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とさ自由学校とデンマーク フォルケホイスコーレについて考えた、グローバルな時間。

先日デンマーク在住のフォルケホイスコーレの山本さんと、いの町にある今年度新設したばかりの森の小学校「とさ自由学校」へ行ってきました。
https://tosajiyu.jp/tosa.html

この学校は「学習の主役は子ども、大人は伴走者」という自主自立の精神で運営されています。授業のチャイムもなく、大まかなスケジュールは決まっていても他にやりたいことがあれば誰も止めず自由に1日を過ごしていました。虫捕りをする子、芝の校庭で山本さんにブレイクダンスのような動きを教えてもらっている子、音楽室で楽器を使っている子、もちろん先生に付いて勉強をしている子もいます。

それぞれ自分の好きなことを思いっきりさせてもらってみんな活き活きと生活しています。ルールは「大人の目の届かないところにいかないこと」のみ。まだ始まって2週間なので先生方は試行錯誤の中で子ども達にとって何が一番必要な事なのかを日々考え感じながら、100%子ども達の方を向いて接しているように感じました。 


フォルケホイスコーレは高校卒業からいくつになっても行ける学びの宝庫
デンマークにあるフォルケホイスコーレは高校卒業して大学に入るまでのギャップイヤーに自分を見つめ直しこれからの人生に自分は何をすべきかを考えるそんな学校です。
http://www.ifas-japan.com/folke/  (IFASのHP、日本語で詳しい内容が掲載されています)


日本は自分が何をしたいか、何を学ぶべきかを考える前にどんどん進んで行かなくてはならず、就職して初めて「こんなはずじゃなかった」と思うことが多いのではないでしょうか?
就職し、何年も経ってからまた0からスタートすることも「経験」が糧になり良い面もあると思います。ですが、これが私のように何十年も経ってから「学ぶこと」の面白さや「やりたいこと」が見えてきても年令や家庭の状況で諦めざるをえない事もあります。
私も一人で海外に行ってフォルケホイスコーレのようなところで学び直したいし、若ければやりたかった、と思うことがいっぱいあります。でももう今の人生は沢山の積み重ねでできているのでそれを崩す勇気はありません。
せめて我が子に、今を生きる子ども達には生きる目的や可能性をしっかり見つけてそこに至るために何を学べば良いか?を考えることの出来る環境を作りたい、そう思います。

「自由」が「自由」であるためにたくさんの人の力で学びの場が作られている
自由学校には「自由」が沢山あります。だけどこれからその先に自分がどうしたいか?そのために何をするべきか?を考える時間を大人は子ども達にどうやって伝えていけば良いのかを考える必要があり、もちろんとさ自由学校の先生方は日々の学校生活で実践していることと思います。
やりたい事に近づくための手段としての「学び」は、机に向かって先生からの一方的な「教育」では得られるものでなく、興味を持ち、知りたい「知」を深めたい、手に入れたいと思った時に自主的に学ぶことの快感を手に入れられるのではないかと思います。
フォルケホイスコーレの授業では先生の話と同じくらいの量、生徒が質問し、発言するそうです。
自分から学びたいと選んだ場所だからこその光景ですね。
自分の子どもが小さい時に「なぜ?」「どうして?」と言われた事に忙しくても、ちゃんと向き合っていれば学びの芽がもっと育っていたのでは、と後悔した事もあります。
知りたい・学びたいと思った時にそばにいる大人が寄り添ってサポートする、そういうことが一番大事なのではないかと思います。

相手を知り、自分を知ることは簡単じゃないけど一番大事なこと。
とさ自由学校には自由会議という子ども達が自分達で運営し、生活のルールを決めていくシステムがあります。まだまだ意味がわかっていない子達もいますが、回を重ねればなぜ必要かや、他人の意見を聞くことの必要性、多種多様な個性が一つのコミュニティーを作ることの難しさ、楽しさをきっとわかってくることでしょう。
そして彼らが上級生になった時に下級生の手本となり、自由の中にも責任や役割があることを学んでいくのだと思います。

フォルケホイスコーレはもっと大人になっていますが、ここでも様々な国の人と学び、寝食を共にし、お国柄の違いでの衝突を経験し、それだけではない個々の違いを認め合いながら「個性」として尊重し、自分が世界の人から見られた時にどう思われるかも客観的に知ることで「グローバル」に生きることが見えてくるでしょう。
その中で自分はどう生きたいのかを考えるには本当に恵まれた場所だと思います。

自分の周り360度を見渡す力が、Global力の第一歩
私がこのGlobal Education Lab を作ろうと思った当初は名称を「International」にしようと思っていました。そこにとさ自由学校の教師であり、GELの理事でもあるアーサーさんが「Internationalでは双方向での交流でしかないから名前にするならGlobal が良いよ。」とアドバイスをくれてこの名称になりました。

まさにとさ自由学校もフォルケホイスコーレも「Global」な学びの場所です。
それは「世界規模」という事だけでなく、何もかも包み込んで、どんな人もどんな環境で育ったとしてもみんな同じ地球に住む1つの個であるという事、尊厳を認め合う人間であることを感じる場所でもあると思います。

私も高知の地で子ども達のためにクローバルに生きるにはどんな環境を作れば良いかをもっともっと考えていきたいな、そう感じたこの数週間の濃い体験でした。
デンマーク行きたい!といまだに叫んでいます(笑)

写真一部はデンマーク フォルケホイスコーレ 山本勇輝さんの下記の記事から引用しています。フォルケホイスコーレへの熱い想いが伝わる記事はこちら。
https://epmk.net/yukiyamamoto/

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