見出し画像

命綱!生命維持管理装置②

補助人工心肺装置


 さて、そもそも全身に血液を巡らせるためには何が必要でしょうか。
 水を汲み上げたり、循環させるには「ポンプ」が必要ですよね。このポンプの役割をするのが「心臓」です。名前の通り、肺に加え心臓も補助してくれる装置となります。
 機構としては、血管と管を繋ぎ、ポンプによって血液を引きます。これを「脱血」と言います。
 そしてポンプによって「人工肺」と呼ばれる機器に入り、血液に酸素を加えます。これを「酸素加」と言います。
 酸素加された血液は、再び血管に戻されます。これを「送血」といいます。
 この一連の流れを継続して行なっている処置が補助人工心肺です。
 先に述べた様に、心臓と肺の役割を行うわけですが、送血と脱血の位置によって役割が変わります。
 今回の新型コロナウィルスでの重症例では、静脈から脱血し、再び静脈に送血する「V-V ECMO(V-Vエクモ)」と呼ばれる方法をとります。VはVenous=静脈、ECMOはExtracorporeal Membrane Oxygenation=体外式膜型人工肺 の意味です。

 さて、このECMOですが、これは治療ではなく、肺の回復を待つ、つまり回復への橋渡しが目的です。ECMOの使用により肺は仕事を少し休むことができるのです。

 現在、志村けんさんがこの装置をご使用されているとのことで、早期の回復を切に願います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?