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益軒十訓

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国立国会図書館デジタルコレクション 家訓    貞享四年  1687 君子訓   元祿十六年 1703 大和俗訓  寶永五年  1708 樂訓    寶永七年  1710 和俗…
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#五常訓

五常訓 巻之六 信

一  信は、説文に曰く、誠也从人从言會意。 徐曰、於文人言爲信、言而不信非爲人也。 信の字…

五常訓 巻之五 智

一  智は、增韻に心有る所知る也といえり。 知は心の明なり。 和訓には、さとると読む。 是非…

五常訓 巻之四 禮

一  禮は、心につつしみありて、人を敬うを本とし、萬事を行うに、則にしたがいて、正しく理…

五常訓 巻之四 義

一  中庸に曰く、義は者宜也、尊賢為大。 朱子章句云、宜者分別事理、各有所宜也。 周子も、…

五常訓 巻之三 仁之下

一  孔子の弟子顔淵、仁を問い給う。 仁を問い給う。 孔子答えて曰く、克己復體為仁。 己と…

五常訓 巻之二 仁之上

一  人の禽獣にことなるは、仁あるを以てなり。 五常五倫百行萬善、皆、仁より出づ。 故に仁…

五常訓 巻之一 總論

一  およそ人となれる者は、天の大徳をうけて生まれ、其の心に生まれつきたるものあり。 名づけて性と云う。 是れ即ち天地の萬物を生じ給う大徳の生理なる故に、性の字、心にしたがい、生にしたがう。 此の性の内、自ずから五つの徳あり。 名づけて五常と云う。 古今天下の人、たかきいやしき、さかしおろかなる、皆おしなべて、此の五つの徳を生まれつきて、心に備われる事、古今変わる事なし。 ここを以て五つの常と云う。 常とは変わらざるを云う。 此の五常の性は、人の人となれる理にして、人の萬物