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わたしのすきなひと 3 (ゆんぎ編)


太陽が昇る前の夜明けが一番暗いから
遠い未来に、
君は今の自分を絶対に忘れるな

君がくれた言葉はいつまでも私の心の中でまるで北極星のように道標となって輝く
そして、日々変化し続ける君がくれたあたらしい言葉は、誰かの心の重荷をそっと包み込みこむだろう。
それはあの頃とは少し違う、大きな柔らかさで、まるでふかふかの毛布のようにさみしい人たちの心を包むのだろう。

太陽が昇る前の夜明けは何より暗いけど
君が望む星は闇の中でだけ昇るという事を絶対に忘れるな

大人になった君は、太陽が昇る前の最も暗い夜さえも、悪いものではないのだと、そこでしか見ることのできない星の瞬きを教えてくれる。




ミンユンギという人はなんてすてきな人だろう。

最近の彼は、料理に凝っているみたいだ。
「RUN BTS!」で料理の腕前を褒められると、うれしそうに実のお兄さんに習ったのだと少なくとも2回は言っていた。
うれしいとき、彼は何度も同じことを言いがちだ。
照れ隠しだろうか…?

デビュー当時から家の中で壊れたものを直すのはゆんぎの役目だったという話はとても有名だけれど、何かを作ることが元々好きなんだろう。
ニュージーランドでの旅行中(「BON VOYAGE S4」)では、メンバーがぽろっと口にした食べ物をすかさず作ろうか?と提案し、作ったことのないお酒や、色々なメニューに挑戦していた。この旅行中すごかったのは料理だけではなく、買い物のセンスからキャンプの準備など、何から何まで率先して動いていたことだ。
そして何より、“俺がやってます感”を決して出さない。さりげなく普通のことのように色んなことをしてくれる。見ているとこんなすばらしい人と一緒にいたら、何もやらなくなってダメになってしまうんじゃ…という不安さえも覚える。
長い休暇中、特に説明もなく見せてくれたセルカには手作りのような椅子が映り込んでいたけれど、家具やインテリアが好きなゆんぎのことだから、もしかすると、ついに家具さえも作ってみたのかもしれない。


ゆんぎは私にとって、とても男の子だ。
好奇心旺盛で、いろいろなことに興味を持っては没頭する。
デビュー当時「ダンスをしなくていいと言われたのに!」と冗談めかしながらも文句を言っていた人が、突然ソロ曲でダンスをしたり「一生ラップしかしない」と言っていたのに今となっては歌も歌う。2019年の年末の歌謡祭では、クリスマスソングを披露したが、その歌声はまるでディズニープリンスだった。
ラップの手数や引き出しもどんどん増えていく。新しいことに挑戦するのが好きなのは、思い返せばずっと昔からそうなのだ。


デビューしたばかりの頃、メンバーはそれぞれ独自のコンテンツを持つことを提案されていたのだろうか?
ジミンくんがたわいもない日常を教えてくれたり、ジンくんが「Eat JIN」というコンテンツを作っていたように、ゆんぎはMIDI装備の解説や、「シュガの視線」というコンテンツに取り組んでいた。
幻のようにたった一回で終わったMIDIの解説の冒頭文はとてもとてもかわいい。
【大韓民国初 練習生が紹介するMIDI装備】と銘打ったこのコーナー、説明に自信がなかったのか突っ込まれることへの予防線を張ったのか、“主観的なレビューです”という言葉とともに、ユニークな画像が添付されていた。キュートだ。
(吹き出しの中には「おかしいんじゃない?」「なに?」という意味の言葉が書き込まれている)

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そして、このコンテンツは記念すべき1回目以降、6年間UPされていない。
もう一つが「シュガの視線」だ。
そこではカメラにハマっていた彼の見た、道端の何気ない風景やメンバーの様子をUPしてくれていた。

その変化は4回目の更新時に現れた。

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なんと、ロゴ入りだ。
自分で手書き風のフォントを選んで写真に貼ったのだろうか?もしそうだとしたらそれはとてもとてもかわいい。

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ゆんぎは愛想がなくてメンバーからもそっけないとよく言われている。
実際、Agust DのMV撮影現場に誰も応援に来てくれなかった話を度々持ち出しては拗ねてるみたいにするくせに、「Interlude : Shadow」の撮影にジミンくんが遊びに来てくれた時には特に反応がなかったと文句を言われていた。
ジンくんがいつか見せてくれたカトクのメッセージもとてもとても簡素なものに見えた。
「誕生日おめでとう」というメッセージに対して「ㄱㅅ」という“thanks”の略文字で返答しただけだった。たぶん恥ずかしいのだろう。
それに対して、August D 1st MIXテープにも参加していた事でも有名で、ラッパーとしての先輩にあたるYankie氏とのカトクはまるで別人だった。
Yankieさんが普通の言葉遣いなのに対して、「넹(「はい」という意味の「네」のかわいい言い方)」という言い回しや、ゆんぎの使っている語尾(여)は若い子が使う、日本でいうところのギャル文字のようなものだそうだ。ツイッターなどでARMYへのメッセージにも時々そうしたギャルっぽい言葉遣いや、小学生みたいな擬音が登場するけれど、そういうかわいらしい一面はアイドル用の姿ではなく普段の生活の中にも発揮されているようだ。

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元の画像はこちらからお借りしました。)


ゆんぎはミン家でも防弾少年団の中でも次男だけど、こういうところに、生意気な、だけどとってもかわいい次男ぽさを感じる。


幼い頃、学校でみかんを食べようとポケットに入れ、当時流行っていたであろうローラーシューズ履いて学校へ向かう途中、転んでみかんが潰れ一日中ズボンから漂うみかんの匂いに包まれていたと2019年のFESTAで公開された「バンタン屋根部屋」で話していた。LYSツアーのどこの会場だったかは覚えていないけれど、ステージ袖で待機するゆんぎは、みかんをポケットに入れていることに気づき小さく慌てていた。ローラーシューズを履いていた頃のゆんぎ少年の“みかんをポケットに入れる”という習性は大人になっても変わっていないようだ。



幼い頃のゆんぎはどんな子だったんだろう?
出どころが分からない噂話だけど、いつも明るいゆんぎくんが友達に笛(伝統楽器)で叩かれめずらしく泣いていたので相手に事情を聞いてみたけれど、相手の子の「ゆんぎくんたちが先にからかってきたから…」という理由についてゆんぎは「知らない」と言ったというエピソードがあった。嘘をついてるのはどっちだろうか?
そしてこれは本人が言っていたエピソードだけれど、小学5年生の時の先生がゆんぎに将来は詐欺師か芸能人になると冗談を言っていたそうだ。きっと明るい子だったのだろう。

中学の時には生徒会委員を務め、高校生の時も模範生で、バスケチームのレギュラーとしてチームを優勝に導いた…というのも驚きだ。ゆんぎのパパが幼い頃は読書王(本をよく読む子のこと)だったと話していたそうだけど、ゆんぎには本当に色んな面があって、なんというか、とても飽きない人だ。

明るくて優等生だったゆんぎだけど、高校生の時、お父さんとの約束でソウルの音楽学校でなく一般の高校に通うかわりにお兄ちゃんの部屋にスタジオを作ってもらったそうだ。
細かい事情はよく分からないけど、お兄ちゃんの部屋はいったいどうなったのだろう。昔お兄ちゃんが自分の服を勝手に着ていて失くしたり汚されるのが嫌で殴り合いの大ゲンカをしたというエピソードがあるけれど、少なくとも部屋の一角を、もしかしたら自分の部屋のほとんどを弟に明け渡してあげたであろう兄に対して、なかなかの態度だ。

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だけどこのゆんぎ特有のめんどくささはたまらなくかわいい。

ゆんぎはジミンくんにきびしい。控え室でたい焼きをみんなで食べていた時、色んな人に一口ずつもらっていたジミンくんに「お前そうしないで自分で食べろよ。ほとんど1つ分は食べたんじゃないの?」と茶化していたけれど、当の本人は茶色い種類の方も普通のたい焼きも両方食べていた。かわいい。
そしてジミンくんもまたゆんぎへの当たりが割と強いのだけど、2人は、2019年1番楽しませてくれた人にお互いを挙げていた。

この2人の共通点はまるでないように思えるけど、ストレートな発言や飾らない素直さはとても良く似ている気がする。良いところも悪いところも隠すことなくフラットでいるような、そういう空気感が似ている。
ゆんぎが新しいアルバムのソロ曲で「Shadow」という曲を担当していたのはとてもぴったりだと思った。“影”という単語はマイナスなイメージを与えるけれど、ゆんぎの手にかかれば、それはそこにあっていいものになる。
自分を必要以上に飾り立てたり、良いことばかりを話さないで、時にはきっぱりと自分の考えを口にする彼だからこそ、その説得力を持つし、とてもとても優しい。

夢がなくてもいいと言った彼は、仕事のやりがいなどについて、シンプルにお金を稼ぐためのものだと言った。それはきっと私たちが何かを見出したくて、どうしたらいいか分からなくて、ずっと誰かに許されたいと思っていたことだろう。
だた働くだけでいいのだ。夢を持つことは素晴らしいことだけど、なくたってかまわない。だからどんな自分もそこにいていいのだと、そんなことを、彼は「Shadow」を通して私たちに伝えてくれているのではないかと思う。

そして大好きなのは、その多くを説明しないところだ。
過去に作ったビートやリリックをさらっとリブートしていても、“俺がやりました感”を出さない。なんてかっこいいんだろう。


ゆんぎは私にとって、とても男の子だと言ったけど、私にはあまり理解できない“男のロマン”みたいな映画や作品を好む。
Agust DのMixテープが「It’s Mans Mans Mans World」のようなストーリー仕立てになっていたように、“Tony Montana”的な世界が好きなんだろう。
だからだろうか…、
“一日を生きることは もしかすると死に一日近くなっていることだ”とか言ってみたりする。“僕がみなさんを愛していることは もしかしたら別れに一日近くなっていることかも”だなんてさみしいことを言ってみたりする。
なのに“僕たちの未来は喜びだけでいっぱいだから、心配しないで、長い間、幸せに楽しみながら前に進もう” だなんていきなり優しい言葉をくれたりもする。



2016年のMAMAでは肩を震わせながら号泣して、2018年のMAMAでは泣きじゃくるみんなを励ますみたいに笑いながらピョンピョン跳ねて、2019年のMAMAでは、頼もしい姿で、まっすぐに温かな言葉をくれた。

「振り返ってみるとその当時は本当に大変で、世界が崩れそうでも、時間が経てば笑いながらまた考えることができる、そんな瞬間になったんです。 1年が過ぎた僕たちはさらに成長し、もっと強くなりました。 本当にありがとうございます。 アミのみなさん。」

そんな話をしながら明るく笑うゆんぎの笑顔はとても眩しくて、柔らかな顔をしていて、昔と変わらず、とてもとても大切そうにトロフィーを眺めていた。


ゆんぎはとても賢くて、現実主義で、はっきりとしていて、
無愛想なのに突然、悩んでいた弟たちに手紙を書いたりして、その手紙には「愛してる」と書いたくせに、目の前で言葉にするのは恥ずかしがって、記録を叩き出すぐらい同じゲームをやり続けて、えびとアメリカーノが大好きで、暑い日には狂ったようにミルクシェイクを欲しがって、突然うつくしい湖の色を見て「絵の具を溶かしたみたいだ」なんてすてきな言葉を言ったりして、時々とてもお兄ちゃんで、いつもはねこちゃんみたいにかわいくて、その声はとても深く、鼓膜の奥に響くみたいに私の中のトゲトゲを丸くしていって、きっとそんな風に世界中の人を癒しているけれど、一度あふれ出したら肩を震わせるぐらい泣いていたあの日々のように、自分の痛みは、きっと限界までガマンしてしまう人で、永遠なんて信じてないみたいに見えるのに、ずっとずっと未来の約束をしてくれる、この世で一番かっこよくてすてきな人だ。
だからどうか、どうか幸せなことにだけ包まれていてほしい。



私の最高であり、慰めと感動をくれる人。
私の心のドアをひらけば、いつもそこで温かなコーヒー一杯をくれる人、
君に降り注ぐ無数の星の光が、どうかやさしいものだけでありますように。


日々進化し続ける君がたとえどれだけ変わっていっても、私はずっとずっと君を嫌いになることはないだろう。
どれだけ変わっても、どれだけかっこよくなりすぎたとしても、
ポケットにみかんを入れてローラーシューズを履いていた男の子はずっとずっとそこにいるから。


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※おわりに
最後まで読んでくださりありがとうございます。
このnoteは人物の考察ではありません。だれかの中の“好き”という気持ちがいっぱいになりますように。

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