【ヒュージ・リーダーズ】ピットサイクル2【愚者滅ぼし、テヴェシュ・ザット/Tevesh Szat, Doom of Fools&東の樹の木霊/Kodama of the East Tree】
はじめに
MtGの歴史は約30年にも及び、数多くの名デッキがそれぞれの時代を彩ってきました。
カードプールは過去のものになったとしても、それらのデッキが持つ「強み」を分析するのは意義あることです。
ヒュージ・リーダーズは5マナ以上のカードしか使えない統率者戦という過去の知見が通用しにくいフォーマットではありますが、それでも過去に《出産の殻》デッキで活躍したキキジキ徴集兵のコンボが使われていたりします。
ということで、他にも5マナ以上のカードだけで構成されたコンボがないか探してみたところ遡ること20余年、ウルザブロックのピットサイクルが該当しました。
ピットサイクルとは?
キーカードのマナ総量を確認してみましょう。
まず《ヨーグモスの取り引き》でカードを引きます。
次に増えた手札を《スカージの使い魔》でマナに変換します。
このマナを《魂の饗宴》でドレインに変換し、ドローとマナ生成を繰り返してフィニッシュ。
ヒュージじゃん…………
あまりに完璧ですね。
こんなん組むしかない。
問題点
…………と思ったのですが、実はいくつか(ひとつじゃないのかよ)問題点があり、ピットサイクルをそのまま再現することはできません。
まずは問題点を具体的に見ていきましょう。
《ヨーグモスの取り引き》は禁止
いきなり致命的すぎないか?
ヒュージ・リーダーズの禁止カードは本家統率者の禁止カード+ヒュージ独自の禁止カードという形になっています。
本家統率者で禁止カードである《ヨーグモスの取り引き》は当然ヒュージでも使用禁止。
いきなりキーカードが封じられた形です。
《魂の饗宴》が足りない
ヒュージ・リーダーズはハイランダーフォーマットなので、同じカードは1枚しか入れられません。
対戦相手3人のライフを吸い尽くすのに必要な《魂の饗宴》は単純計算で21枚。
本家ピットサイクルでも《ヨーグモスの意志》で水増ししていたのですが、さすがにそういう方法でどうにかなる領域を超えています。
なんならデッキも足りない
そもそも《魂の饗宴》を21発撃つには最低でも105マナかかります。
デッキが50枚のヒュージリーダーズにはあまりに高いハードルです。
これ無理じゃね?
現状、キーカードが禁止で勝ち手段の枚数とデッキの総枚数が足りない状態です。
バカか?
ですが、「絶望は愚者の結論」という言葉もあります。
研究の末、これらのハードルを乗り越え、ピットサイクルをヒュージに蘇らせることに成功しました。
まずはデッキをご覧ください。
デッキ
デッキの動き
まずは新時代の《ヨーグモスの取り引き》をご紹介しましょう。
まずは《血の取引者、ヴィリス》です。
名前に「取引」とつくだけあり、ライフを失うたびにドローさせてくれるデーモンです。
黒マナがあれば自前でライフを支払うこともできるため、《スカージの使い魔》がいればドローし続けることができます。
しかし、それだけでは間もなくライフも尽きてしまいます。
そこで登場するのが《愚者の知恵の呪い》。
この呪いを自分自身にエンチャントすることで「カードを引くたび2点のライフを失い、2点のライフを得る」状態になります。
こうなればライフを失わずにライフを失うことが可能になり、ヴィリスがタダでカードを引かせてくれるようになります。
そしてカードを引けば《愚者の知恵の呪い》が誘発し、ライフを失ってカードを引き…………と無限ループが成立します。
あとは手札を《スカージの使い魔》でマナに変換、過程でエルドラージを捨ててライブラリーを修復することで無限マナを生成。
《魂の撃ち込み》《噛み針の罠》を無限に使い回して勝利します。
…………ということで、「ライフを支払ってドローする」「手札をマナに変換する」「ドレイン呪文を撃ち込んで勝利する」というピットサイクルの動きを再現することに成功しました。
パーツが多いコンボのため、揃う確率を上げるためにデッキ枚数を1枚減らせる共闘ジェネラルを選択。
ヴィリスと強力なシナジーを形成し、コンボパーツを複数揃えられる《蘇生実験》を使える黒緑のカラーリングにしました。
検討の結果、《蘇生実験》のためにカードタイプを増やせる《愚者滅ぼし、テヴェシュ・ザット》と、単純に強力な《東の樹の木霊》をジェネラルとしました。
その他、トリミケなどおなじみのコンボも搭載しています。
《生ける屍》や《具現の技》など派手なアクションを囮にして、ピットサイクルを決めていきましょう。
おわりに
ピットサイクル2、いかがだったでしょうか。
正直最初はいくらなんでも無理だと思っていましたが、探してみれば道はあるものです。
ヒュージ・リーダーズの可能性の広さには驚かされるばかりですね。
まだまだヒュージには未知の世界が広がっていると想っていますので、これからも古きを温ねて新しきを知り、皆様に公開していけたらと思っています。
そしてヒュージについて知りたい際には私のnoteの情報量が世界一なので見てください。
それではまた、ヒュージな世界で。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?