つまり「実績豊富→トラブルを多数経験(アフターサービスに情報が蓄積)→再発防止のために標準仕様書を更新→クオリティの高い建物ができる確率が上がる」これが正常に循環すれば、確実に住宅としての価値が高まります。その会議で最後に言った一言も印象的でした。「特に問題はないけど、このままだと何の変哲もないマンションで終わってしまうね」。保守的なだけではなく、いかに住まいとして魅力付けできるか「事業サイドに進化・挑戦を促す」視点も持ち合わせていた、ということです。

 「品質管理部門がうるさい」企業の商品は安心感が得られると思います。また、その部署に対峙する施工会社や設計会社も同じく「どこでも同じ」ではありません。できれば設計会社も加え、3社の信頼性を検討材料に含めるべきです。

 スーモによる「新築マンション購入者動向調査」によれば、「売主の信頼度」「施工会社の信頼度」の重視ポイントがシニア層ほど高い数値が出ています(リンク先PDFの11ページ参照)。人生経験が豊富な人ほどその重要性を理解しているととらえることができます。よろしければ、以下の記事も参考にしてください。

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