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Apple Event (2020/9/16)|Apple Watch, iPad, iPad Air

先ほど毎年恒例のAppleによる製品発表イベントが終了しました。6月に行われたWWDCに引き続き、オンラインでのプレミアとなりました。
発表された製品/サービス群は以下
・Apple Watch Series 6
・Apple Watch SE
・iPad - 8th generation
・iPad Air - 4th generation
・Apple One
・Apple Fitness+

§ Apple Watch
・Series 6

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現行の Series 5 と置き換わる形で発表。$399より。カラーバリエーションに既存のシルバー/スペースグレイに加えて、ゴールド/ブルー/レッドが追加されました。またケースは今まで通りアルミニウム・ステンレススチール・チタニウムを選択可能です。

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大きな目玉として、血中酸素濃度計測機能が挙げられるでしょう。但し、ユーザーにとってどのようなメリットが受けられるのかといった具体的な言及はなく、私達にとって購入を望む大きな理由にはなり得ないでしょう。この点に関しては今後に期待といった感じです。SiP( System in Package )も新たな数字を刻み、高速化されたと謳われています。また後述するSEと異なり、ウルトラワイドバンドを扱うU1チップが追加されていたり、5Ghz帯のWi-Fiに接続可能になったのは地味に嬉しいアップデートだと思います。前者はWWDCにてデモンストレーションされた車での使用シーンや今後の製品との連携を、後者はアップデートやアプリインストールなどのインターネット接続を介する場合の高速化などが期待できます。あとしれっと光学式に加えて電気式の心拍センサーが内包されています。どう違うのやら。

・SE

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とうとう Apple Watch にも SE が追加されました。$279より。

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大体の機能は踏襲しつつも、Series 6 と比較するとSiPは Series 5 のもの、常時表示ディスプレイではなく、先述の血中酸素濃度計測関連は非搭載、アルミニウムケースでカラーバリエーションは既存の3色、5GHz帯のWi-Fiには非対応である、といった点で差別化が図られており、Apple Watch の 基本的体験は損なわないようにしつつもうまく調整されていると思います。
個人的に Apple Watch の SE が出ると言う噂については懐疑的だったのですが、本当に出てしまいました。Apple Watch は iPhone よりも Mac や iPad に近い製品の展開をしています。新製品発表後は現行製品の販売は終了されると言う点が最たる例だとおもいます。これについて裏を返すと、世代による明確な差が消費者の目には移りにくく、新製品への購買力が低下しかねないと言う観点からの措置だと考えています。実際 Series 6 と Series 5 の機能の差異と価格の差異を天秤にかけた時、大抵は安価な方を取るでしょう。しかし、安価なウェアラブル端末が手に入るようになった昨今において、$399スタートは価格的ハードルがあります。その悩みを解消するにあたって SE が投入されたとみています。ただ。筐体や内部パーツのストックマネジメントという側面はiPhone同様続くと思います。

§ iPad
・iPad - 8th generation

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昨年発表から丸一年経ち、置き換わる形で発表。$329より。教育機関向けの場合、$299となり、$300を切る。この点は既存のものと同様。

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昨年の同時期に発表された前世代とさほど変更点は多くありません。というかSoC以外変わってない。後述する新世代 iPad Air ではない前世代の iPad Air が搭載していたA12チップに更新されました。ストレージ毎の値段や構成も変更なく、ライト層をターゲットとしたモデルです。とはいえ1年前には価格帯が2倍の製品群と同じSoCを搭載していながらも、$329スタートというのは魅力的だと思います。iPad上で取り扱うようなアプリで処理能力不足を感じることは殆どないでしょう。ああもう一つ変わった点がありました。同梱される電源アダプタが従来のUSB-AのものからUSB-Cの物に変更されました。給電可能W数は未確認。

・iPad Air - 4th generation 

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現行のモデルのメジャーアップデートとして発表されました。$599より。
5色で展開されます。鮮やかなグリーンとブルーは結構いい色だと思う。

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現行 iPad Pro と同等かそれ以上の仕様となっています。 Pro 君涙目です。
Pro君の唯一無二の強みであった第2世代Apple Pencilに対応しましたし、ディスプレイサイズは10.9インチと iPad Pro 11インチモデルのものと殆ど同じです。外寸尺は同じですが、Air が2mmだけ厚くなっています。(Airとは…🤔)
ディスプレイの仕様も、120Hz駆動となる(厳密には可変リフレッシュレート) Pro Motion が非搭載であることを除けば、解像度やP3色域、True Tone 対応である点など同一です。Proの方が輝度が100nitだけ高くなっています。個人的に120Hzのリフレッシュレートは一度知ってしまうと戻れないものですので、Airを検討している人はProには見向きもしない方が良いかと思います。一応Pro君の面子のために述べておくと、スピーカー数は4つであるProに比べてAirは2つ、ストレージ構成は最大1TBに比べて最大256GB、A12Zモデルであればカメラは単眼であるといったAirが及ばない点もあります。但し、A12Xモデルであれば……(閉口)
1つだけ大きな違いがありました。生体認証が FaceID ではなく電源ボタンに内蔵された TouchID だと言う点です。正直僕は FaceID 派ですし、iCloudキーチェーン等を使うときなど生体認証は頻繁に用いるので、一々指を当てるの面倒臭そうとしか思わないのですが、歓迎する方も多いかと思います。
今回がイレギュラーなのは、毎年iPhoneの登場とともに発表されるSoCがiPadの発表と共にお披露目された点でしょう。5nmプロセスで製造され、これ以上微細化してしまうとトンネル効果の壁にぶち当たる手前まで来たA14はAppleの作るSoC史上最速と謳っています(毎年だが)。詳しいベンチマークなどは今後明かされていくと思いますが、現行ProのA12X・Zと比較した時にどれほど差があるのか楽しみです。一応A12X・ZはベースiPad Proに合わせて強化・最適化されたモデルのためCPU・GPU共にコア数では優っています。故に、シングルコアスコアでは新しいA14に劣ってしまうものの、マルチコアスコアではほぼ同等となるのではないかと考えています。Aシリーズのプロセッサについてはまた後日記事を書こうと思っています。(勉強しろ)

§ Apple One

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はい出ました。Appleの提供するサブスクリプションサービスを纏めて利用することができる新サービス。((必要かどうかは別として))純粋にお得なんですよね。それぞれを単体で契約した際、個人プランなら月1,210円、ファミリープランなら月1,230円の差額が浮く計算になります。加えてファミリープランは5人まで共有可能ですので、より割安に感じてしまいます。プレミアプランは日本でのアナウンスがされていない為、詳細は不明です。ただし個人プランでは利用できるiCloudのストレージが50GB、ファミリープランでは200GBと若干心許ない数字です。それらを見越してプレミアを買わせるつもりなのでしょうか、足下みやがって…。(ここまで全て米ドル表記をしてきましたが、価格設定が他の製品群は凡そ為替通りであるのに対して、Apple One だけ日本ではなぜか低く設定されている為、日本円での記述をしています。個人プランは1,100円、ファミリープランは1,850円となっています。)

§ Fitness+

知りません。今のところ興味がありません。日本も現段階では非対応です。ざっくり言うと、本格的にワークアウトする人のために他のサービスとも連携可能にして、楽しめるよ!らしいです。

§ 総評 - 買いなのか

・Apple Watch SE → Watchを欲しい人ならYes
・Apple Watch Series 6 → SEで省かれた機能がどうしても欲しいならYes
・iPad - 8th gen. → PencilのヘビーユースでないならYes
・iPad Air - 4th gen. → iPad Pro を買う理由がなくなったぐらいYes
・Apple One → 最終的なアナウンスまでNo、お財布と相談
・Fitness+ → 未アナウンス
ほとんどYesじゃねーか!!!一行でまとめるために端折ったので、仕方ないですね。Watchに関しては検討している人の9割はSEで満足できると思います。ECGはまだ日本での利用は不可能ですし(2020年9月4日に日本国内の機関から承認を受けた為間も無く有効化されるとは言われています)、血中酸素濃度センサーは正直恩恵が実感しづらい。初めて買う人なら尚更SEで十分だと思っています。但し、Series 3 だけは絶対に買ってはいけません。後悔しかしません。私とのお約束です。iPadに関しても同じようなことが言えます。処理性能は開きがあるとは言え、一般的な利用環境で目に見える差異はありません。Apple Pennci や 外部コネクタを用いたファイル転送を頻繁にすると言う方以外は無印iPadで十分事足ります。
結構長くなりました。ではまた。
※画像はAppleEvent2020公式アーカイブスクリーンショット又はapple.comより

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