よくわからない練習

今でも本当によくわからない練習が一度だけあった

顔面レシーブ

1年上の先輩がa先生にやられていた

コートは9×9メートル

なのでおそらく5,6メートルほどの距離で鋭く打ち込まれたボールを顔面に当てる

少しでも首を横にしたり顔をそらしたりしてはいけない。

つまり鼻のてっぺんでボールを受けなければいけない

そんな練習だった

いやあれは練習じゃない

a先生は虫の居所が悪かっただけじゃないか
なぜそれが行われたかはまったくもってわからない。覚えていない。
ただ、その行為があったという事だけは覚えている。

先輩の顔面に向かってひたすらボールを打ち込み続けた

少しでも首をそらしたら罵声を浴びせて

鼻のてっぺんにボールが当たるように

何度も何度も何度も鋭く打ち込まれるボール


どんな気持ちでそれを見ていたのか覚えていない

恐怖とか驚きとかそんなものはもうとっくに失われていたんだと思う

目の前で日常的に人がボコボコボコに殴られているんだ

恐怖なんて感じていたらきりがない

今思うと、あの先輩はよく鼻が折れなかったなと思う


顔面レシーブ

 OB 会で笑い話なんかにされてるんだろうか

ただの暴行だ


僕は高校を卒業した後 OB 会になんかには行ったことがないし、
部活の友達ともほとんど一度も連絡を取っていない


a先生、元気ですか

顔面レシーブ覚えてますか

今でもやってますか

春高出場おめでとうございます


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