タイのECや食品、物流などの業界別市場規模から見える将来性
タイ市場について、小売、EC、メディカルツーリズム、医療機器、食品、外食、食品包装、物流の8つの業界の市場規模および、各業界に進出している日本企業について記述します。
本記事を、貴社のタイ進出のための判断材料の一つとしてご活用いただければ幸いです。
タイの小売業界における市場規模
タイの小売業界における市場規模は、2018年の時点で約3兆6,700億バーツ。
小売形態別の市場規模は、食品小売店が51.4%、非食品小売店が38.8%、百貨店が4.6%、非店舗型小売が5.2%となっています。
ECでの販売について、2013年は1.1%だったのに対し、2018年には2.0%と倍増しています。
タイのEC業界における市場規模
タイのEC業界の市場規模は2018年の時点で約751億バーツ。
2009年からの年平均成長率は15.99%と、EC環境が整っているタイでは高い成長率で市場規模を拡大しています。
タイのメディカルツーリズムにおける市場規模
タイのメディカルツーリズムにおける市場規模について、バンコク・ポストによると、2017年の収益は関連事業含め5億8900万ドルに上ったとされています。
また、外国人患者数は、以下のような統計となっています。
推計値は発表元により大きく異なっており、タイの銀行系シンクタンクの調査によると、2021年は1万~2万人、2022年は13万~18万人と、新型コロナウイルスの影響が大きく出た推計値となっています。
タイではメディカルツーリズムを主要産業として位置付けており、2021年にメディカルツーリズム向け医療ビザの発行を承認しました。
これにより、医療サービスを受ける外国人は、1年間の有効期間内であれば、複数回の入国が可能となりました。
タイの医療機器産業における市場規模
タイの医療機器産業における市場規模は2019年の輸入額が約700億バーツ、輸出額は約1050億バーツとなっています。
タイには医療機器製造業者が約600社ありますが、その9割が中小企業となっています。
タイの国民医療費は約200億ドル規模で、国庫による医療費はその内約8割。医療費はタイの高齢者人口の増加に伴い、今後も増えると見込まれています。
タイの食品産業における市場規模
タイの食品産業における市場規模は、2018年で約1兆8000億バーツと、小売市場全体の半数を占めています。
タイは世界有数の食品輸出国でもあり、2017年の食品輸出額は約1兆バーツです。
食品の輸入については、バンコクでは輸入食品の競争は極めて激しい一方で、他の地域では消費者の購買力が弱く、店頭に並ぶ輸入食品の種類は限られているようです。
タイの食品包装産業における市場規模
タイの食品包装における市場規模は、種別により2つに分かれます。
紙、プラスチック類の包装
パッケージング企業の調査によると、食品包装の市場規模は約1090億バーツ、日本円で約3760億円となっています。
市場シェアは、スーパーマーケットや小売店で売られている加工食品の割合が最も大きく、残りはチェーン系飲食店や中小の飲食店となっています。
金属類の包装
缶詰や飲料缶などの金属製の食品包装における市場規模は、2016年は約600億バーツ、日本円で約2060億円となっています。
タイの外食産業における市場規模
タイの外食産業における市場規模は2017年で約3兆9700億バーツ。
日本食の需要は高く、フルサービスの外国食レストラン最大のシェアを持ち、その多くはバンコクにあります。
タイの物流業界における市場規模
タイの物流業界における市場規模は2019年で2兆バーツ。
その内訳は、陸運が79%、水運が18%、鉄道が2%、空運が1%となっています。
2020年は新型コロナの影響で業界全体は赤字予測となったものの、ECの市場規模は1000億バーツに達し、需要の増加が伺えます。
一方で、鉄道による運送が弱い事と、水運、空運における国内企業のシェアの維持が課題として挙げられています。
ASEAN全体の物流における近年の課題は、食品を冷凍・冷蔵状態で運送・保管する「コールドチェーン物流」の品質の不安定さが挙げられます。
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タイは現在タイランド4.0およびBCG計画などに基づき、主要産業の市場の拡大を図っており、それに伴い外国の企業の受け入れも積極的に行っております。ですが数々の恩典を受けるためには、複雑な制度や法令などを読み込まなければいけません。
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