【読書】ザリガニの鳴くところ

読書家の父に薦められて読んでみました。ディーリア・オーウェンズ著『ザリガニの鳴くところ』。

湿地で発見された、町の人気者の遺体。
その湿地に暮らす、貧しい少女カイア。
カイアはこの町の人気者を殺害した容疑をかけられて…。

動物学の専門家なだけあって、湿地が育むさまざまな生物の生き様が描かれていて、最初の1ページ目から、ただのミステリーではないことがわかります。その描写に引き込まれたか、カイアの生活や恋愛に興味があったからかは分かりませんが、途中から一気にラストまで読み切りました。

White Trashと呼ばれるカイア、そのカイアを家族のようにケアする黒人のジャンピンの様子からは差別の歴史が色濃く描かれてもいます。
幾重にも重なる物語がやがてひとつの結末にたどり着きますが、読み終わっても、ずっと心に住み着いている、そういう作品でした。

全米でも人気になった本作は映画化もされました。日本で上映される日が待ち遠しいです。

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