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<論文>小児のコロナ重症化リスク因子

Underlying Medical Conditions Associated With Severe COVID-19 Illness Among Children
JAMA Netw Open. 2021 Jun; 4(6): e2111182.
doi: 10.1001/jamanetworkopen.2021.11182

重要性
小児の基礎疾患と重症COVID-19疾患に関する情報は限られている。

目的
基礎疾患と医療の複雑さに関連した小児のCOVID-19重症化のリスクを検討する。

デザイン,設定,参加者
この横断研究では,2020年3月から2021年1月までの間に,救急部または入院患者で,国際疾病統計分類第10改訂版の臨床修正コードU07.1(COVID-19)またはB97.29(その他のコロナウイルス)が付いた18歳以下の患児を対象とした。データは米国の800以上の病院のデータを含むPremier Healthcare Database Special COVID-19 Releaseから収集した。患者と病院の特徴を調整した多変量一般化線形モデルを用いて,基礎疾患と医療の複雑さに関連するCOVID-19による重症化の調整リスクを推定した。

暴露
基礎疾患と複雑性(複雑な慢性疾患の有無)。

複雑性の定義
複雑性は,検証済みの小児医療複雑性アルゴリズム(PMCA)を用いて,複雑な慢性疾患の存在(C-CD),非複雑な慢性疾患の存在(NC-CD),および慢性疾患がない状態(基準カテゴリー)として定義された。C-CDの存在は,測定期間中に,進行性疾患が1回以上,悪性新生物が1回以上,または2つの異なる身体部位で身体部位ごとに1回以上通院していることと定義した。NC-CDの存在は,進行性と判定されていない1つの身体部位について少なくとも1回の通院があることと定義した。慢性疾患がないとは,測定期間中に上記のような通院がないことと定義した。

主なアウトカムと測定法
入院および入院時の重症度(集中治療室への入室,侵襲的機械換気,死亡の複合アウトカム)。

結果
18歳以下のCOVID-19患児43,465名のうち,年齢の中央値(四分位範囲)は12歳(4~16歳),女児は22,943名(52.8%),基礎疾患のある患児は12,491名(28.7%)であった。最も多く診断された疾患は,喘息(4416名[10.2%]),神経発達障害(1690名[3.9%]),不安および恐怖関連障害(1374名[3.2%]),抑うつ障害(1209名[2.8%]),肥満(1071名[2.5%])であった。入院の最も強い危険因子は,1型糖尿病(調整リスク比[aRR] 4.60;95%CI 3.91-5.42)と肥満(aRR 3.07;95%CI 2.66-3.54)であり,COVID-19の重症化の最も強い危険因子は,1型糖尿病(aRR 2.38;95%CI 2.06-2.76)と心臓・循環器系の先天異常(aRR 1.72;95%CI 1.48-1.99)であった。未熟児は,2歳未満のCOVID-19の重症化のリスク因子であった(aRR 1.83;95% CI 1.47-2.29)。慢性疾患および複雑な慢性疾患は,入院のリスク因子であり,aRRはそれぞれ2.91(95%CI 2.63-3.23)および7.86(95%CI 6.91-8.95)であった。またCOVID-19重症化のリスク因子でもあり,aRRはそれぞれ1.95(95%CI 1.69-2.26)および2.86(95%CI 2.47-3.32)であった。

結論と関連性
今回の横断研究では,複雑性や,1型糖尿病,心臓・循環器系の先天異常,肥満などの特定の基礎疾患を有する小児において,COVID-19による重症化のリスクが高いことが判明した。医療従事者は,これらの疾患とCOVID-19を持つ小児を注意深く観察し,慎重な臨床管理を行う必要性を考慮することができる。


<感想>
小児のワクチン適応についてはデリケートな議論が残っていますが,こういうデータはとても参考になるかと思います。大人も子供も肥満はよくないのですね。



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