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SCUBA DIVING の呼吸法って?その①

 今回は、SCUBAダイビングスキルを身につけるために最初に習う「呼吸法」について考えてみます。

はじめに
 我々はSCUBA呼吸というシンプルなスキルで、本当はとても大切なスキルでありながら、この大切なスキルの重要性を少し疎かにしていたのではないかと思うところから考えてみたい。

 スクーバダイビングの呼吸法とは、レギュレーターと呼ばれる呼吸装置を使って水中で呼吸を行う技術のことです。このスキルは、とってもシンプルな行為なのですが、実は奥の深い難しいスキルではないかと思ってます。

 何故ならダイビング認定証Cカードを取得しているダイバーであってもお世辞でも習得したとは言い難い呼吸が不安定なダイバーを散見するからです。

 では何故、Cカードを受けたダイバーであっても習得できていないのかは、さまざまな要因があると思っていますが、ここでは呼吸だけに焦点を当てて考えてみたいと思います。まず、仮説設定で「ダイビングスキルには、直ぐにできるものと直ぐにはできないもの」があるとします。するとSCUBAの呼吸法は「直ぐにはできないもの」に分類できるものかもしれません。つまり、ダイバーが実践経験のなかで、自身が意識して手本となる完成型を見習いその型に近づく努力をしなければ完成型の習得には至らないということです。←実はインストラクターでも完成形に疑問を覚える光景を目にしたこともあります。

 次にSCUBA呼吸を教えるイントラに視点を向けてみましょう。例えば「習うより、慣れろ」とインストラクターは受講者にアドバイス用語として使うことがあります。しかし、この言葉では「当らずとも遠からず」といえます。何故かと云えば、慣れるだけでは完成されずに未完成のまま慣れてしまう傾向があるからです。また畏れ多い事なのですが、そもそも指導を行う当人が厳密なSCUBAの呼吸法を完成型に至っていない場合に受講者は完成型を理解できる筈がないのです。完成型を見たことが無ければ、そもそも無理な話になります。大切なことは、手本となる完成型を見て理解して、自分の呼吸が完成型と比較して何処が違うのか、何が邪魔をしているのかを考え完成型を習得した者と一緒にダイビングを経験しながら一つ一つ、改善しなければ完成型スキルへの道筋は見えてきません。

 ここで完成型へ向かうためのキーポイントとなるのは「言葉で理解せずに感覚で覚える」ことが大切です。例えば、SCUBA呼吸の方法を説明した一般的なものは「大きくゆっくり」や「ゆっくり深く吸って、ゆっくり長く吐く」といった表現を使います。しかし、この説明でスクーバ呼吸法を理解するには、人によって解釈が異なることに注意しなければなりません。何故なら、ある人は「深呼吸」を繰り返すかもしれません。また、ある人は呼吸を極端な動作にしてしまい身体の浮き沈みが大きくなるかもしれません。このように人が発する言語のみで思考で理解した動作は、それぞれ異なった解釈で動作に移してしまいます。

 本題から少しそれますが、仏教の教え(禅の教え)で「不立文字」という教えがあります。
これは、文字で書かれたものは解釈いかんで、どのようにも変わってしまうから、そこに真実の仏法はない。といった教訓の教えですが、SCUBA呼吸の教えにも当てはまります。つまり、言葉だけで解釈してしまうと「本当のSCUBA呼吸の完成型スキルは身に付かない」と言った考え方になります。言葉は、スキルを完成型に向かう思考の補助線的ものでしかなく、あくまでも現実の動作に完成の型があるということです。

ここで云う動作とは「頭で考えて理解したことを意識的に身体を動かして作り出す」感覚となります。

まとめとしての完成型の表現は、、

ダイバーの体積と比重が環境圧との変化に正しく浮力補助(無重力状態)ができている場合に「正しい呼吸法」をしていれば、浮き沈みの状態は中立に等しい。

となる筈なのですが、、。

この続きは次回にします。

以前にも呼吸について書いたのはこちらです。

 https://note.com/idonokaeru/n/nd67b1f49af9f 

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