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2020年マイホーム購入を検討している人へ贈る7つのメッセージ 6/7

 前回、5回目は「市況を学ぶ」でした。少々難しかったかもしれません。とりあえず、これだけは覚えておいてほしい!ことは「需給のバランス」が相場を動かす原動力であること。

 次に、自然のその成り行きを壊すのが「金融」と「税制」。これだけの原理原則がわかるだけで視界は随分と明るくなるはずです。さて、シリーズ第6回は「何のために買うか」を明瞭に。

「何のために買うか」を明瞭に

 マイホーム購入には、大きな2つの決断が必要です。
 ・ひとつは「いつ」。
 ・もうひとつは「どれ」です。
 タイミング(いつ)と物件(どれ)が揃ってはじめて願いが叶います。「いつ」の理想は、自分や家庭のライフサイクルの中で「買いたいと思い立ったとき」でしょう。「どれ」は購入目的に合致した物件を選ぶことが重要です。ものすごく当たり前のことですが、これが意外と意識から抜け落ちることがあるようです。

 不動産は同じものが存在しない、と言います。また、100点満点の物件もない、とも言います。後者は営業マンのセールストークに使われがちですが事実ではあります。つまり、物件探しとは「自分や家庭が求めるマイホームの条件に対して」「最も高得点な不動産」と見つける作業に他ならないのです。

 例えば、「自分や家族のために家を持ちたいと思った」が購入理由だとします。(じつはこの理由が最も多いのですが、)しかしながら、検討を進めているうちに色んな人から色んなアドバイス(場合によっては「雑音」)が入って、本当に欲しかった住まいのイメージを見失いがちになってしまいます。

参考資料:2018年首都圏新築マンション契約者動向調査(リクルート住まいカンパニー調べ)PDFの9ページを参照

 「売って良し、貸して良しの物件を選ぶべき」→「少し背伸びをして都心部の物件をねらったほうが資産価値が下がりにくい」→「だけど都心は高いから、広さを我慢しないと」→「収納が物足りないが立地を考えると仕方ない」→「子どもが大きくなったら買い換えればいい。そのためにも資産性のある物件を」と。当初の条件からどんどんズレていっているのがわかりますか?もちろん最初から「広さよりも資産価値の高い立地を最優先したい」なら問題ありませんし、明確な意図をもって「目的を変更するという判断(家族の同意)」を経由していれば良いとは思います。

 それと、簡単に買換えと言いますが、それが容易なのはここ10年程度の話です。バブル崩壊から2000年前半までは「住宅は消費財。経年とともに資産価値は下落するもの」という認識が一般的でした。デフレの環境下だったからかもしれません。しかし、現状インフレ期待が蔓延しているものの、10年後買った金額と同じもしくはそれ以上に売れる確証などどこにもありません。もちろん立地によって可能性の度合は違うと思います。が、本来の目的を外してまで決断するにはあまりにリスキーです。原点に立ち返って自分や家族が満足する家を求めれば、市場相場がどうなっていようが「居心地が良いマイホーム」であることに変わりはないのです。

 「何のために買うのか」を明瞭にして、純粋にそれに合った物件を探すことです。ものすごく当たり前のことですが、これをはっきり伝える人は意外と少ないようです。住み心地が感覚的なものに対して、価格の損得はわかりやすく数字で出るからでしょうか。資産価値に関しては運よく値上がりしていたとしても、次に買う物件は同じく高値相場であると考えられるので、キャピタルゲインを繰り返し実現することは難易度が高いです。

 資産性と居住性は、「両得できれば」と考えがちですが、この2つの価値観は実際に落とし込むと真逆ともいえるくらい異なるものです。セミナーで伝えた内容が想像以上の評価だったので記事にしています。こちらも合わせてご覧ください。

参考サイト:物件選びの注意点「資産性と居住性の違い」


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