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「ブラッシュアップライフ」するとしたら

2023年の1月に民放で放送してたドラマですね、「ブラッシュアップライフ」。バカリズムが脚本のタイムリープ系ヒューマンコメディで、私はリアルタイムでは見ていなくて、去年末にNetflixとTVerを駆使して視聴しました。育休2ヶ月目は子どもの睡眠も安定し、なかなか時間が取れましたので、まさに一気見の勢いで楽しかったです。
7話のラストにうお!ってなりましたw水川あさみーーー!!!ってなりました。

あらすじとしては、交通事故で死亡した主人公の女性は死後の世界で生前の人生を最初からやり直すチャンスを得る。人間へと転生する来世を目指し、徳を積むべく、2周目の人生へとドアを開ける・・・という感じ。
基本的にファンタジーは苦手なので、だから元々手を付ける気はなかったのですが、まぁ出てくるんですよ、広告が。TVer年末でドラマ特集してるから。そのおかげで「MIU」とか「アンナチュラル」とかも見ちゃいましたし。いやぁ楽しかったです、年末年始。

ただ、TVerは配信期間が決まっているので他の気になるドラマやバラエティを見ているうちに期間終了してしまい、TVerですら見逃すというという大失態を犯しまくり、「うわぁああああ!」となっていた時に一番後悔したのがこの「ブラッシュアップライフ」でした。ちなみに、この時に一番ハマっていたのは前述の「MIU」で、これを1日に何度も見ていて見逃してました。はい、馬鹿です。要領悪いんですよね。

後で調べたら「MIU」も「アンナチュラル」もamazonプライムで見れるし、なんなら「ブラッシュアップライフ」もNetflilxで配信しているし。と思ったら余裕こいて溜め込んでいた「漫画みたいにいかない。」はことごとく見るのを逃し配信終了・・・。

要領はいい方なんですけどねー。何と言うか、詰めが甘いんですよね、私。あと、思い込みが激しい。きちんと調べもせずに勝手に「明日までやってるでしょ」と決めつけて、その間に「他に見たいのないかな」なんて違う作品を探して、ウハウハしながら戻ってきてみれば、見逃しがなくなることを売りにしているTVerさえ配信終了・・・。自分、あほちゃうの。

要領悪いじゃん。そしてなんて詰めの甘い。
ですがこれが私の日常。その集大成の私の人生、ブラッシュアップするところありまくりなのは言うまでもありません。細かく言い出したらキリがないくらいに、「ここでしょ」「ここでしょ」と頭の中に浮かんでは消える分岐点たち。そのなかでも「ここでしょ!」というターニングポイントは確かにあるわけで、それらに切り込んで(?)徳を積んでいくのがドラマ、「ブラッシュアップライフ」の序盤なわけです。
※以下、ネタバレあります。見ていない方、ご注意を。

はじめは「来世での人間への転生」を目的に、つまりは「アリクイなんぞになりたくはない」という生まれ変わりを拒否したための2週目人生を選択した主人公。
ここで「え?」と思ったのが、人間を生物のヒエラルキー上位に据えた上で、徳を積むことでその上位生物への生まれ変わりの確率が上がる、という設定。え、人間上位なの?まあそうなのか?食物連鎖的なピラミッドでは確かにそう、なるのか?でもそれって生まれ変わる時の選考順位にスライドされるものなの?と、細かいところが気になってしまった私。
・・・こういうところがファンタジーに馴染まないんですよね。さらに言うなら、生まれ変われば現世の記憶なんてないんだから、そこはそこで楽しむというか、それなりの生を全うするのではないかと疑問が浮かび、だからつまり、もっと「やり残したことがあるからお願いします!」的な2週目に行く動機づけを欲しがってしまった私。

はい、完全なるいちゃもんです。
それが設定なんだから、いち視聴者の私がブツブツ言うこっちゃぁないんです。むしろ脚本バカリズムなんだから、そういうしれっとした顔で非日常に日常ぶっこんで刺していくのを楽しめないなら見なきゃいいってもんです。
そう、見なきゃいい。
幼稚園時代に担任先生の不倫を止めたり、中学時代には横暴教師に意見したり、その先生を社会人になってから痴漢の冤罪から助けたり、合間合間にゴミ拾ったり、そういうのをすべて「徳」と捉えて周回するごとに奔走する主人公を、生ぬるい視線で見る嫌ーな自分を意識しながら、第7話ででっかく動く歯車に、そしてバカリズムの罠にまんまとはまる私が見るのを止められるわけがないんですけど。

「自分のより良き転生のため」現世の周回を繰り返していた主人公が、少しずつ「誰かのため」に行動するようになるのは面白かったです。さすが脚本バカリズム。
根底には常に「誰かのため」がありながらも、その動機付けとして前面に出すのは「徳を積むため」という利己的な理由で、主人公もそれをまったく隠さない。「誰かを救いたい」ではなく、「自分が得したい」がために善行に励むその姿、等身大の人間のエゴだと、私は思いました。ドラマだからそれでも美化はされ、バカリズムだから淡々と描かれていますが。
そう思うのならば、前述の「やり残したことがあるからお願いします!」こそがまさに王道ドラマ的な思考展開であり、このドラマにはそぐわない主人公のメンタリティなわけで、じゃああれが正解だったんだな、と納得。というか、ここまではまって見てればもう、そこの動機付けなんてどうでもよくなってます、適当なんで。面白ければ何でも良し。

第8話から起承転結の「転」に入り、「結」に少なからず疑問を抱きながら、でも楽しんだ「ブラッシュアップライフ」。そうして見終わってから考えたのがタイトルの通りです。自分の人生をブラッシュアップするとしたら、どこから手をつけるんだろうか、と。

私の人生。
齢41。大卒でそのまま就職し1年半でギブアップ、ちょっと充電してからその後は転職しつつも勤め続け、その後に結婚、出産、子育て、アルバイトに出て、また出産、そして子育て・・・。この41年を赤子の時代からもう一回やり直すとか・・・根気のない私にはちょっと気が遠くなる話だわ。

そして何よりも、やり直してまで軌道修正したいことがないなぁ。先述の通り、確かに「ここなぁ」というポイントはあれど、それをやったら、私の人生結構変わるんじゃないかな?と思うと、じゃあココ!っていうのに二の足を踏むというか。
ドラマの主人公は来世を人間として迎えるために徳を積むべく現世を繰り返すわけだけど、だったらそれを自分の人生に当てはめて考えた場合、思い出せる限りの修正ポイントを挙げるとしたら小学校時代になるんですね、徳を積むポイント。そして、それやったら確実に私の友だちが変わってくるんです。それこそドラマの主人公も親友を失っていたように。それは嫌だなぁ、と思うとこのポイントはパスされてしまう。

じゃあどこだろ、うーん、勉強していい学校行くか?それでも友達変わるな、出会わない人も出てくるな。就きたい職業もあるが、それを凌駕するほどではないんだよな、私、仕事に執着ないし。と思うと、高校、大学まではこのままかな。ところどころ気になる点はあるけれど、それは小さく修正かけてく感じで、大幅な軌道修正はやっぱりないな。部活、辛かったけど、ここはもう一度頑張るしかないな・・・。やっぱり、修正かけるとしたら人生の後半だよな。まず、一番最初の会社にはいかないで、大学で取得した資格を生かして就職するかな。最終的にそこで働いてたしな。ぶっちゃけ、職場で知り合った人たちとは今まったく接点ないから痛くも痒くもないし。
そしてお金は倹約する!稼げたからって趣味につぎ込まない。貧乏なんだ、溜め込め。あるいはいち早く投資を学べ。何事も一から学んだ方がいい。途中からじゃもう、私の頭じゃ追いつかん。・・・という、ちっちゃい修正ばかりでブラッシュアップになってない気がする。補正レベルで揉みこんでる気が全くしない。周回するメリットがなさすぎる。

そういうポイントを探すとしたら、やっぱり使えない旦那関連がダントツなわけですね、私の人生。旦那と付き合わなかったら、あるいは結婚しなかったら、トラブル処理を見誤らなかったら・・・エトセトラエトセトラ。ただ、使えないからといって彼を切り捨ててしまうと、なんと子どもに逢えなくなってえなくなってしまうというジレンマ。さらに言うなら、人生後半の自分のしくじりのひとつひとつがなければ旦那に行きついていない私は、あの暗黒期を過ごさなければ今の生活に繋がらないというさらなる苦行が待っている!嫌!!!こわ!!!

なので、私は周回を選ばず来世に行きます。
人生の前半がどんなに質素だったとしても、後半の畳みかけが穴の中に埋まりたくなるほど恥ずかしかったとしても、我が子2人に出逢えた今の人生が一番好きです。これ以上は、これ以外はいりません。

・・・誰のためにもならないエゴで真っ黒な人生だな。


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